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今年はだちょうさんのと畜をして、お肉をウインナーとして販売します。
なぜお肉を売るのか。愛情を注いで、その命を頂くことについて。
おかげさまで、お肉を売らなくてはだちょうさんを養えない経営状況は脱しました。コロナ禍においても、経費の削減を徹底し、経営の為にとだちょうさんをと畜しなくて済みました。
ではなぜお肉にするのか。苦しんでと畜せず、愛情をこめて育て続ければ良いではないかと。
けれども、それは出来ません。
私はこの場所で多くの命と恵みを頂き過ぎました。
出来るだけ愛情を注いで育て、丁寧に、恐怖を与えずにと畜しただちょうさんのお肉はとても美味しいこと。
私は、これからも自然の中で多くの命を頂いて生きていかねばならないのだから、自分からこの業から目を背けてはならず、このだちょうさんや自然と向き合って、誠心誠意尽くして生きねばならないこと。
その他、多くのことを皆さんに伝えなくてはなりません。
私がここに生きている限り、この場所で命が育まれ、生きることの意味を学び続けなくてはならないように思います。もしかしたら明日にでも私の役目が終わるかもしれないと思いながら、一日一日をできる限り大切に、だちょうさん達と生きたいと思います。
今年は去年の緊急事態宣言期間中に生まれた卵を育て、お肉にさせて頂きました。
多くの人々がコロナ禍で苦しみや絶望を味わったと思います。
この子たちを育てながら、たくさんのことを学ばせていただいた一年でした。
その中で、私が何ができるのかを自問し、だちょうさん達やお客様と向き合った一年でした。
無邪気に草を食べ、すくすくと育ち、走り回る雛たちの姿にどれほどの人や私が癒されたことでしょう。
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その子たちをお肉にするという事の残酷なことに耐えられない気持ちを感じる方も多いでしょう。
その気持ちは本当に大切なことですし、私を含めて誰もが決して無くしてはいけない気持ちだと思います。
私は皆さんを悲しませたいわけではありません。
ただそれでも伝えなければならないことがあるのです。
この子たちをと畜して、食べて頂き、伝えなくてはならないのです。
私が好きな坂村真民さんという方の詩を引用させていただきます。
【鳥は飛ばねばならぬ 人は生きねばならぬ】
鳥は飛ばねばならぬ
人は生きねばならぬ
怒濤(どとう)の海を 飛びゆく 鳥のように
混沌の世を 生きねばならぬ
鳥は本能的に 暗黒を突破すれば
光明の島に着くのを知っている
そのように人も 一寸先は闇ではなく
光であることを 知らねばならぬ
新しい年を迎えた日の朝
わたしに与えられた命題
鳥は飛ばねばならぬ
人は生きねばならぬ
坂村真民
強く生きろなどと本当に泣き虫な私が毛頭言えません。
ただ、時には頭を空っぽにして休んで、新たな場所で根を張って生きることができることを知っています。
野生のだちょうさんは何も考えずに走り続けて、砂漠を越えます。
もし、この牧場にいらっしゃったらコーヒーの一杯でも飲みながら、だちょうさんと景色をぼーっと眺めてみてください。難しいことは考えずに。きっと何かが得られると思います。
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