①車窓から日本海
平日の10時50分に秋田を出発して青森県弘前まで、日本海に沿って走る五能線経由の観光列車リゾートしらかみ3号で行くと15時49分に到着します。距離は210.2㎞、乗車時間4時間59分、料金は全席指定の特別料金530円が加算されて4,600円の鉄道旅です。単純に移動だけを考えると、奥羽本線の特急に乗れば秋田から弘前まで最速約2時間で行け、距離は148.4㎞で、特急料金込みで4,530円です。
いかにも地方のローカル線らしい単線で無人駅が多い五能線を走る「リゾートしらかみ」は、観光列車に相応しくゆったりした座席で大きな窓から日本海と世界遺産・白神山地等の大自然の景色が楽しめます。絶景ポイントに近づくと車内放送の案内があり、列車の速度がダウンするので、写真やビデオの撮影も容易になります。
加えて、途中下車できる観光スポットもあります。「能代駅」のホームにはバスケットボールのゴールがあります。停車時間中は下車してシュートチャレンジができます。広い岩棚が続く「千畳敷海岸駅」(写真②)は奇岩もあり、日本海を見渡しながら海水のにおいや味を楽しめます。
②千畳敷海岸
更に車内で津軽三味線の生演奏があり、目前で本格的な津軽じょんから節等の民謡を力強いバチさばきで実演してくれます。
③津軽三味線
筆者は2022年4月22日(金)にリゾートしらかみ3号に乗車し、ゆったり大自然の鉄道旅を満喫しました。しかしながら、私の思い出には追伸があります。4両編成で座席数は100以上あると思いますが、コロナ禍の影響が残る平日だったからかもしれませんが、客数は10人程度で閑古鳥が鳴いていました。少子高齢化や人口減少が止まらず経済が低迷する地方のローカル線の寂しい実態を体験したからです。大自然の景観は今も昔も変わらなくても、田舎に住む人々や、そこを訪れる観光客が減少していくのを残念に思います。
今年2023年7月に只見線に乗って、会津若松と福島を旅行しました。シニア世代となった私も健康に留意しながら、時折ながら地方旅を続けようと思います。日本の自然と文化、食文化を楽しみに、地元で生き生きと暮らしている人々に会いに行きます。以上