◇2021年11月に、50数年ぶりに筆者が生まれた故郷・愛知県岡崎市を旅行しました。築70年近くなる当時の自宅がまだ残っていたのには本当に驚きました。通った幼稚園も小学校も、よく遊んだ神社や公園もありました、感動モノでした。ぜひ、遠きにある故郷を訪れてみてください。
今日は2023年(令和5年)12月26日、故郷への年末年始の帰省が始まります。
シニア世代の私たちは誰もが学校で習ったと思いますが、「故郷」という言葉を聞くと思い起こされるのが「ふるさとは遠きにありて思ふもの」という詩の一節です。この詩は、大正7年(1918)に刊行された金沢市出身の詩人・小説家、室生犀星の詩集「抒情小曲集」に収められています。その心情は、彼が金沢に帰ったけれど周囲に受け入れてもらえず、辛い思いを抱きつつ故郷を去ろうとする時の思いだとされています。
筆者はその昔、東京に就職してからもお盆と年末年始は両親が住む秋田に帰省していました。父親が退職後に寒い秋田から温暖な千葉県の外房に移住し、晩年は浦安市に移りましたので、帰省先も変わっていきました。
帰省のニュースが話題となるといつも思うのです、「故郷」って何でしょうか?
筆者の出生地は愛知県(上記写真参照)ですが、両親の移住とともに、通った学校や生活拠点も変わり、第二の、第三の故郷・・・と増えていきました。結婚をし子供を持つようになり、孫を持つシニア世代となった今、私自身は振り返って「親」の住むところが「故郷」なんだろうと感じています。
数年前に定年退職を迎え「終の棲家」をどこにしようか移住も含めて考えました。結論は、自分の子供たちのことを思うと、彼らが生まれ育ったこの「多摩ニュータウン」を彼らの「故郷」にしてあげようということです。子供たちは皆、既に結婚をして家庭を築き自立していますが、また今年も私たちが住む彼らの「故郷」に帰ってきます。
筆者にとって「ふるさとは遠きにありて思ふもの」ではなく、「故郷」は、遠くにあっても近くにあっても、いつでも優しく迎い入れてくれる、自分を産み育ててくれた両親の「家」だと思っています。
以上