おうえんの森スタッフブログ

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映画「ゴジラ・マイナスワン」の感想文

2023年12月10日 | 日記

 

 公開1か月を経て、映画「ゴジラ・マイナスワン」を12月7日(木)に自宅近くのイオンシネマに見に行ってきました。コロナ禍を経て、筆者ももっぱら自宅に居てNetflixやPrime Videoで映画を楽しむようになりました。そんな折、国内外で公開時の興行収入で新記録を樹立し、内容的にも歴代最高のゴジラ作品との評価が定着しつつあり、しかもVFXがめちゃ凄いとあって数年ぶりに大画面・大音響の映画館に出かけたわけです。

 ゴジラ・マイナスワンは、1954年(昭和29年)公開の第1作から数え70周年記念作品です。これまで日本国内で製作された実写映画は、2016年(平成28年)公開の『シン・ゴジラ』までで29作、加えてアニメ版が4作、更に米国ハリウッド版が5作あり、筆者はそのほとんどを映画館やテレビ、動画配信等で見ていると思います(数えたことはありませんが)。
 流行りのアニメやドラマの劇場版が、現在の日本の映画産業を支えていることは事実でしょう。そんな時代に、ゴジラは日本映画オリジナルの“大スター”です。マイナスワンは着ぐるみの特撮ではなく、全て最新のCGとVFXにより筆舌に尽くしがたい人知を超えた“怖く獰猛な怪獣”として製作され、絶対に映画館で見るべきエンタテインメントだと改めて感慨に至りました。

 マイナスワンの監督・脚本・VFXは日本アカデミー賞最優秀作品賞・監督賞・脚本賞等を獲得した2005年(平成17年)公開の「ALWAYS 三丁目の夕日」等で著名な山崎貴です。
 太平洋戦争敗戦直後の廃墟から復興する日本で、突如出現したゴジラに対し、戦争で生き残った復員兵ら民間人の有志たちが占領時代の米軍に頼ることなく、力を合わせて残存していた駆逐艦や試作戦闘機を駆使し決死の覚悟でゴジラに挑む作品です。そのストーリーの中に、特攻から逃げ帰り生き残ったことに苦悩する兵士や空襲で家族・家屋を失った絶望から逞しく立ち上がる女性らの人間ドラマが組み込まれ、単なる怪獣アクション映画の域を超えた人間ドラマに涙します。

 個人的な感想ですが、ゴジラが銀座を破壊するシーンは圧巻ですが、海を泳いで船を襲ってくるゴジラの恐ろしさはスピルバーグ監督の「ジョーズ」のようです。生きることに執着しつつも最後には死を覚悟し特攻機に乗り込む兵士の話は、2013年公開された百田尚樹原作の「永遠の0」を連想させました。
 国内興行収入でゴジラ歴代最高の82.5億円を記録した庵野秀明脚本・総監督の「シン・ゴジラ」は、エリート集団の官僚や総理・政府等が中心に描かれ、自衛隊や米軍や国連軍、最後は熱核兵器まで話が飛び、シリアスで具体的で迫力満点ながら政治的・軍事的過ぎる展開は、ある意味で冷ややかなストーリーでした。これに対し、マイナスワンは、生と死に直面した敗戦の廃墟からの復興を時代背景に、冷戦と核兵器が生み出したゴジラに立ち向かう第1作のテイストに原点回帰したような人間力・人間味があふれています。ゴジラの登場シーンでは歴代のゴジラやモスラのテーマ音楽が効果的使われ、30作の歴史と伝統を感じさせてくれます。
 映画評論家やファンの皆さんが評するように、シニア世代の筆者もマイナスワンはエンタテインメントとしての面白さ、充実度が高く、映像技術的にもストーリー的にもゴジラ映画歴代最高傑作と思います。

 ゴジラのことを思い起こせば、地方育ちの筆者のきっかけはその昔、毎年夏休みになると、加山雄三の若大将シリーズと2本立てで上映され、学校で配布された割引券(?)を手に映画館に行くのが楽しみでした。着ぐるみとミニチュア模型のセットによる特撮と理解しつつも、ゴジラが都市を破壊し、モスラやキングギドラ、キングコング等と闘うシーンは巧みで、圧巻でした。その後の人生においてSFやファンタジー系の映画が趣味となりました。付記として1967年(昭和42年)から若大将シリーズに出演していた酒井和歌子のファンにもなりました。

 ゴジラの次回作は、2021年公開のゴジラ対キングコングの続編となるハリウッド作品が来年2024年4月に米国で公開されます。その次はマイナスワンの大ヒットを受けて、山崎貴監督の日本版に期待が高まるでしょう。さてさて、突拍子もなく意表を突いて、ゴジラ対ガメラやゴジラ対大魔神はどうでしょうか・・・(笑)。

以上

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