血管が見えない・・・迷う点滴針。 2017年08月06日 | 日記 キッチンのテーブルの上に鎮座している小さな丸い粒。 姿形はとても可愛いのですが、性格は頑固で融通が利かない。 治療薬としてだけ作用すれば良いものを、 どんぐり母ちゃんの心の隙間に入り込み、これでもかと副作用をまき散らす。 そして前向きになろうとする気持ちまで阻止してしまう。 いっそ噛み砕いて、のみ込んでやろうと思うけど そこまでの勇気はなく、水で優しく喉の奥へと流し込んでます。 ************************** 【脳神経外科病棟】 この病棟には40名ほどの看護師がいました。 それぞれ二人一組になって患者の治療や経過を見て回ってます。 『血管が見えない・・・』どんぐり母ちゃんの腕をさすりながら 一人の看護師がつぶやきました。 点滴の針は、数日置きに交換されます。 どんぐり母ちゃんも手術から12日目。この日は3回目の針の交換日でした。 炎症を防ぐ為、針を刺す場所も変えます。 採血の場合は関節の内側の浮き出た静脈に刺すため 簡単に刺せて痛くありませんが、 点滴は針を数日間固定するため曲げる場所には刺せません。 その為、針が固定できる腕の関節から手首の間に刺します。 ところが、どんぐり母ちゃんの静脈は細くて見えずらいのです。 その為、前の交換の時は何度も刺し直され痛い思いをしました 『どんぐりさん、少しお待ちくださいね。点滴の得意な看護師呼んできます!』 そう言うと、一人の看護師が足早に病室を出ていきました。 代わりに現れたのは、見るからに優しそうな面立ちの若い男の看護師さんでした。 うふッ・・・またしてもイケメンじゃん!どんぐり母ちゃん思わずニンマリです。 『どんぐりさん、大丈夫ですよ。まだ刺してませんからね。 えーっと、この辺かな、あ~血管細すぎるな~大丈夫、まだ刺してませんからね・・・』 大丈夫と言われても無性に不安になってきました。 頼むから一発で決めてくれ・・・思わず心の中で叫びました 『よしッ、ここだ!チクッとしますからね。ガマンして下さい』 イデ~ッ!!思わず叫んでしまいました。 チクッとなんて生易しい言葉では有りません。まるで奥深くブスッ!とした感じです。 そして不安が的中。 看護師が部屋を出て間もなく痛みがでてきたのです。 なんと針が血管に入ってなかったのです。 当然、腕の中の液が漏れ出します。みるみる腫れあがってきました。 もう、泣きたい・・・ 再度、刺し直しです。 そして次に現れたのが、わが故郷出身のアイドル! 渡辺直美似のぽっちゃり美人!! 迷うことなく、力まかせに刺されそうです。 もう恥など捨てて大泣きしたい心境です ところが、このぽっちゃり美人が素晴らしく上手かった! そーっと腕を触ったかと思ったら、ためらう事も無く一気に刺し終わってました。 どんぐり母ちゃんの目は羨望のまなざしです 一気に渡辺直美似のぽっちゃり美人のファンになりました。 そして、どんぐり母ちゃんは学習しました。 イケメンだからと外見に惑わされては痛い目に合う事がある。 その事をシッカリ肝に銘じました *********************** 前回の投稿から、ずいぶんと間が空いてしまい本当に申し訳ありません。 次回は、入院編の最終章として投稿させて頂きます。