チビのおしゃべり日記

お星さまになったチビへ
どんぐり母ちゃんが語りかけます。
ねえ、チビ・・・聞こえる?

あのカラスくんはどうしてるだろう・・・

2015年09月24日 | 日記
今日もポツポツ雨が降り出してきた。
雨の日は、母ちゃんが公園のスズメちゃん達に、あたしの残り餌を
持って行く日になっている。

いつもなら、あたしの大好きなカナリヤシードを、
あたしに見えないように、つぎ足し持って行くのに……

どうしたんだろ…今日はまだ用意もしていない。

この前、公園で会ったカラスくんの事が気になるのかも知れない。

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【一週間前】

その日は朝から冷たい雨が降り続いてた。
公園へ出かけた母ちゃんは、時間になってもなかなか帰って来なかった。

母ちゃん、どうしたんだろ…少し心配

 『チビちゃん、ただいま……』

お帰りッ、遅いッ!

わわわッ!! そ、その頭…どうしたの?

最初、母ちゃんの頭を見た時は、海へでも行ってワカメでもくっ付けてきたのかと思った。

でも、良く見たら雨でぐしょぐしょに濡れた髪の毛が、おでこに張り付いてるだけだった。
傘を持って行ったはずなのに、何なんの、その頭は……まったく、もッ!

それから母ちゃんは、公園で会ったカラスくんの事を、あたしに色々話してくれた。

『雨の中、このコは本当に大丈夫だろうか……』っと、気になった母ちゃんは、
ずーっと様子を見ていたらしい。

人の気配がして、ふと、後ろを振り返るとワンくんを散歩させてるおじいさんが、
心配そうに母ちゃんを見ていたと言う。

当たり前でしょッ! 中年のおばさんが、雨の中、公園の隅で
ボーっと突っ立っていたら、どんな人も心配するのに決まってるでしょッ。

『このおばさん、ひょっとしたら、何かよかならぬ考えをおこすのではないか……
早まった事をしなければ良いけど……』って、誰だってそう思うわよ。

お願いだから、人様に余計な心配をかけないようにしてね。 
(飼い鳥に説教される飼い主なんて、あまりいないと思うけど…)

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【そして、今日……】

母ちゃん、どうしたの? スズメちゃんが公園で待ってるでしょ。
早く行かないと迎えに来るわよ。

遠くでスズメちゃんの催促する声が聞こえた。

チビちゃん、お留守番お願いね。今日は早く帰って来ますよ。

母ちゃんは、柿を持ったまましばらく考えていたが、
きんちゃく袋の中に、粒エサと柿を入れてるのがチラッと見えた。

クチバシに障害を持ったカラス・・・生きる力を信じたい

2015年09月17日 | 日記
この日は朝から小雨が降りしきる寒い一日でした。

いつものように、チビの残り餌を持って公園のスズメ達に会いに行きました。

5~6羽のスズメ達が、粒エサを食べ始めた……と、その時、
こちらをじーっと見ている一羽のカラスに気が付きました。

体も一回り小さく、尾羽も短いため今年巣立ったばかりの若鳥ようです。
良く見るとクチバシが、極端に変形しています。
上クチバシが横にねじれて、下のクチバシと噛み合わさってないのです。
上から見るとハサミを少し開いたような形に見えます。
多分、生まれつきの奇形かも知れません。

これでは、たとえ粒餌を横取りしても食べられないでしょう。

ネズミなどを捕食するのも困難なはずです。
木の実も口からこぼれてしまい、上手く食べられないでしょう。

案の定、目の前のスズメを見ても襲うどころか、
スズメ達が、粒エサを食べてるのをじーっと見ているだけです。

このコも、お腹はすいてるはずなのに、
どんな思いでこの光景を見ていたのでしょう。

私はなんて罪深い事をしてしまったのか……

雨あしがだんだん強くなって来ました。このままでは家に帰れない。

まだ、人間の怖さを知らないあどけない顔……クリクリとした黒い瞳
なんて、可愛い目をしてるのでしょう。

何とかしなきゃ……

気が付いた時には近くのスーパーに走ってました。

正直言えば、唐揚やパンを買ってあげたい気持ちでした。
でも、それは一時の気休め。安易な考えと分かっていました。

あのコは、これから先も自分の力で生きていかなければなりません。

他のカラスと同じように、自然に成る木の実や、
昆虫も自分の力で捕らなければならない。

今、このスーパーで自然にあるものって……何だろう?? 

こうしてる間にも、あのコはどこかへ行ってしまうかもしれません。
その時はその時で仕方ない『頑張って生きてね』と願うだけ。

ふと、目の前の野菜のコーナーで、柿とぶどうが目に入りました。

あッ!!これだ!柿にしよう。
柿は秋の季節の物。柿の木はこの近辺でも探せば見つかります。

急いで公園に戻ると、カラスは同じところにいました。
葉の陰で雨を避けるようにして、じーっとこちらを見ています。

私は、柿を取り出した瞬間、『ハッ!』っと気付きました。

うっかりしてました。このままでは食べられない
あのクチバシでは、かみ砕く事も出来ないはず、小さくしなければ…

しかし良く考えれば、枝になっている柿は自分でかみ砕かなければ食べられません。
誰も、手助けはしてくれ無いのですから…

カラスの生きる知恵を信じて、そのまま与える事にしました。

先ほどから、不思議そうにじーっと見ているカラスに、
『この柿はキミのだからね。食べてもいいのよ』とその場に置いてみました。

私が出来るのはここまでなの……ごめんね。

この柿の形をシッカリ覚えてね。

後は自分で探すのよ。
小さな昆虫も木の実もキミの目なら必ず見つけられるでしょう。

少し離れて様子を見る事にしました。

しばらくするとどうでしょう。頭を少し傾けながら、
よじれたクチバシで柿を突っついてるのが見えました。

何度も何度も突っつき、少しづつ果肉を崩して食べるのが見えました。
口に入るより、こぼれ落ちる方が多いようです。
それでも、あきらめず一生懸命食べようとしています。

見ているこちらが意地悪してるようで、とても辛い気持ちになりました。

柿の木なら近辺の住宅のお庭にもあります。
一羽のカラスが食べる分ぐらい多めに見てくれるでしょう……たぶん。

カラスは賢い生き物。

失敗しながらも、食べ物の捕り方も覚えるでしょう。

野性としての本能が備わっていれば大丈夫!

カラスの生きる力を信じる事にしました。

避難勧告・・・決断の時は・・・

2015年09月10日 | 日記
9/10 今回の記録的な豪雨により、栃木県、茨城県を流れる鬼怒川が氾濫をしました。
茨城県常総市では、多くの家屋が倒壊、濁流に流されました。
 
この度、甚大な被害に遭われた皆さまへ心よりお見舞い申し上げます。
また、住宅に取り残されてる方々の一刻も早い救助を願っております。   

     
    
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   その前夜、どんぐり家族が住む磯子区でも


母ちゃん、取りあえずチビのエサとケージだけ先に用意しよう。
俺たちのは何とかなるからな…あッ!水…チビの水入れも…



あたしは不安だった。何が起こってるのかさっぱり分からなかった
お外はカミナリがなっている……怖い

 チビちゃん、心配しなくても大丈夫よ。
でもね、もしもの時は、この中に入ってね。少しの辛抱だからガマンしてね。
大勢の人達のいる所へ行くけど、お利口さん出来る?

『………

チビ、大丈夫だよ。チビのカバンは父ちゃんがシッカリ持ってるからね。
怖がることないからね。
お水も、エサもいっぱい用意してるよ。

父ちゃん、外は土砂降りです。今、外へ出たらかえって危険かも、
もう少し様子見ましょう。
同じ区でも、危険な地域と安全な地域が有ります。
避難を呼びかけるパトカーも走っていません。
自治会からの情報を待ちましょう。

そうだな。地域が絞られるまで少し待つことにしよう。

私達は、正直、決断を決めかねていました。
ペットを飼っている方々が、まず最初に心配するのはペットの健康状態です。
例えわずかな時間でも、環境の変化で体調を悪くする場合が有ります。

また、避難所の方々へ迷惑がかからないよう、ケージにカバーを
かけて置く必要があります。

小鳥も環境の変化で鳴きやまない場合も有りますし、
興奮してパニックになれば羽をバタつかせ騒ぎ出します。

アレルギーをお持ちの方は、そばに居るだけで不快感を覚えるかも知れません。

そして、飼い鳥は外の世界を知りません。
慣れない場所では絶対に、ケージから出す事は出来ません。
万が一、ケージから出してしまった場合は、周りの環境に驚いて逃げてしまいます。
そして、その殆んどが生きていけません。

色々考えた末、少し様子を見てから避難する事にしました。
しばらくして、携帯にも細かい情報が次々に送られてきました。

幸いにも、この地域は被害もなく夜を明かすことが出来ましたが、
今、あの時の選択が、良かったのか悪かったのか私達には判断できません。

今回は、運良く難を逃れましたが、判断によっては逆だった可能性も有ります。
そして、その多くは後の方にありうる事も……

あの日本中を震撼させた3・11を常に教訓として、
災害は常に身近にある事を、改めて肝に銘じたいと思っております。

   
今回、被害に遭われた皆様が、安心して元の生活に戻れますよう、
一日も早い復興をお祈り申し上げますfont>

夢の中・・・幼い頃の小さな記憶・・・

2015年09月02日 | 日記


父ちゃんの手、あったかいね~なんだか眠くなったきた…
ん?? チビ眠いのか?目がしょぼしょぼしてきたぞ。

《チビは夢をみていました……幼い頃の小さな記憶》

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【3年前 一組の夫婦が小鳥のショップへ立ち寄りました】

母ちゃん、このコはどうだ? 大きくて元気そうだ。
頭のてっぺんの黄色い羽が突っ立てるけど、あれは寝ぐせか?
おーッ!!なんじゃッ??……寝ぐせが動いた

オウムのキバタンですね。寝ぐせじゃなくて冠羽ですよ。

母ちゃん、このコにしないか?
ほら、じーっとこっちを見てるだろ?うちのコになりたいって。
せっかく来たんだ、そこの店員さんに詳しい育て方聞いてみようか?
    
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【説明を聞いて、初めて知ったオウムの性質……】
 寿命が30年以上と長いことを、そして絶叫に近い鳴き声を発することも。


『…………』

『…………』

母ちゃん、俺たち30年以上も生きられるかな……
どう考えても無理だよな。生きていてもボケてるか介護状態だな

 オウムをひとり残して逝けませんよね。   

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そして、オウム君の代わりにあたしが連れてこられました。

父ちゃんは、あたしの頭をなでなでしながら『ガハハハ…まるで、
頭はハリネズミのようだ。手羽先も小っちゃくて可愛いな~』っと言って笑った。

少し悲しかった……ハリネズミってだれ?テバサキってなあに?

 父ちゃん、このコの名前はどうします? 
幼鳥の頃は女のコと男のコの区別が難しいみたいですよ。

う~ん、そうだな~、名前でパッと浮かぶのは……
オスなら……しろ、ぽち、ころ、太郎、次郎、ごん太……
メスなら……とら、しろ、たま、みけ、ぶち、茶、みーッ……

 でも、それでは、ワンちゃんやネコちゃんの名前です
このコは小さな小鳥ですもの、もう少し可愛い名前が……

お~お!いい名前が浮かんだ!! 小さいから(チビ)でどうだ? 
この名前ならオス、メスどちらにも通用するぞ! 
ガハハハハ…… なあ、チビそれでいいだろ?

こうして、あたしの名前はむずかしく考える事も無く、
まるで取ってつけたように、あっさりと決められました。

この名前は、女の子と分かった後も『めんどうだから…』と言って改名されてません。
もう少し考えてほしかったのに……。

父ちゃんは、赤ちゃんのあたしが寂しがらないように、夜寝る時は
小さなケージに私を入れて、一緒のお布団で寝てくれました。

時々、ひっくり返されそうになったけど、大事に大事に抱えて寝てくれました。

イビキはうるさかったけど、父ちゃんのお布団はあったかくて大好きでした。

  今でも時々夢を見る……幼い頃の小さな記憶……


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              追記 
チビを迎える際の詳しい経緯については、
2015-12-31投稿済【一年の感謝をこめて どんぐり家族のご挨拶】に綴ってます。