【家では家族会議が開かれていました】
実家の目の前には、国道6号線が走っています。
もし、アカが車にひかれていたのなら、近所の誰かが気付いて必ず知らせてくれたはずです。
実は、コロの前に飼っていた犬が事故に遭い悲しい思いをしたことがありました。
近所の人の知らせをうけ、父が駆け付けた時には少し息があったようですが、
父の顔を見ると安心したように小さく鳴いてそのまま息を引き取りました。
***************************
家族の話し合いの結果、これほど探しても見つからないのは、
どこか知らない土地で他の犬と喧嘩になり、致命傷を負い死んでしまったのではないかと
いう結論になりました。
(実は、近所の子猫を目にしたどんぐりが、飼いたい一心で両親を説得した結果でした)
そして、せめてもの供養にと庭のすみにアカのお墓をたてて煮干しと
水を備える事にしたのです。
煮干しは供えたそばからカラスの餌になってしまいました。
****************************
そのような事とはつゆしらず、アカは家の前まで帰ってきていました。
そして、アカの気配をいち早く感じ取ったのがコロでした。
コロは何度か、軽く吠えると鼻を鳴らしながら尾っぽを振り始めました。
(コロは、アカよりも少し年上でしたが、アカは先輩を敬う気などサラサラなく
いつも目の前を堂々と闊歩していました)
そんなアカを、懐かしむようにコロは出迎えてくれました。
*****************************
アカは、庭の隅に自分のご飯茶碗があるのに気付きました。
側には水入れと、コップには小さな花が一本さしてありました。
そして、こんもりと盛られた土の上には竹棒が一本さしてありました。
なんでこんな所においらの茶わんが有るんだ?
中を覗いたけど何も入っておらず、ちっこいアリ達が茶碗についてる
カスのようなものに群がっていました。
『コラッ!!お前らッ!!何してるんだッ!!
おいらの茶わんが汚くなるべッ!!はなれろッ!! まったくもうッ!!』
アカはアリに向かって一喝しましたが、アリだって生活がかかってます。
そう簡単には引きさがることはできません。
しかし、今のアカにとって目の前のアリと闘う気力はなく、
無駄な労力は使わない事にしました。
それより、早く家に入って母ちゃんの作ってくれたイワシのご飯が食べたい・・・
*****************************
『ごろにゃ~~ん』アカは目一杯可愛い声を発しましたが・・・・・ん???
何かおかしい、違う匂いがする。自分の知らない匂いがする。
家族は、アカが家の前まで帰ってきてるとは夢にも思っておりません。
家の中からは家族の楽しそうな笑い声が聞こえてきました。
そして、アカがガラス越しに見たのは小さな小さな子猫でした。
***********************
※長くなりまして申し訳ございません。
次回はいよいよ最終版としてアカと家族の根くらべになります。
実家の目の前には、国道6号線が走っています。
もし、アカが車にひかれていたのなら、近所の誰かが気付いて必ず知らせてくれたはずです。
実は、コロの前に飼っていた犬が事故に遭い悲しい思いをしたことがありました。
近所の人の知らせをうけ、父が駆け付けた時には少し息があったようですが、
父の顔を見ると安心したように小さく鳴いてそのまま息を引き取りました。
***************************
家族の話し合いの結果、これほど探しても見つからないのは、
どこか知らない土地で他の犬と喧嘩になり、致命傷を負い死んでしまったのではないかと
いう結論になりました。
(実は、近所の子猫を目にしたどんぐりが、飼いたい一心で両親を説得した結果でした)
そして、せめてもの供養にと庭のすみにアカのお墓をたてて煮干しと
水を備える事にしたのです。
煮干しは供えたそばからカラスの餌になってしまいました。
****************************
そのような事とはつゆしらず、アカは家の前まで帰ってきていました。
そして、アカの気配をいち早く感じ取ったのがコロでした。
コロは何度か、軽く吠えると鼻を鳴らしながら尾っぽを振り始めました。
(コロは、アカよりも少し年上でしたが、アカは先輩を敬う気などサラサラなく
いつも目の前を堂々と闊歩していました)
そんなアカを、懐かしむようにコロは出迎えてくれました。
*****************************
アカは、庭の隅に自分のご飯茶碗があるのに気付きました。
側には水入れと、コップには小さな花が一本さしてありました。
そして、こんもりと盛られた土の上には竹棒が一本さしてありました。
なんでこんな所においらの茶わんが有るんだ?
中を覗いたけど何も入っておらず、ちっこいアリ達が茶碗についてる
カスのようなものに群がっていました。
『コラッ!!お前らッ!!何してるんだッ!!
おいらの茶わんが汚くなるべッ!!はなれろッ!! まったくもうッ!!』
アカはアリに向かって一喝しましたが、アリだって生活がかかってます。
そう簡単には引きさがることはできません。
しかし、今のアカにとって目の前のアリと闘う気力はなく、
無駄な労力は使わない事にしました。
それより、早く家に入って母ちゃんの作ってくれたイワシのご飯が食べたい・・・
*****************************
『ごろにゃ~~ん』アカは目一杯可愛い声を発しましたが・・・・・ん???
何かおかしい、違う匂いがする。自分の知らない匂いがする。
家族は、アカが家の前まで帰ってきてるとは夢にも思っておりません。
家の中からは家族の楽しそうな笑い声が聞こえてきました。
そして、アカがガラス越しに見たのは小さな小さな子猫でした。
***********************
※長くなりまして申し訳ございません。
次回はいよいよ最終版としてアカと家族の根くらべになります。