先週の土曜日


俺とカミさんは実家に行って夕飯をご馳走になった
家までお迎えに来てくれると言うので待っていると
10歳下の弟からLINEが来て
『俺が迎えに行くことになったから』
…
珍しく実家にいたのね
聞けば嫁さんが仕事で遅く
弟は急な飲み会で出かける事になり
実家で時間を潰していたようだ
お迎えに来てくれた弟が言う
『飲み会に誘われた瞬間は「行く行く!」って返事したけど、時間が近づくと行きたくなくなる。コレってビョーキだろうか』
安心せよ弟よ
愛する弟よ
俺の弟よ
俺も全くそうだ
全く同じだ
寸分違わぬ症状だ
俺などは飲み会だけじゃ無く
お出かけやら行事の全般がそうだ
計画や約束をして盛り上がっているウチはいいのだが
その日がだんだんと近づくと
どんどんどんどんブルーになる
ブルーを通り越して群青色である
軽く緑がかっているいい色合いの群青色である
駆け出しの勇者がバブルスライムにやられた時のように
ゆっくり全身に毒が回っていきHPをどんどん失うように
ちびまる子ちゃんみたいに顔面に縦線が幾重にも走るように
死の寸前を思わせる
顔には、はっきりと死相が出るのだ
なんで軽い気持ちで『行く!』なんて言ったのだろう俺は
後悔しながら上乗せ後悔をする始末だ
なんのビョーキだろうね、弟よ(問いかけるな
なんでこんな話を書いているのかと言うと
今夜は俺、飲み会なのだ

高校時代の同級生に誘われたのだ
6時からなのだ
今、3時なのだ
行きたくない度合いをジェットコースターで言うと
1番高い所に到着する寸前あたりなのだ
ピークもピークである
しかも点検してないジェットコースターである
…
しかし俺は長年患ってきたこのビョーキで勉強した事がある
このピークの気持ちに負けてドタキャンすると
2度と誘われなくなるのだ(当たり前
俺の知らないうちにみんなでBBQやった写真を見せられて凹んだ日を覚えている
ああ、俺がいなくてもバーベするんだな
俺のいない所でこんな笑顔になるんだな
寂しそうに写真を見つめる俺を
面倒くさい顔で見ていただろうな
俺は忘れないぞ(待て待て待て
行きたくない気持ちの中に『不安』も微量ながら含まれている
飲み会のメンバーを聞いた時に
テキトーに2人の名前を出して
『とか、そんな感じ』みたいにザックリ言われた事だ
まさか俺が好きだった女の子とか来ないでしょうね
隣のA組の眉毛がもうすぐ繋がりそうだったユキちゃん来ないよね
心の中でオスカーちゃんって呼んでたあの子、まさか来ないよね

…ぇ
どんな女?
誰が来るのやら
何人規模の飲み会なのやら
何も知らないっての不安よね
…
とにかく明日も仕事なので
早目に切り上げて帰ろうと思う
オスカーちゃんが隣に座ってくれたら話は別だけど。