セグメントゲームズ

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3DS『逆転裁判5』 インプレッション

2013年07月30日 06時50分50秒 | 【旧】購入・レビュー話
ある意味、アウチ検事が一番うざったい検事に感じたのは、どうなんでしょうね?(笑)




逆転裁判5
対応ゲーム機 ―→ ニンテンドー3DS
発売日 ―→ 2013/07/25
希望小売価格 ―→ 5,990円(税込・ダウンロード版も同じ価格)
ジャンル ―→ 法廷バトル
プレイ人数 ―→ 1人
CERO ―→ C(15才以上対象)
 └→ CEROに影響した内容 ―→ 暴力




■====== 簡単なご紹介 ======■

被告人の無罪判決を獲得するため、法廷でアツいバトルを繰り広げる『逆転裁判』シリーズの最新作です。
久々のシリーズ最新作は、弁護士バッジを取り戻した成歩道 龍一(なるほどう りゅういち)。前作『4』の主人公、王泥喜 法介(おどろき ほうすけ)。心理学に精通している新人弁護士、希月 心音(きづき ここね)。この3人の弁護士を中心に、物語が展開されます。
シリーズ初の3DS向けタイトルということで、フル3Dに進化し表現力が豊かに。これまでの要素に加え、”ココロスコープ”や”カンガエルート”といった新要素も盛り込まれています。


基本的な流れは、今まで通りです。
事件現場で捜索したり関係者の話を聞いたりして情報を集める「探偵パート」と、それらの情報を持って裁判で真相を解き明かす「法廷パート」を交互に進めていくことで、事件を解決していきます。
法廷パートでは、証人の証言にたいして「ゆさぶる」でさらに情報を引き出し、証拠品とムジュンする証言があったら「つきつける」で追求します。選択肢を間違えたり「つきつける」を失敗したりすると「弁護力ゲージ」が減少。ゲージが無くなるとゲームオーバーです。
なお、いつでもセーブできるので、不安ならばセーブをこまめにしましょう。それでも不安なら、今回は最大2つまでセーブできるので、バックアップを取ってもいいかも。

さらに、特徴的な要素を紹介。

◆== ココロスコープ ==◆
心理的な理由などで不安定な証言をする証人などにたいして使用される、ココネちゃんの能力。”心のムジュン”を探るシステムです。
証言に対して「喜び」「怒り」「悲しみ」「驚き」の4つの感情が表れます。それらを確認して、証言の内容にムジュンしている感情を探します。例えば、「助けてくれて嬉しかったです」と言っているのに「悲しみ」の感情が出ているとかですね。ムジュンしている感情を「つきとめる」で追求することで、新たな情報を引き出すことができます。
なお、指摘を間違ってもペナルティはありません。

◆== カンガエルート ==◆
物語のクライマックスになると出てくるシステムです。
簡単にいうと、重要なポイントをおさらいしながら選択肢を選んでいき、そこから真実を導き出すというものです。ようは、いつもやっている選択肢の場面を、カッコよく見せるためだけのシステムです(苦笑)

◆== みぬくシステム ==◆
前作『4』より採用された、オドロキくんの能力です。主に探偵パートで使用されます。
相手が何か隠しごとをしている時に、オドロキくんの腕輪が反応。腕輪のアイコンをタッチすると、みぬく専用の画面になって相手を双眼鏡でのぞくような感じになります。相手がゆっくりと言葉を発しているので、普段とは違う動きをする部分。”クセ”を探し、見つけたら「みぬく」で追求。そこから、さらに情報を引き出していきます。

◆== サイコ・ロック ==◆
『逆転裁判2』から採用された、ナルホドくんの能力。こちらも探偵パートで使用されます。
隠しごとがあると発動するのは、みぬくシステムと同じ。こちらは、さらに会話を進めていき、その会話に対してムジュンしている証拠品をつきつけていくことで、サイコ・ロックが解除。全てのロックを解除すれば、新しい情報を聞き出せます。

◆== その他 ==◆
フル3Dになったということで、探偵パートの事件現場では、色々な方角から調べることができるようになりました。自由に視点を変えられるわけではありませんが、いくつかの決まった視点を切り替えながら、隠れた情報を探し出したりしましょう。



■====== partygameの感想 ======■

=良い  =まあまあ or ちょっと気になる  ×=悪い

◆=== 参考データ ===◆

 購入価格 ―→ 4,890円(税込・新品)
 プレイ内容 ―→ シナリオクリア(追加コンテンツは利用していません)
 シナリオクリアまでにかかったプレイ時間の目安 ―→ ●●●○○
  ●○○○○ = 10時間未満
  ●●○○○ = 10~20時間
  ●●●○○ = 20~30時間
  ●●●●○ = 30~50時間
  ●●●●● = 50時間以上
 過去のシリーズ作品 ―→ 『逆転検事』シリーズも含め、ゲーム機でのシリーズ作品は全てプレイしクリアしています。

○ ―→ ノリの良さや個性たっぷりのキャラクターたちは健在。
随所にクスリとできる会話。オーバーリアクションなキャラクターたち。やっぱり、これですよね。これ。
今回の新キャラクターで一番印象強かったのは、やっぱり”ユガミ検事”かな。いい意味で、イメージしていたのとはちょっと違うタイプでした。

○ ―→ 演出面は確実に進化しています。
フル3Dになっても、過去のシリーズっぽさはそのまま。それでいて、滑らかなアニメーションになったことで躍動感が生まれています。
一部では、立体視を活かした演出も入り、なかなか印象的でしたよ。

曲も、相変わらず良いものが色々。
特に、<ネタバレ注意!→>オドロキくんが弁護の時は、『4』のアレンジ曲<←ネタバレ注意!>が流れて、ちょっと感動。

○ ―→ 新しいボイスも違和感なし。
「特別法廷」の映像などで声優をされていた人たちが声をあてていますが、すぐに慣れました。新キャラクターのボイスも、申し分ないです。
…といっても、ここは完全に感覚の問題なので。違和感がないとしても、「ナルホドくんはあのボイスじゃないとイヤ!」ってなっている人を納得させることは、結局のところ難しいのでしょうね。ま、相手にするとキリがないですが。

○ ―→ 主要キャラクターや新キャラクターが、しっかりピックアップされています。
それこそ前作は、オドロキくんが主人公でありながら目立っていなかったことが指摘されていましたが、今回はバリバリ活躍します。新弁護士のココネちゃんも、バリバリ活躍します。その他の新キャラクターも、しっかりピックアップされていましたよ。

もちろんナルホドくんも活躍しますが、ナルホドくんはいわば「安定枠」。これまで散々ピックアップされてきたので、今さら衝撃の新事実が出てくることはさすがに無く。良くも悪くも落ち着いた様子って感じでした。いや、裁判ではバリバリ活躍しますけどね。
人によってはこれもまた「主人公なのに目立ってない」とか思うのかもしれませんが…別に、新シリーズってわけでもないので。1人くらいは安定枠があってもいいんじゃないかと思います。それこそナルホドくんはいい年齢なので、そろそろベテランとしての風格が出てきて然るべきでしょう。設定上は”久しぶり”ですけど。

△ ―→ 一方で、意外と”チョイ役”に終わる人もいますね。
特に<ネタバレ注意!→>ハルミちゃん<←ネタバレ注意!>がチョイ役なのは、一部のファンから反感を買いそうです(苦笑)

△ ―→ 「ココロスコープ」について。
いわゆる「科学的なウソ発見器」という感じなので、みぬくシステムが法廷で使用されるよりかは納得がいきます。それと、大抵の場合は「証言が不安定な場合」に限って使うという感じで、何でもかんでもココロスコープを使うわけではないので、絡ませ方は良かったと思いました。

ただ、選択をミスしても一切のペナルティが無いというのは、どうなんでしょうね?
おおかた「感情について感じ方は人それぞれなのに、間違えたらペナルティっておかしいでしょ!」と思われるのがイヤだからペナルティ無しにした、ってところでしょうか。でも個人的にはどれも、感情のムジュンとしては理解できる範囲だったと思うので、別にペナルティあっても良かった気がしました。

△ ―→ 「カンガエルート」について。
ありがちですが、クライマックス感を表現する方法としては良いんじゃないでしょうか。
ただし、こちらも選択ミスによるペナルティはありません。こっちこそ、あっても良かったと思うんですが…。

△ ―→ 「みぬくシステム」と「サイコロック」について。
「みぬくシステム」は、前作と違って主に探偵パートでの使用になったので、まだ納得がいく形にはなったかなという感じです。それこそ、根底をたどればサイコ・ロックと同じですからね。
あと、決まった一文のなかで探る形になったので、前作のような理不尽な難しさは全く感じませんでした。
しかし、使う場面はグッと減りましたね。まあ、他にも色々なシステムがあるので仕方ないのかもしれませんが。

「サイコ・ロック」も健在ですが、こちらも出番は少ないです。
しかも、以前のように「証拠品を探して後で来ないと解けない」という感じではなく、その場の証拠品でスッと解けるものばかりなので、ちょっと張り合いがないかな。

△ ―→ アニメムービーについて。
随所に、ちょっとしたショートアニメムービーが挿入されています。使いどころの良い場面もあったんですが、なんか中途半端に使われている感じがするムービーもあり。何かしら統制を取って欲しかったかな~とは思いました。例えば、物語の最初と最後とクライマックス直前だけで挿入されるとか。

△ ―→ 難易度が易しい気がします。
先ほど話した”「ココロスコープ」などでペナルティが無い”というのもそうですし、探偵パートでもイベントに沿って自動で場所移動するというのが多いですし、「つきつける」で情報を引き出さないといけない場面がかなり少なくなったりと、良くも悪くも易しくなった気がします。
遊びやすいのはいいんですが、あまり行き過ぎると今度は”やらされている感じ”になってくるので。そこが難しいところです。

また、ゲームオーバーになった場合。これまでだと、自動でセーブの忠告が出る”中間地点”的なところまで戻されましたが、今作ではわりと直前から再開されます。
ゲージが無くなってもあまり危機感がないので、なんか緊張感が無くなっちゃいましたね。そこはちょっと気になりました。いや、どうせセーブという保険があるので、多少ユルくなっても別にいいんですけど(苦笑)

△ ―→ 探偵パートの「調べる」について。
無駄なところを調べて無駄な会話を色々楽しめるのもシリーズの特徴だった気がしますが、今作では事件現場など調べる必要性のある場所しか調べられなくなりました。
随所に「あれ調べたら、面白い会話が聞けそうなのに」と思っても、調べるコマンドがない場所では調べることができません。けっこう、もどかしいですね。ここは、シリーズ経験者ほど気になることでしょう。

一方で、良い点も。
調べていないところにカーソルを合わせればあからさまに反応し、一度調べたことのあるところにカーソルを合わせるとチェックマークが付きます。調べられないところだと、何も反応しません。
こんな風に分かりやすくなっているので、ムダに同じところを調べることが無くなり、遊びやすくなりました。ありがたいです。

△ ―→ ラスボスについて。
<ネタバレ注意!→>正直言うと、これまでのシリーズのなかで一番、あっさり気味なラスボスでした。
どこかで聞いたことがあるタイプの正体ですし、もっと言うなら、素性が最後までハッキリしないんですよね。しかも、最後は何者かに狙撃されるということで、組織の一員でしかないという感じがして全然ラスボスっぽく感じなかったのです。
そのせいで、演出的には最後にカッコよくバシッと決めたように見えたのに、ラスボスの存在感のせいか、イマイチバシッと決まった感じがしませんでした。もったいないです。
<←ネタバレ注意!>




■====== 得点とまとめ ======■
●●●●●●●○○○ … 7点(10点満点)


「ドラマチックな逆転劇」という意味では確実に進化していますし、全体的に遊びやすくなりましたが、これまでとはちょっと違う趣(おもむき)になったとも感じました。
全体的にテンポ良く進めることができるようになり、以前のシリーズで感じていた探偵パートなどでの”もどかしさ”を感じなくなったのは良かったです。
しかし一方で「まとめ過ぎた」といった感じもして、何となく遊び心が少なくなったというか、自由度が必要以上に減ったというか。プレイ時間を見れば、アドベンチャーゲームとしては充分なボリュームなんですけど、悪い意味であまりそう感じない気がしたんですね。

あと、何となくですが”推理ゲーム”というよりは”ドラマチックな追体験”という印象が強かったです。
物語自体は楽しめましたし、クライマックスは気持ちが高ぶりました。演出やキャラクターのピックアップなど”魅せる部分”については間違いなく進化していると思うのですが、推理を促進するような流れだった初期のシリーズ作品と比べると、”演出重視”になっている気はするんですよね。
気がするレベルなので、気にならない人も多いでしょうけど、何といっても思い入れの強い人が多いシリーズ。どうしても比較して「やっぱり初期の頃のほうが面白かった」とか言われるんだろうな~って思っちゃいます。長く続くシリーズものの宿命に、このシリーズもぶつかっていくしか無いようですね。

しかし、個人的には及第点に達していると思いますし、いちシリーズファンとして最後まで一気に楽しめたのも事実。復活してくれて良かったと思えました。いずれ、『逆転裁判6』も発売して欲しいです。
それこそ<ネタバレ注意!→>手紙を送ってきただけでしたが、一応マヨイちゃんの名前は出た<←ネタバレ注意!>ので、『6』できっと皆、期待しちゃうんでしょうね。こういった、このシリーズならではのジレンマとも向き合いながら、これからも挑戦していって欲しいと思います。

万人向け ← ○○●○○○○○○○ → 熟練者向け
手軽に ← ○○○○●○○○○○ → じっくり
思考タイプ ← ●○○○○○○○○○ → 感覚タイプ
 爽快感重視 ← ○○○○○○○○○● → 達成感重視 


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※見えにくい文字があれば、範囲選択をしていただくと見えやすくなります。

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