チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「興福寺仏頭展と金剛」

2013年09月26日 17時05分26秒 | 歴史ーランド・邪図
昨日、フジTV「さんまのまんま秋スペシャル」で
剛力彩芽女史がさんまへのおみやげに
代官山のアルクイッポのガウンを持ってきた。
代官山というと私の世代では、渋谷発の各停
東横線の前の車両のドアが開かなかったことと
西郷山公園とヒルサイドテラスと同潤会、
というイメージである。同潤会アパートメントは現在、
代官山アドレスという、ショッピングセンター附き
高額マンションになってる。

一昨日、FOXチャンネルで放送してた
"House(邦題=ドクター・ハウス)の最終スィーズン第4話、
"Risky Business(邦題=CEOの決断)を観た。
経営難のために中国への会社移転を計画してる
CEOのバートン(Michael Nouri=マイクル・ノリ)は、
視界に映る物が小さく見える症状で
プリンストン・ブレインズバラ教育病院へ入院する。
自分の診断科再建のために資金が要るハウスは、
バートンを金ヅルにしようと診断にかかる。この中で、
国内での雇用をこそ守るべきという考えの
Odette Annable(オデット・アナブル)女史扮する
ジェスィカ・アダムズ女医は患者のバートンが
会社を中国に移転しようとするのは
亡き妻を忘れるためではないかと考えて
こう切りだした。
「1988年からCEOだったのに、会社の移転を考えるようになったのは
奥様がお亡くなりになってからのことですよね?」
バートンはこう答えた。
「妻か……私が中国移転に踏み切れんでいるのはそこなんですよ。
毎週墓に会いに行ってる(ほど妻のもとから離れるのはイヤだ)」
アダムズ医師はこう返す。
「でしたら、お嬢さんは誤解なさってたんだわ。
バートンさんが移転を考えてるのは会社の利益のためだけだったんですものね」
すると、バートンはこう喩えたのである。
"You ever hear of Kongo-Gumi?
Construction company in Japan founded in the year 578,
Family-owned and operated,
Building Buddhist temples for 50 generations,
Hm...but bankrupted five years ago.
You have any idea how that last CEO must have felt?"
(拙大意)
「先生は金剛組っていうのをご存じですか?
日本の建設会社です、西暦578年に創業された(世界最古の企業)。
金剛一族完全家族経営のね。
仏教の寺を50代にわたって建ててきたんです(実際は38代)。
それがね……(1400年以上も続いてきたものがですよ)
つい5年前(2006年)に倒産してしまったんですよ。
先生はお分かりになりますか? 会社を潰す最高責任経営者の心情が」

この回は、米国では一昨年の10月に放送されたらしい。
脚本はSeth Hoffman(セス・ハフマン)という人物のようである。
同人は「プリズン・ブレイク」の脚本も書いてる。なるほど、
「ハウス」の前話ではウェントワース・ミラーがゲスト出演してた。ともあれ、
米国のTVドラマの脚本家には、日本や日本文化のことを
多少なりとも知ってる人物が多いと感じる。また、
アソウスィエイション・プロデューサーのようなものに日系人が多い。ちなみに、
「金剛組」は大阪四天王寺を建立するために、
現在の朝鮮半島にあった百済から招かれて渡来してきた
金剛重光によって創業された宮大工業者である。
百済人というと現在のコリアンと同種だと思うむきが多いようだが、
その認識はまったくの誤りであることは、
タカラジェンヌとタカダジュンジという名称を聞き分けれない
拙脳なる私でさえもが知ってる常識である。

脚本家は、原因を解明して患者バートンを救ったハウス医師に
こう言わせる。
"Now that they're being filtered out,
the blood would be…
a little less duck sauce and a little more soy sauce."
(拙大意)
「これでもう原因となるものは取り除かれていきます。
あなたの血は、そうですね……
中華料理のとろみソースから日本料理のさらさら醤油になってくと思いますよ」
というオチをつけてるのである。これが、
中国と日本の違いを暗示してるものなのか否かは、
藤原正彦と鈴木宗男の顔を瞬時に区別できない
拙脳なる私には判らないが、
さる会報誌の10月号の表紙が
奈良・興福寺の特集だったので読んでみた。3年前が
ナント、興福寺の創建1300年にあたる年だったという。
その記念行事の一環として現在、
「国宝 興福寺仏頭展」が
上野の芸大美術館で開かれてるとのことだった。
大佛次郎と新田次郎の違いも解らない拙脳なる私にも、
元来は山田寺にあって、
1411年の落雷による東金堂火災で行方不明となってから
約500年後の昭和12年の東金堂解体修理中に
本尊台座内にあるのが発見された
ダイアモンドのごとき石頭の頭部だけの仏像が、
破損物にもかかわらず国宝とされてることには納得がいく。

長年続いたものが途絶える、といえば、
大相撲ではたった100年あまりではあるが、今年の初場所を以て、
かつて大横綱大鵬関だけでなく力道山や天龍も所属し、さらには、
「神風さんの解説で……」「向正面の玉の海さ~ん!」など、
TV中継名物解説者を輩出した二所ノ関部屋が閉鎖となった。
最後の親方は現役時代、北の湖から金星3つをあげ、
幕内優勝もしたことがある「金剛」関だった。
両国での秋場所は現在、横綱白鵬が1敗でリードしてる。
千秋楽にはどうなってるか分からないが、現在、
白鵬時代であることはまぎれもない。いっぽう、
上野でのもうひとつの白鳳時代の展示も注目に値する……
などと、私にはめずらしく真面目くさってまとめてみた。
台風20号が過ぎ去ったあとは
カラットした秋晴れになるのだろうか。
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