チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「三浦カズとラフマニノフ交響曲第2番第3楽章冒頭」

2012年10月08日 21時27分05秒 | 説くクラ音ばサラサーデまで(クラ音全般
ガキの頃、私は
両手の指を使って10までは数えることができた。が、
長崎の上野彦馬写真館で撮ったという、
台に寄りかかった坂本龍馬と
サモトラケのニケのシルエットが区別できない拙脳なる私は、
足の指を用いる器用さも知恵も持ち合わせてなかったので、
「11」というカズを数えることができなかった。
先日、
日本のサッカー発展の最大の功労者である三浦知良が
フットサルの代表に選出されたことに、一部
批判の声があがったらしい。
フットサルを真剣にやってきたものが一人はじかれることになる、
という理屈だそうである。が、
そのハジカレタ者がカワイソウというのなら、
私財をなげうって救済してあげればいい。かつて
醜い容姿の監督の私的な嫉妬心で日本代表からはずされたキング・カズが
ここに選ばれてもまたいいではないか。とはいえ、
野球好きでサッカーにほとんど興味がない私の感想にすぎない。
酸味が強いコーヒーが好きなので缶コーヒーにはほとんど関心がないが、
三浦知良が出てる「ジョージア・ヨーロピアン」のTVCMは、
そのマンドリン使いの瀟洒な趣き深いBGMに惹かれる。
瀬川英史という人物がアレンジしたものだということである。
クラシカル音楽の楽理を学んだことがなくても
音楽でメシを食ってけるとは、ムソルグスキーも顔負けの
よほどの才能の持ち主なのだろう。

原曲は、帝政ロシア崩壊で最終的に米国に帰化した
Сергрй Васильевич Рахманинов
(スィルギェーィ・ヴァスィーリイヴィチ・ラフマーニナフ、1873-1943)、いわゆる
ラフマニノフの「交響曲第2番」の緩徐楽章(第3楽章)冒頭である。
[Adagio(4分音符=50、4/4拍子、 3♯(イ長調)]
ヴィオーラの3連符のオッブリガートに乗って、
vnプリーモが主要主題への導入旋律を擦り出す。
♪●ド・<ミ<ソ│
<シ<ド・>ラー・・ー、>シ・<レ<ファ│
<ラ<シ・>ソー・・ー、>ラ・<ド<ミ│
<ソ<ラ・>ファー・・ー>ミ・>レー│
ー<ミ・>ドー・・ーー・♪
2小節乃至4小節の第1拍がみな倚音となってて、
いかにも「郷愁」にうったえる芸風のラフマニノフらしい。
缶コーヒーのCMでは、このvnプリーモをマンドリンに替えてるが、
これがまたイイ感じなのである。1976年に、
米国のポップス歌手エリック・カーメンがこの箇所をいじって
"Never Gonna Fall in Love Again
(ネヴァ・ガナ・フォール・イン・ラヴ・アゲン、邦題=恋にノータッチ)"
という歌謡曲にした。また、
1994年にはフジTVが月9の「妹よ」で
男声のスキャットに編曲したものと、
ラーザレフ指揮ボリショイ交響楽団の原曲を使ってた。
(cf;「著作権における戦時加算/100年後の不平等条約と平成の陸奥宗光待望」
http://blog.goo.ne.jp/passionbbb/e/f7400346081f2304f50047116949b8bc)
このドラマは全10話だった。最終回は
視聴率30パーセント超え、なんて時代である。といっても、
その最終回にはデボラ・カー女史もケイリー・グラントも
常盤貴子も福山雅治も出てなかった。
いずれにしても、第「11」話はなかった。

ちなみに、
日本語版wikipediaの「妹よ」には、
「挿入曲」として、
*)<セルゲイ・ラフマニノフ作曲 ピアノ協奏曲第2番第3楽章
雅史が再生するCDのほか、サウンドトラックとしても使用されている。
また上記「恋にノータッチ」も本曲をモチーフにして制作された楽曲である。>
と説明されてる(2012年10月8日現在)が、いうまでもなく
<ピアノ協奏曲第2番>ではなく、
<交響曲第2番>の誤りである。なんでも、
ドラマの影響で当時はあまり有名でなかったこの「原曲」のCDが売れすぎて、
品切れの"CDショップ"では著名な"ピアノ協奏曲第2番"を代わりに勧めたという。

私の好きなコーヒーは酸味の強いエチオピア・モカであるが、
三浦知良はブラジル・サントス、かもしれない。


*)2013年05月16日に日本語版wikipediaの「妹よ」を閲覧してみたところ、
<挿入曲 [編集]
セルゲイ・ラフマニノフ作曲 交響曲第2番第3楽章
雅史が再生するCDのほか、サウンドトラックとしても使用されている。
また上記「恋にノータッチ」も本曲をモチーフにして制作された楽曲である。>
と"訂正"されてた。執筆者はこのグログをご覧になったのかもしれない。
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