チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「チャイコフスキー『1812年』のソナタ部第2主題(その3)/ト長調から変ホ調へ」

2011年08月25日 00時17分03秒 | 戦勝&大聖堂奉献式祝いに(イワイニ)1812年

チャイコフスキー 1812年


先日、
私が小学生のときに火曜21時からTBSで放送してたTVドラマ
「木下恵介アワー」のスィリーズで栗原小巻女史とコンビのように共演してた
竹脇無我が、小脳出血で亡くなった。当時の日本人の典型的なイケメンである。
ブサイクヅラな私の、いわば憧れの顔の俳優だった。今では、
「二人の世界」と「三人家族」の内容の区別もつかないが、
あおい輝彦の主題歌だけはどっちがどっちだかはっきり判り、
ナレイターの矢島正明の声の記憶だけはある。竹脇昌作が
「臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます」
と割っては入らなかったことも確かである。ただし、
子供心にも栗原小巻女史は虫が好かなかった。私は
サユリストだのコマキストだのという連中の気が知れなかった。ともあれ、
共産党シンパの吉永女史同様に、のちに
栗原女史は共産党色が強い俳優座所属の屁理屈屋女優だとわかった。が、
栗原小巻女史とちあきなおみ女史の顔の違いが判別できなかった
拙脳なるガキの私にそんなことは判るはずもない。ともあれ、
栗原女史はロシアとの関係が深い。そして、当然に
チェーホフが"お得意"である。このように、私がガキだった頃に
ロシア(ソ連)文学・ロシア(ソ連)音楽に携わってる者は、ほとんどが
反日貶日の左翼思想・共産党シンパ・日教組・労組、読む新聞は朝日、
そして"インテリゲンチャ"を気取って趣味はクラシック音楽、
住んでるところは鎌倉・逗子・市川・杉並といった文化の香る住宅地、
態度はでかい、というように、
絵に描いたような鼻持ちならない生意気な奴らばかりだった。
これが、私がチャイコフスキー研究の道に進まなかった5番めぐらいの理由である。
私はロシアとロシア人が大嫌いながらチャイコフスキーの音楽が大好き、
という憐れで惨めな野郎なのである。

チャイコフスキーの「1812年」は、
A=ラールゴ、3/4、3♭、「ロシア正教聖歌」
B=アンダーンテ、4/4、3♭、「進軍ラッパ」
C=アッレーグロ・ジュストのソナータ、4/4、6♭
 第1主題
 推移部挿入=「ラ・マルセイエーズ」
 第2主題=破棄したオペラ「地方長官」の二重唱
 第3主題=ロシア民謡「門の前で」
A´=ラールゴ、3/4、3♭、「ロシア正教聖歌」
B´=アッレーグロ・ヴィヴァーチェ、4/4、3♭、
   「進軍ラッパ」「ロシア帝国国家」
という構成になってる。

このC部「ソナータ形式」の第2主題提示後半=
[Allegro giusto(アッレーグロ・ジュスト)、4分音符=138、4/4拍子、6♯]
(提示後半=実質ト長調)
***♪シー│
    <ドー・>シー、・・シー・>ラー、│ 
    ラー・<シー、・・シー・<ドー、│
    ドー・>ソー、・・ソー・>ファー、│
    ファ>ミ・<ラ>ソ・・>レー、<ソー│
    <ドー・>シー、・・シー・>ラー、│ 
    ラー・<シー、・・シー・<ドー
(このト長調のドを変ホ長調のミと置き換えて変ホ長調に転じる)│
    ミー・>レー・・レー・>ドー│
    ドー・<レー・・レー・<♭ミー
(ここで変ホ長調の第3音が下方変位、変ホ短調となる)│
    ♭ミー・>レー・・レー・>ドー│
    ドー・<レー・・レー・<♭ミー
(この♭ミの箇所で木管群がドを吹き、
C部「ソナータ形式」の第2主題が前半から変ホ長調で繰り返される。ドー)│
    <ソー・ー、ソ、・・ソ>ファ・>ミ>レ│
    <ソー、・ソー・・●●……♪
弦の3重オクターヴ・ユニゾンで提示された主題が、繰り返されるときには
フルート1管+オーボエ1管+クラリネット1管、そのオクターヴ下の
オーボエ1管+クラリネット1管、という組み合わせで吹かれる。が、それは、
***♪ドー│
     <ソー・ー、ソ、・・ソ>ファ・>ミ>レ│
     <ソー、・ソー・・●●・>レー│
     <ソー・ー、ソ、・・ソ>ファ・>ミ>レ│
     <ソー・ーー、・・ーー・♪
までであり、続く、
***♪>ソー│
     <ラー・<ドー、・・<レー・<ミ<ファ、│
     <ソー・ーー・・ーー、・『ソー│
     <ラー・<ドー、・・>シー・>ラ>ソ│
     <ドー・ーー・・ーー』、ソー│
     <ラー・<ドー、・・<レー・<♭ミ<ファ、│
     <ソー・ーー・・ーー、>ソー│
     <ラー・<ドー、・・<レー・<♭ミ<ファ、│
     <ソー・ーー・・ーー、♪
以降では、チャイコフスキーは組み合わせを替えてくるのである。つまり、
フルート1管+オーボエ2管、そのオクターヴ下のクラリネット2管、
という配置である。ただし、『』の中は、
フルート1管+オーボエ1管、そのオクターヴ下のオーボエ1管+クラリネット2管、
という仕様である。いっぽう、
木管群が主題の
[ドー<ソーーソソ>ファ>ミ>レ<ソーソー]の箇所を吹く間、弦は、
***♪ミー・ーー・・>レー・ーー、│>ドー>シー>ラー(3連)、・・>ソー>♯ファー>Nファー♪
というオッブリガードふうな下降旋律を擦り出し、木管群が主題の
[ソー<ラー<ドー<レー<ミ<ファソーーーーー]の箇所を吹くとき、弦は、
その節を追いかけてカノるのである。そして、
この輪唱ゼクヴェンツから、第3主題ともいえる民謡、
"У Ворот(ウ・ヴァロート=門前で)"*と繋がる。
(*у=生格支配の前置詞=「傍で」「前で」、
 ворот=ворота(ヴァロータ=門)の生格)
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