先日、
染五郎が41歳にして初めて弁慶を演じるというので
歌舞伎座に出かけてきた。
「初世松本松本白鸚三十三回忌追善」興行なので、
富樫左衛門に父幸四郎、義経に叔父吉右衛門、
太刀持に長男金太郎、という
高麗屋一家(吉右衛門は別屋号だが)で固めた、
スペシャルなものだった。
5月に海老蔵がやったばかりなので、
それと比較するのも趣があった。
(cf; http://blog.goo.ne.jp/passionbbb/e/941ffdbdc210dddc7420a0718909b189 )
富樫との丁々発止は染五郎のほうが
いい顔をしてるように思えた。が、
やはり飛六方は染五郎は品がよすぎて、
海老蔵のほうが鬼気迫るものだった。とはいえ、
幕引き後の花道での染五郎の弁慶は、意図的に
抑えた演技を心がけてるようにも思われた。
富樫への礼も神仏への礼も、
大げさを避けぐっと抑えてるのである。
もともとは富樫は騙されたという体だったものが、
武士の情と解釈が変じたものである。
本来は富樫への礼は感謝ではなく謝罪なのである。
現実の富樫左衛門(富樫泰家)は実際に頼朝の怒りをかった
その職を解かれるが、殺されはしなかった。
出家して平泉まで赴き、義経と邂逅したという。そして、
長寿を全うしたとされてる。
「勧進帳」の前後の出し物である
「鈴ヶ森」も「義経千本桜(すし屋)」も
私には退屈な演目である。が、
「鈴ヶ森」は白井権八が菊之助だった。
菊之介はこんなつまらない役をやっても
その歌舞伎役者としての才能がきらめいてしまってた。
21世紀歌舞伎界の至宝である。
菊之助、染五郎、海老蔵、勘九郎、七之助と、
これから二十年はますます歌舞伎は面白くなっていくはずである。
凛々しい子役の金太郎が美形に育つ期待もある。
染五郎が41歳にして初めて弁慶を演じるというので
歌舞伎座に出かけてきた。
「初世松本松本白鸚三十三回忌追善」興行なので、
富樫左衛門に父幸四郎、義経に叔父吉右衛門、
太刀持に長男金太郎、という
高麗屋一家(吉右衛門は別屋号だが)で固めた、
スペシャルなものだった。
5月に海老蔵がやったばかりなので、
それと比較するのも趣があった。
(cf; http://blog.goo.ne.jp/passionbbb/e/941ffdbdc210dddc7420a0718909b189 )
富樫との丁々発止は染五郎のほうが
いい顔をしてるように思えた。が、
やはり飛六方は染五郎は品がよすぎて、
海老蔵のほうが鬼気迫るものだった。とはいえ、
幕引き後の花道での染五郎の弁慶は、意図的に
抑えた演技を心がけてるようにも思われた。
富樫への礼も神仏への礼も、
大げさを避けぐっと抑えてるのである。
もともとは富樫は騙されたという体だったものが、
武士の情と解釈が変じたものである。
本来は富樫への礼は感謝ではなく謝罪なのである。
現実の富樫左衛門(富樫泰家)は実際に頼朝の怒りをかった
その職を解かれるが、殺されはしなかった。
出家して平泉まで赴き、義経と邂逅したという。そして、
長寿を全うしたとされてる。
「勧進帳」の前後の出し物である
「鈴ヶ森」も「義経千本桜(すし屋)」も
私には退屈な演目である。が、
「鈴ヶ森」は白井権八が菊之助だった。
菊之介はこんなつまらない役をやっても
その歌舞伎役者としての才能がきらめいてしまってた。
21世紀歌舞伎界の至宝である。
菊之助、染五郎、海老蔵、勘九郎、七之助と、
これから二十年はますます歌舞伎は面白くなっていくはずである。
凛々しい子役の金太郎が美形に育つ期待もある。
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