あきブラザーズと愉快な仲間たち

コロナの夏。ステイホームとテレワークをしながら
ガーデニングをしてます

ずうっとずっと、大好きだよ

2010年11月17日 22時44分33秒 | ペットその他
小学一年の長男には、毎日、国語の音読の宿題が出ます。
教科書から毎回違った話が聞けるのですが、いろいろなテーマがあってなかなかおもしろい。

今日は、わたしのお気に入りを紹介します。


 「ずうっと、ずっと、大好きだよ」

エルフのことを話します

エルフは世界で一番素晴らしい犬です

僕たちは一緒に大きくなった
でも、エルフの方がずっと早く大きくなったよ

ぼくは、エルフのあったかいおなかをいつも枕にするが好きだった
そして僕らは一緒に夢を見た

兄さんや妹もエルフのことが大好きだった
でもエルフは、ぼくの犬だったんだ

エルフとぼくは毎日一緒に遊んだ
エルフは、りすを追いかけるのが好きで、ママの花壇を掘り返すのが好きだった

時々エルフが悪さをすると、うちの家族はすごく怒った
でも、エルフを叱っていながら、みんなはエルフのこと、大好きだった

好きなら好きといってやればよかったのに、誰もいってやらなかった
いわなくってもわかると思っていたんだね

いつしか時がたっていき、僕の背がぐんぐん伸びる間に、
エルフはどんどん太っていった
エルフは年をとって、寝ていることが多くなり、散歩を嫌がるようになった

僕はとても心配した

僕たちはエルフを獣医さんに連れて行った
でも獣医さんにもできることはなにもなかった
「エルフは年をとったんだよ」
獣医さんはそういった

まもなく階段も上れなくなった
でも、エルフはぼくの部屋でねなくちゃいけないんだ

ぼくはエルフにやわらかい枕をやって、寝る前にはかならず、
「エルフ、ずうっと大好きだよ」っていってやった
エルフはきっとわかってくれたよね

ある朝、目を覚ますと
エルフが死んでいた
夜の間に死んだんだ

僕たちはエルフを庭に埋めた
みんな泣いて、肩を抱き合った

兄さんや妹もエルフが好きだった
でも、好きっていってやらなかった

僕だって悲しくてたまらなかったけど、
いくらか気持ちが楽だった
だって毎晩、エルフに

「ずっと大好きだよ」っていってやっていたからね。

隣の子が子犬をくれるといった
もらってもエルフは気にしないってわかっていたけど、ぼくはいらないっていった

かわりに僕がエルフのバスケットをあげた
僕よりその子の方が、バスケットいるもんね

いつしか僕も他の犬を飼うだろうし、子猫や金魚も飼うだろう
何を飼っても、毎晩きっといってやるんだ

「ずうっと、ずっと大好きだよ」って


        ハンス=ウィリアム作
         ひさやまたいち訳
          (光村図書より)
 
長男のたどたどしい日本語でも、聞く度に涙がにじんでしまいます。

エルフに感謝の言葉をつたえられた僕
自分にできることを精一杯した彼に後悔はない。

感謝の言葉、それは心で思っているだけじゃなくて、言葉に出さなければ伝わらない時もあるのだと教えられた気がします。

それは、友人でも夫婦でも然り・・・なのかもしれません。

このお話を、秋の初めに可愛がっていたベタを亡くした友人におくります。
2匹のベタはエルフと同じ気持ちだったと思うから・・・。







最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます (うお@携帯)
2010-11-19 00:04:24
何度も読み返し、その度に涙が込み上げてきます。
なんて美しいお話でしょうか。
飼っていたベタから学んだ大事なことが、ギュッと詰まった珠玉のメッセージだと思います。

私はこの「僕」の足元に及ばない、独りよがりな飼い主だったように思います。
今はただ、バスケットを貸した「僕」のように、ベタに教えて貰った大切なことを必要とする誰かに伝えられたらと思っています。
そしていつかまたベタを飼う時が来たら、同じように慈しみ育てたいと思います。

素晴らしいお話を聞かせて頂き、本当にありがとうございました。
心が救われた思いです。
返信する
またいつか逢える日まで (あきの母)
2010-11-20 05:26:11
うおさん

メッセージありがとうございます。
共感して頂きうれしいです。
ほんとうにいいお話ですよね・・・。

私は、うおさんちのベタと、上司のかたのところのハムスターがオーバーラップしてしまいました(涙)。


小学校の教科書、あれこれいわれますが、なかなかどうしていいものです。
忘れかけていた大切な何かを教えられているようです。

またいつか彼らと出逢えるその日がきたら、このお話を思い出してくださいね。
そして、ぜひまた彼らとのすてきな毎日を紹介してくださいますよう、お待ちしています。


返信する

コメントを投稿