こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
魚類や甲殻類(エビ・カニなど)が痛みを感じるかどうかは以前から議論されており、意見が分かれています。
日本では「活け造り」という食文化がありますが、もし魚類や甲殻類が痛みを感じているとしたなら、これほど残酷な調理法はないことになります。
魚類が痛みを感じているかは別の問題として、最近になって甲殻類の研究が進み、甲殻類は現に痛みを感じているのではないかと思われる実験結果が出ています。
これまで、甲殻類は動物のようには痛みを感じていないと認識されていたことから、生きたまま熱湯でゆでるという調理法が一般的でした。
しかし、甲殻類の痛み感覚に対する研究が進んだことにより、その認識は改めざるを得なくなったようです。
日本では、魚類や甲殻類は、動物愛護法の対象動物にも鳥獣保護法の対象動物にもなっていません。しかし、外国の例を見ると、さすがに一部の動物愛護先進国では、魚類や甲殻類も保護の対象になっています。
以下、動物愛護先進国での例を記しておきます。
ノルウェーの法律では、養殖魚を屠殺する前に気絶させることが求められています。
以前は、魚を気絶させるために二酸化炭素が使用されていましたが、窒息死は魚に苦しみを与えるとして禁止され、現在では、電気ショックまたは打撃による気絶の二つの方法が使用されています。
オーストラリアのニューサウスウェールズ州では、動物虐待防止法の対象動物に魚と甲殻類を含めています。同州では、ロブスターの下半身を生きたまま切断して調理していたレストランが、その殺し方が動物虐待に当たるとして有罪判決を受けています。
イギリスでは、過去に発表された300以上の学者の研究論文を精査した結果、ロブスターを含む一部の無脊椎動物には痛みの感覚があることを正式に認め、動物福祉法が改正されています。
なお、イギリスでは多くのメジャーなレストランで、甲殻類を調理する前に、電気ショックで気絶させる処置を施しています。
スイスでは、ロブスターがまだ生きている場合、調理のために熱湯に入れることを禁じる法律を成立させ、2017年3月から施行しています。
日本では、甲殻類等の調理法が法律で規制されてはいません。
しかし今後、魚類や甲殻類の痛覚に関する研究が進むと、日本でも魚類や甲殻類の調理法が法律で規制される可能性があります。
現状、日本では、魚や甲殻類を調理する前に電気ショック等で気絶させる配慮をしている料理店はほとんどなく、「活け造り」が食文化だという考えすらあります。
しかし、殺される生き物たちの苦しみに思いを致すなら、活け造りという食文化は改めるべきでしょう。
その是非はともかくとして、日本では商業捕鯨が数年前から再開されています。
クジラを狙う砲撃手は、クジラに苦しみを与えないよう、急所である脳や心臓を一撃で射止めることを心掛けるといいます。
シカやイノシシの猟師も同様で、シカ等を即死させる射撃の腕前があってこそ、一人前の猟師といわれています。
魚類や甲殻類はペットとしても飼われている存在です。
人間が生きるために食用にせざるを得ないとしても、苦しみを与えないようにする配慮は必須といえるでしょう。
ペットの行く末や相続の事でお悩みの方は相続相談所にご相談ください
↓ ↓ ↓ ↓ ↓