こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
前々回のブログで取り上げましたが、獣医師免許がないにもかかわらず、妊娠した5匹の犬に麻酔なしで帝王切開し、さらに、劣悪な飼育環境下で450匹以上の犬を衰弱させて虐待した極悪ブリーダーがいます。
ブリーディング施設【アニマル桃太郎】の代表者である百瀬耕二という男です。
百瀬への判決が令和6年5月10日に言い渡されましたが、裁判所が下した判決は実刑判決ではなく、執行猶予付きで懲役1年という軽い判決でした。
百瀬を刑事告発したのは、女優の杉本彩さんが理事長を務めている公益財団法人【動物環境・福祉協会Eva】でした。
アニマル桃太郎の元従業員が動物の劣悪な飼育環境に心を痛め、行政や警察に現状を相談したものの、行政も警察も動かなかったようです。
しかし、元従業員から相談を受けた獣医師がEvaに通報したことからEvaが刑事告発し、ようやく警察が動き、百瀬の刑事裁判につながったという経緯があります。
刑事告発をしたのは杉本彩さんですから、今回のあまりにも軽すぎる判決を受けて、悔しさと怒りを露わにしていました。
百瀬の極悪ぶりを考えるならば当然のことです。
5月10日の判決に関する取材を受けて、杉本さんは「子犬・子猫を展示して販売していることが諸悪の根源だと思う」と語っていますが、まさにそのとおりだと思います。
現状では、【ブリーダーによる大量生産 ➡ ペットオークションでの競り売り ➡ ペットショップでの大量生体販売】というシステムが出来上がっています。
そのシステムのもとで百瀬のような悪質ブリーダーや悪質ペットショップが巣食っているという構図があります。
ペットショップでの生体販売を法律で禁止するか、生体販売がビジネスとして採算的に成立しないようにすれば、ペットオークションがなくなるため、悪質ブリーダーや悪質ペットショップを根絶することにつながります。
ペットショップで売られている犬や猫たちの陰で、どれほど多くの犬や猫が犠牲になっているのか、まだまだ世間で周知されていないと感じます。
ペットビジネスの闇を一人ひとりが知ることにより、現状のシステムを崩壊に追いやることが可能になるはずです。