バス停におかれた、埃だらけのベンチ。
制服のスカートのプリーツが乱れないように
両手でスカートの後ろを二、三回整えてゆっくりと腰かける。
白線が三本入ったセーラー服。
その袖口から、入学祝でもらった腕時計を指先で手繰りだし
紺色の文字盤を進む銀の長針を見つめる。
バスが来るまで後2分。
バスは手前の停留所を出た頃だろう。
その前に来るかな・・。
荒い舗装の道路を何台かの車が通り過ぎる。
バスが来る方と腕時計を交互に見て、一つため息をつく。
ため息の行方を追うように、右方向に首を回す。
あ・・・・
自転車に乗った学ランの人が、目の前を通り過ぎる。
セーラー服の肩に届いた髪が、ふわりと舞い上がり
時計の秒針が一瞬止まる。
舞い上がった髪の毛が落ちるより早く、あの人は通り過ぎて行く。
その後を、いつものバスがゆっくりと追いかけてきて
チカチカとウインカーを出して停まる。
ベンチから立ち上がり、スカートをパタパタと掃ってバスに乗り込む。
左側の座席の前に立ち、吊革につかまった私は、先ほど通り過ぎた人を車窓に探す。
あの人がかきわけた風の跡を、大きなバスが消して行く。
たどり着く校舎の中ですれ違う事もなく、どこの教室にいるのかさえ知らない。
けれど、あの人がいるというだけで、灰色の校舎は特別な場所になる。
バス停のベンチに座る私の存在を知る事もなく
自転車の人は、今日も私の髪を舞い上げて通り過ぎる。
Stop the world.
しかし時計の針は無情に時を刻む。
何十年もの時を経て、名前も知らないあの人が、
あたらしい春の風の中で、美しい左の横顔を見せて通り過ぎた。
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ってか。
ちょん髷が似合いそうに美しかったあの人も、今やきっと剃らないハゲでメタボ(爆)
一級上だという事は調べがついた。一級上はかっこいい人が多かった。
今も昔もイケメン大好きむふふ。
還暦前のおばさんの書く詩じゃなかったね。ガハハ。
3分間だけ15歳に戻ったんだよ。
過去から未来には来れないんだよん。
思い出がいっぱい!ラッキー
内向的性格ばんざ~い。
いやいや、このひと月、何故かテンションが下がる事がなく
ついに頭に来たか?とも思う今日この頃。
因みに、いやな事があってもそれが滋養になっているような気がする(汗)
それでは、今日もリュックしょってスーパーのパンの特売へ駆けつけましょ。
ありがとう
つる姫