ひさしぶり、今年初めてのキネマ館です。
映画も沢山観てはいたのですが、今日はそのうちの二本。
原作は、医師でもある南杏子さん。
在宅医療や尊厳死について、深く考えさせられる映画でした。
特に、「尊厳死」については、私自身の父が、10年以上に渡って、寝たきりの不自由な最期だったこともあり、映画の中の言葉に、涙せずにはいられませんでした。
また、余命を知った人、その家族は、それをどのように受け止め、どこでどのように生き抜く、生ききるのか。
在宅医療の事、最期をどこで迎えるのか、ということ、自分と重ね合わせて考えさせられました。
そこまで、評価の高い映画ではなかったようですが、私的には星は4以上でした。
そうそう、みなみらんぼうさんが、出演されていました。
なんか見たことある、この人誰だっけ、と、思いめぐらせ、あ、小室等さん?まして、こむろけいさんでもないし。。
う~~んちがうちがう、ついにググってみたら、らんぼうさんでした。懐かしい。
怒りのアフガン、ではありませんよ。笑笑笑
いつまでもお美しい吉永小百合さんのお医者様の様子を見ていて、今最も尊敬している女医さんを彷彿としました。
もう一本は
好きな作家さんでもある、帚木蓬生さん原作の、閉鎖病棟。
精神病棟に暮らす、様々なものを抱えた人たち。
主演の、鶴瓶さんですが、難しい役どころ、とても素晴らしい演技をされていたと思いました。
精神病棟・・・私の想像とは違い、もっと違う場所があるのではないか、という人もいました。
主演の女の子も、この病院ではなく、別の場所で保護された方がいいのではないか、というような状況でした。
精神病棟、と言えば、恐ろしいような印象しかありませんが、私には、複雑な思い出もあります。
親戚のおじさんが、半ば強制的に精神病院に入れられていたのです。
詳しくは書けませんが、大人になって、いまになって、叔父さんは、被害者だったのだな、と感じます。
余談でした。
鶴瓶さんの役も、滅多にない過去、経歴の持ち主、大変重い内容の映画でした。
この二つの映画、共通して感動したのは、ラストシーン。
ラストシーンというのは、とても大切な部分なのですが、どんな素晴らしい映画でも、納得してエンドロールを見る事はあまりありません。
もちろん、エンドロールを眺めながら、自分なりの感動や感想を巡らせるのですが。
しかし、これらの映画のラストシーン、命の停車場の吉永小百合さんの表情、そして、閉鎖病棟の鶴瓶さんの・・・。
観る人に委ねるようなラストではありますが、私的には、もやもやするとか、なにそれ?というような嫌な感覚はありませんでした。
気になる方は観てください。
この後、閉鎖病棟に触発されて、もともと好きな作家さんだった帚木蓬生さんの最新作「花散る里の病棟」を読んでいます。
物は増やしたくないので、図書館で借りるので、汚れていない物を選んだら、最新作でした。笑
幾つかの短編が、時系列バラバラで成り立つものですが、最後のひとつは、新型コロナの事も書かれてあるようです。
今日その最終章を読む予定です。
町医者の初代から、戦争中の軍医だった二代目、高齢者施設を作った三代目。
軍医の章では、爆破や被弾で失われた命もあれば、伝染病や栄養失調、自死などで亡くなった命もある事を、いまさらながら思い、
戦争が終わってからも、いまだに傷や病を引きずって生きておられる方がいることにも、意識が行きました。
今起こっている戦争と重ね合わせ、胸が痛みました。
ここまで色んな作品を読んで、尊敬する帚木先生のコロナに関する考え、今日読む予定の章には、大いに期待しています。
この小説にでてくるようなお医者様は、理想ですが、なかなか。
たまたま、医療や命に深くかかわる映画や本に触れ、自分がこの年になって、生きる事、病気の事、終末のことに関して、昔とは意識が違って来たのだなあと感じます。それはまあ、当たり前と言えば当たり前なのですが。
また、医療に携わっているお医者様をはじめ、看護師、メディカルスタッフなどの皆さんも、それぞれ、自身の身体の事や家族の事など、プライベートを持ちつつ、誰かの命を救ったり、守ったりしてくださっているという事、当たり前の事ですが、感謝の気持ちを新たにしました。
コロナが始まった頃、医療関係の人たちにエールを、というのが、流行っていました。
流行るというのは、言葉は悪いですが、今、世間の皆さんのあの頃のような思いは、薄れているように思いませんか?
もちろん、私も含めて。
また、読書の楽しさを、7、8年ぶりに味わい、絵や映画と合わせて、心のひだを増やしていける気がします。
他にも素晴らしい映画を観たのですが、それは、次の機会に。
今年はまだ始まったばかりで、継続する大きなストレスもありますが、自分の気持ちがどんどん上向きになっている実感があります。
好奇心も沢山湧いてきます。
今死んだら、心残りがたくさんあります。
そういう状態こそ、私が望む日々です。
心残りのない最期を望むよりも。
8年前の今は、病室にいました。
1月19日が、8回目の手術記念日です。
色々ありましたが、このことがあってから、人生がリセットできたと考えるようにしています。
すべての人間関係を整理、断捨離するきっかけともなりました。
良くも悪くも。
最後までお読みいただきありがとうございます。
感謝をこめて
つる姫