【ロンドン/英国 15日 AFP】英フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)紙は15日、ライブドアグループの証券取引法違反罪で公判中の同社前社長、堀江貴文被告(34)とのインタビュー記事を掲載した。堀江被告はインタビューのなかで、日本は「共産主義国家だ」と述べ、自身が逮捕されたのは、嫉妬深い官僚と、メディアという名の「マインドコントローラー」の恨みを買ったためだと主張した。
2月に証券取引法違反の容疑で起訴された堀江被告は、起訴事実を否認している。今回のインタビューでは、逮捕劇は「世間の風潮のせいだ」と指摘した。
「日本は共産主義国家だ。人によっては、日本は世界で最も共産主義的な国だと言うのではないか。表面的には平等な社会が成り立っているように見えるが、実際はそうではない。日本は、共産主義国家が陥りがちな落とし穴にはまってしまったのだと思う。つまり、エリート官僚が、国民にとって正しいこと、最も重要なことを決める国になってしまった」(堀江被告)
日本の最高学府とされる東京大学を中退した堀江被告は、日本ならではの年功序列モデルに従って生きる人々から恨みを買ったことが自身の逮捕につながったと考えているようだ。また
「年功序列主義のエリート官僚や、メディアという名の“マインドコントローラー”は、私のように実力で戦おうとする人間を憎んでいるのだと思う」とも。
全盛期の堀江被告は2005年9月、当時の小泉純一郎首相の支援を受け、衆議院選挙に出馬(結果は落選)したこともある。
だが、かつてフジテレビの買収に失敗した苦い経験も持つ同被告は、日本ではテレビの影響力は首相のそれを上回る、日本社会はテレビに毒されていると嘆いた。
「私は、国民の意識をコントロールしようとするメディアや、政府よりも強大な権力を持つ官僚を敵にまわしてしまった。そのせいで、現在のような立場に追いやられたのだと思う」と語った。