1月12日(日)小林研一郎 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団
~コバケン・ワールドVol.38~
サントリーホール
【曲目】
1.J.シュトラウスⅡ/ワルツ「美しく青きドナウ」Op.314
2.メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64
【アンコール】
1.バッハ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番~第3楽章
2.プッチーニ/歌劇「ジャンニ・スキッキ」~「私のお父さん」
Vn:田野倉雅秋/Pf:小林研一郎
3.ドヴォルザーク/交響曲第9番ホ短調「新世界より」Op.95
【アンコール】
マスカーニ/カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲
2025年コンサート通いの幕開けは、昨年に続いてコバケンさんの指揮。オケは日フィル。満席のサントリーホールで開演前、コバケンさんが「美しく青きドナウ」をピアノを弾きながらミニ解説。ウインナワルツの独特な三拍子と、優美な歌と軽快なリズムがパッと入れ替わる曲の特徴を伝えてくれた。
そんな解説のエッセンスを実際に音で聴かせてくれた。ウキウキした気分が無理なく自然に伝わり、デリケートで瑞々しい響きも美しい。ウインナワルツの特徴的なリズムが軽妙なステップを踏んだ。終盤の聴き慣れた部分がカットされたヴァージョンが使用されていたが、せっかくだから通常の版で全部聴きたかった。
メンコンのソリストはコンマスの田野倉雅秋さん。田野倉さんのヴァイオリンは芯のある美しい音が朗々と鳴り、歌い、魅惑的な調べを奏でた。安定感があって頼もしく、高音の繊細な音色も絶品で、瑞々しく情緒豊かな演奏に心惹かれた。残念だったのはオケ。前奏のさざ波音型が、ソロが入った途端に消え入るように小さくなり、それからも抑揚を丁寧に付けてはいたが、総じて撫でるようなタッチの弱音に徹する演奏。コバケンさんがソロを引き立てようとしたのだろうが、これではソロとオケのバトルが聴けないし、そもそも田野倉さんのヴァイオリンは音量も豊かなのでオケがここまで抑えなくても・・・ テンポももっと速い方がメンデルスゾーンの推進力のある息吹の迸りが伝わるのではと思った。
田野倉さんは、アンコールでも素敵なヴァイオリンを聴かせてくれた。アンコール2曲目ではコバケンさんがピアノ伴奏。滑らかで美しいタッチのピアノを聴いて、昔、モーツァルトのピアノカルテットをコバケンのピアノで聴いたことを思い出した。
後半はコバケンの新年定番の「新世界」。コバケン/日フィルは全体を丁寧に仕上げて行った。ここでもコバケンは大音量で押しまくるのではなく、随所にこの曲への愛情や慈しみを込めて、詩情や郷愁をじんわりと表現していった。今まで気づかなかった内声パートの動きがクローズアップされ、新たな発見もあった。日フィルはこうしたコバケンの指揮に見事に応え、ふくよかで温かく濃密な響きで、デリケートに音を紡いで行った。ここぞという場面での内面から熱いものがこみ上げてくる演奏からは、それまでのイメージとはまた一味違う「炎のコバケン」を感じた。全体に遅めのテンポで、歌う場面ではさらにテンポを落としてじっくりと聴かせるところでもコバケンさんの熱いハートが伝わって来たが、少々まどろっこしさも感じる「新世界」だった。
(拡大可)
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そんな解説のエッセンスを実際に音で聴かせてくれた。ウキウキした気分が無理なく自然に伝わり、デリケートで瑞々しい響きも美しい。ウインナワルツの特徴的なリズムが軽妙なステップを踏んだ。終盤の聴き慣れた部分がカットされたヴァージョンが使用されていたが、せっかくだから通常の版で全部聴きたかった。
メンコンのソリストはコンマスの田野倉雅秋さん。田野倉さんのヴァイオリンは芯のある美しい音が朗々と鳴り、歌い、魅惑的な調べを奏でた。安定感があって頼もしく、高音の繊細な音色も絶品で、瑞々しく情緒豊かな演奏に心惹かれた。残念だったのはオケ。前奏のさざ波音型が、ソロが入った途端に消え入るように小さくなり、それからも抑揚を丁寧に付けてはいたが、総じて撫でるようなタッチの弱音に徹する演奏。コバケンさんがソロを引き立てようとしたのだろうが、これではソロとオケのバトルが聴けないし、そもそも田野倉さんのヴァイオリンは音量も豊かなのでオケがここまで抑えなくても・・・ テンポももっと速い方がメンデルスゾーンの推進力のある息吹の迸りが伝わるのではと思った。
田野倉さんは、アンコールでも素敵なヴァイオリンを聴かせてくれた。アンコール2曲目ではコバケンさんがピアノ伴奏。滑らかで美しいタッチのピアノを聴いて、昔、モーツァルトのピアノカルテットをコバケンのピアノで聴いたことを思い出した。
後半はコバケンの新年定番の「新世界」。コバケン/日フィルは全体を丁寧に仕上げて行った。ここでもコバケンは大音量で押しまくるのではなく、随所にこの曲への愛情や慈しみを込めて、詩情や郷愁をじんわりと表現していった。今まで気づかなかった内声パートの動きがクローズアップされ、新たな発見もあった。日フィルはこうしたコバケンの指揮に見事に応え、ふくよかで温かく濃密な響きで、デリケートに音を紡いで行った。ここぞという場面での内面から熱いものがこみ上げてくる演奏からは、それまでのイメージとはまた一味違う「炎のコバケン」を感じた。全体に遅めのテンポで、歌う場面ではさらにテンポを落としてじっくりと聴かせるところでもコバケンさんの熱いハートが伝わって来たが、少々まどろっこしさも感じる「新世界」だった。
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