雨の日の遅い夕方。
「おかあさん、これ・・・」
と、三男が広げたその手の中にずぶ濡れの小さな生き物がいました。
「きゃ~っ!」
ネズミの赤ちゃんと勘違いして逃げたPokoさん。
それが、ビーとの出会いでした。
生まれて間もないその赤ちゃん猫はビービー鳴くばかり。
お店が開いているうちに・・・と、急いで仔猫用のミルクを買いに走りました。
その日から、朝も、昼も、夜も、夜中も、2時間おきにミルクを作りました。
何しろ小さくて(最初は50gぐらいでした)、10ccのミルクが上手く飲めずこぼしてばかり。
やっと寝たと思っても30分も経てば母猫を求めて?お腹を空かせて?ビービービービー。
仕方がないので昼間はウエストポーチに入れて左手であやしながら家事をし、夜はタオルで包んで胸に乗せて寝ました。(潰したらいけないので熟睡はできません)
夜中の2時間おきのミルクタイムが大変でした。体に堪えました。
おしっこやウンチもティッシュで刺激して出さないといけません。
1ヶ月経って、ようやく自分でトイレができるようになりました。
目も見えるようになり、ひとり遊びもするようになりました。
その頃いた先住猫のチョビがよく世話をしてくれるようになってやっと楽になったのです。
.
もう、ビー爺さんの名前の由来はわかったでしょう?(笑)
何しろビービーと大きな声で鳴く猫でした。
だからこそ学校帰りの三男に気付いてもらえたのでしょう。
雨はその夜中降っていたので、保護しなかったら体温低下で命はなかったと思います。
.
.
それから約19年。
ちょっぴり頑固で、ちょぴり気が小さくて、ちょっぴり猫付き合いが苦手なビー爺さんと一緒に暮らしました。
.
クリクリの目をしていたビー爺さん。
.
でも、この頃から目はほとんど見えてなかったと思います。
.
白内障になったとき、ビー爺さんが可哀そうで可哀そうでたまりませんでした。
でも、当のビー爺さんは何の不自由もないように生活していました。
.
こんなふうに、高い冷蔵庫の上にも上ることができました。

.
虹の橋から里帰りするトムっちやタツのことは見えて(感じて)いたビー爺さん。
.
成猫のオーちゃんを受け入れ・・・

.
ちょっと苦手だったけど、やんちゃ坊主のチーも受け入れてくれました。
.
(下の3枚は昔の猫日記から抜粋しました)

.

.
ときどき、大滝秀治さんのように愚痴をこぼしたビー爺さんでした(笑)
.
そんなビー爺さんもだんだん歩けなくなってしまい、
お別れが近づいた頃は、抱っこされてのお庭タイムでした。
.
最後はオムツ姿になったけど、こどものように可愛かったビー爺さん。

.
ルピナスの花が咲き始め・・・
.
色とりどりの春の花が満開になった2年前の4月4日
ビー爺さんはPokoさんの腕の中で静かに眠るように旅立ちました。
19歳のお誕生日を迎える少し前のことでした。
.
ビー爺さん、今も若いもんにお説教していますか?
そして、虹の橋で大好きなひなたぼっこをしていますか?
ビー爺さんがいなくなってから「ああしてやればよかった…こうしてやればよかった…」と後悔ばかりしたお母さんを許してね。