#平安王朝 新着一覧
10、初午の女 ②
・といって女はあとをふり向かず、さっさと行こうとする。「ま、待ってくださいよ。これ、この通り・・・私の申したことにいつわりはありません」重方、女を引き止め、頭を下げて拝
10、初午の女 ①
・京は深草の稲荷、二月初午の日は京中の人が稲荷詣でに参りつどう。早春の風はまだ冷たいが...
9、思慮ある武者 ②
・わしはいった。「そうそう、そんなことがござったよ。いや、手前もいままで忘れておりまし...
9、思慮ある武者 ①
・時雨して、空はどんより曇ったまま夕方になった。折々、風が烈しく吹く。壷庭の桜や椋の木...
8、猿の気ばたらき ②
・私は後ろから猿に叫んだんです。「この恩知らずめ。自分が殺されそうになったときに、助け...
8、猿の気ばたらき ①
・鎮西(九州)のさる国の弓矢づくりの家で、人々が集まって美事な鷲の尾や羽を賞美していた...
7、生霊の女 ②
・「ここがそのお邸ですよ」「まあ、ありがとうございます」女はしとやかに礼をいう。「さぞ...
7、生霊の女 ①
・野分の夜である。真っ暗な京の町の虚空に風が咆哮している。邸の大屋根をゆすりたてて嵐は...
6、くぐつ目代 ②
・「よくよくめでたく舞うものは巫(こうなぎ)。 たんたん小楢葉(こならは)。たんたん車...
6、くぐつ目代 ①
・野分の前じらせであろうか、雨まじりの強い風が京の町をかすめてゆく。横ざまの雨脚が格子...
5、受領と平茸 ②
・一同は大喜びでかけはしの上に殿を据え、「さてもご無事でようございました」と喜び合った...