#平安王朝 新着一覧
20、船をかつぐ女 ②
・女は国守の脱いだ着物を取り上げて、何ごともなかったような顔で家へ帰り、きれいに洗って、「あなた、取り返してきたわ。でも、ほとぼりがさめるまでしばらく着ないほうがいいかも」
20、船をかつぐ女 ①
・夏の宵のうたた寝は心地よいもの、庭先の橘の果の香りがかすかに流れ、たそがれはじめた草...
19、ほととぎすの女 ②
・灯のもとで近く見る女はいよいよ美しく、中将は夢かと思う。しかし夢でない証拠に、深山ら...
19、ほととぎすの女 ①
・ほととぎすをもう聞いたか、いやまだだ、などという話が、初夏の京で交わされるようになっ...
18、海からの土産物 ②
・十日ばかりして帰京され、愛人のお邸へ戻られる。にこにこされつつ、「どうだった、この間...
18、海からの土産物 ①
・春の難波の海辺ほど面白いところがあろうか。海面は光りさざめき、青々とした葦原は目路の...
17、美女の引出物 ②
・その中で、夫一人老いて、皺の顔を酔い泣きにゆがめ、巾着をすぼめたような唇を酒のしずく...
17、美女の引出物 ①
・そうねえ・・・あの話はもう五、六年前のこと。ここ一、二年の新参のあなたたちは知らない...
16、猫怖じの男 ②
・「ま、お待ちなされませ。納めぬ、払わぬ、という気では決してございません。殿には決して...
16、猫怖じの男 ①
・猫好き、犬好きそれぞれ世間にはあるが、猫嫌いはともかく、猫を恐れるという人があるのを...
15、大力の女 ②
・姫君の可憐な泣き声は、気付くといつの間にか「ク、クク・・・フフフ・・・」と含み笑いに...