#平安王朝 新着一覧
15、大力の女 ①
・七月は相撲(すまい)の節のある月である。都はその噂で湧きかえっている。当麻蹴速(たいまのけはや)と野見宿禰(のみすくね)以来、相撲は人々の愛好し尊ぶ武技、宮中では天覧あっ
14、百万長者になる法 ②
・婆さんは頂きものの着物をなでさすって有頂天で喜び、石には見向きもしない。「邪魔っけな...
14、百万長者になる法 ①
・池のそばの藤の花は今が盛りで甘い匂いが流れている。空はどんよりと曇って今にも降りだし...
13、鉾の女 ②
・「おれはただ言いつけられただけで。こちらの殿が寝入ったら天井から鉾をさしおろせと。だ...
13、鉾の女 ①
・男と女とでは、どっちが性悪かって?それは女に決まっている。まあ、待ってて。こんな話が...
13、さらわれた姫君 ②
・姫君のお姿が見えぬと、お邸では大さわぎになりました。大納言どのをはじめ、一家中、下人...
13、さらわれた姫君 ①
・風が渡ると花吹雪が散る。北山のふところ深いところ、桜の老樹が一本あって、あたりの地面...
12、唐櫃の僧 ②
・「どうしたのじゃ。そなたも女房どもも、どこか、そわそわした気色?」「い、いいえ、なぜ...
12、唐櫃の僧 ①
・京の山々に霞が立ち、空の色は柔らかになる。鴨川の岸辺はひと雨ごとに緑が濃くなってゆく...
11、女とハレモノ ②
・なるほど、そんな仔細があって、医師のわしを頼って来たのか、と合点がいった。わしは自分...
11、女とハレモノ ①
・下萌えの草に、春の淡雪がつれなく降るが、積もるともなく消えてゆく早春の夜。軒の戸に絶...