#秘境小幌が舞台 新着一覧
ジャコシカ219
あやの大きく黒い瞳が、深々と呑みこむように、鉄五郎を見ていた。 二十一 出発は花の便りが函
ジャコシカ217
ひどい人だということは判ったけれど、それだけではなくて、もっと話したいと思う人になった と...
ジャコシカ211
あやと高志は待ち続けた。 高志もまた、未だ口も付けないコップをテーブルの上で両手で握ったまま、じっと中を覗きこん...
ジャコシカ194
が解け、皆の気持ちがほっと緩んだ。 「早いけれどこの間に、弁当にしませんか」 千恵が次の楽しみを見つ...
ジャコシカ193
「釣れた」 短く言って真剣な表情だ。手応は充分のようだ。水面下に魚影を見て叫ぶ。 「また...
ジャコシカ192
途中でバラしたと残念がったが、手元に来てから「何か釣れてる!」と叫んだ。 上がったのは小型のガヤだった。...
ジャコシカ191
高志は千恵と清子に手作りの糸巻仕掛けの扱いと、餌の付け方を手ほどきする。 とは言っても、二人共釣りはま...
ジャコシカ190
「違うでしょう。船頭の腕次第でしょう」 お嬢様は手強い。 鉄さんは慎重に二人を乗船させると、素早くとも綱を解いた。...
ジャコシカ189
清子がちよっと妹を睨んでから、手に下げていた風呂敷包みを差し出した。 「ジャガイモと玉葱です」...
ジャコシカ188
陽差しも薄曇りで強過ぎず、水面は山奥の湖のような静寂に包まれている。 立ち上がり迫り出す山には、幽かに霧が棚引...
ジャコシカ187
答えてからちょっと千恵を睨んで言った。 「もう賄賂に喰い付いてしまったから、断れないしょ。ただしお伴はわしではなく、高志がいい...