#評論 新着一覧
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キケロ「老年について」を読む
キケロ著 大西英夫訳 「老年について」(講談社学術文庫2019) 「無謀は華やぐ青年の特性、智謀は春秋を重ねし老人の特性」という名言で有名なキケロの著
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『くらしのアナキズム』(松村圭一著)について
この著は混迷する文明社会を考察する一助となる。一番考えされられたのは、多数決=民主主...
中野重治の神がかり その4
中野重治の神がかり その4 小林は中野と同じ年に、東京神田で生まれた。父は兵庫県出石郡に生まれ、幼くして元但馬藩家老職の小林家の養子となった人物で、小林の母...
中野重治の神がかり その3
中野重治の神がかり その3 中野にとっての転向とは、自分の属する共同体を自ら捨て去ることだ。共同体の外部に出ることなのだ。それはただ一人で別の生き物になる決...
中野重治の神がかり その2
中野重治の神がかり その2 「転向しようか。しよう‥‥?」という考えは常にあったはずだ。打ち消しても打ち消しても生じてきた。その迷いが突然消えた。消えたと...
中野重治の神がかり その1
中野重治の神がかり その1 中野重治を取り上げるにはどうしても政治的転向の問題に触れないわけにはいかないし、それが当然だとされている。だが、中野の転向を、当...
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マンガ・四コマ・『マンガ評論家くん』
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【サイト紹介】コミック評「回廊蝦蛄日和」
<回廊蝦蛄日和>http://squil2.com/相模湾の海底に生息する海底甲殻類エビシャコさんによる...
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悪口の解剖学:獅子文六 『東京の悪口』
獅子文六 『東京の悪口』新潮社 1959年 文六のふるいエッセイである。東京はすみにくい。サイレンの音がうるさい。水道の出が悪い。電圧が低い。電話が...
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悪口の解剖学: 筒井康隆老人の非美学
筒井康隆『老人の美学』新潮新書 835、2019 筒井康隆作品の本質はおおむね「人類への悪口」である。それが乾いたニヒリズムとなって、ときには...
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絶望的状況を意志の力で生きのびた人々の記録: あるイタリア人の生還
英国は第二次大戦中、チャーチル首相に率いられた民主国家で、何事もジェントルマンで合理的かつ理性的にふるまっていたかというと、決してそうでは