乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

カフカ『腹をくくること』  『カフカ小説全集4 変身』池内紀訳 白水社

2025-03-13 | フランツ・カフカ/ 安部公房

カフカ『腹をくくること』 『カフカ小説全集4 変身』池内紀訳 白水社

 

 みじめな状態から抜け出るには、原さえくくれば簡単だ。勢いよくやおら椅子から立ち上がり、机を廻り、頭と首をくねくねさせ、目を光らせ、かつは目の周りのきんにくをゆるめる。いかなる感情も抑えつけ、Aが来るとなれば熱烈に迎え、Bはやさ敷く部屋でもてなし、Cの口から洩れることは、苦悩や辛さを我慢して、ゆっくりと腹に飲み込む。

 たとへそうなるとしても、根抜かりというものがあるもので、途端に、たやすいことも、厄介なことも、すべてが滞ってしまい、自分ときたら、クルリと一回転して元どおりということになる。

 だから、すべてをそのまま受け入れるための取っておきの策がある。自分の純重な魂として振舞い、それでもふきとばされるような気がしたら、無用の足をうかつに踏み出さず、他人にけものの目でながめ、悔いたりしない。つまり人生の内の亡霊じみたものは、わが手でおさえこむこと。すなわち、最後の墓場の安らぎを後生大切にして、もうほかの者には目もくれないこと。

 このような状態につきものの動作がある、小指でそっと眉毛を撫でる。

 

   『腹をくくること』を写す

 

 

 

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腱鞘炎 2

2025-03-13 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 腱鞘炎 2

 

 整形外科に行き一週間。

 ペンを持たないせいか、多少の改善がみられるものの、親指は伸びたままで、たまたま曲げる動作が加われば、痛い。

 それでも毎日せっせと願掛けの様にロキソニン軟膏をすり込んでいるので、伊丹は御触ってはいる。

 そう、

 手術にならぬようにロキソニンに祈願しつつ、毎日何度も何度もする込んでいる。

 

 あまりにも早いヘリだとは思うが、一週間たって、薬を頂戴しに整形外科へとお参りする。

 むにゅむにゅ むにゅ

 何分、腱鞘炎が直りますように、、、

 

 整形外科大明神に、リハビリがあるかと尋ねたのだが、

 おんちょろちょろ

 リハビリ 無きに候

 

 やはり安静と軟膏頼み、神頼み、、、ということになりそうだ。

 

 京都 吉田神社

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映画『八犬伝』 山田風太郎作 2024年

2025-03-12 | 映画

 

 映画『八犬伝』 山田風太郎作 2024年

 

 

 映画『八犬伝』を見た。

 筋書きも役者も大変興味深く感じ、時間が短く感じられた。

 

 大筋の筋書きもいい。

 北斎との掛け合いは最高。

 途中の劇中劇や、芝居の感想や、鶴屋南北とのやり取りも興味深かった。

 また、最後の妻の嫉妬の「ちきしょう」という言葉が、わたしの心には刺さった。

 

 気になった細かな点が一点。

 ふせ姫の墓の上部が加工でわざわざ【里見】という名を付け加えられていた。

 やはり【里見 ふせ姫】のお墓の方が適切であったのか。

 加工があからさまで、跡が良すぎるだけに、気にかかった。

 

 話半ばになる頃には、私には役所さんは完全に滝沢馬琴に見えていた。

 

 

 映画を教えて下さいました御方に、この場を借りて御礼申し上げます。

 ありがとうございました。

 

 写真は、かわいい?モモちゃん^^

 

 今回も見たという簡単な記録のみにて失礼いたします^^

 

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カフカ『田舎医者』  『カフカ小説全集4 変身』池内紀訳 白水社

2025-03-12 | フランツ・カフカ/ 安部公房

 カフカ『田舎医者』  『カフカ小説全集4 変身』池内紀訳 白水社

 

 カフカの短編『田舎医者』を読む。

 文庫本の短編集に載っているので読んでいたはずだが、忘れていた。

 以前読んだときは、どう考えたのであろうか。

 短く簡単な分だが、難解だ。

 

 カフカが『田舎医者』をしたためたころ、カフカは結核を患っていた。

 その彼が、どういった気持ちでこの小説を書いたのか。

 おそらく一気に書き上げられたであろう『田舎医者』

 小説なのに、戯曲の香りがする。

 自分なら、此処の場面をどう演出するかと考えると、非常に愉快な小説である。

 

 医者の苦悩、非常り、身に降りかかった悪運を医者は苦笑しながらも運命と受け入れる。

 

「裸にしろ、裸にすれば治すだろう

 裸にしても治さなければ、殺してしまえ!

〝ただの医者〟、おまえは〝ただの医者〟」

、、、、、、、、、、、、、

、、、、、、、、、、、、、

「よろこべ、おまえたちは患者さん

 先生がベッドでともねしてくれた」

、、、、、、、、、、、、

 (そして家に帰ると)

 してやられた!してやられた!

 

 なんといたたまれぬ不条理さ。

 なんと哀れな田舎医者。

 

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カフカ『新しい弁護士』  『カフカ小説全集4 変身』池内紀訳 白水社

2025-03-12 | フランツ・カフカ/ 安部公房

 カフカ『新しい弁護士』  『カフカ小説全集4 変身』池内紀訳 白水社

 

『新しい弁護士』

 新しい弁護士である。名前はドクトル・ブケファロス。外見はマケドニア王アレクサンドロスの軍馬だったころの面影はほとんどない。しかし、消息通にはわかるようで、つい先立って私自身が正面の外階段で目撃したのだが、競馬好きの裁判の傭(やと)い人が、しがないなじみの客の目でもって高々と足をあげ、大理石のカツカツと音をたててのぼっていく弁護士を、じっとみつめていた。

 弁護士会はブロッケスの入会を承諾した。きちんと見通したうえで言い交したところだが、今日の社会秩序にあってブロッケスは身の置き所がなく、その世界史における意味合いからも受け入れて当然なのだ。今日この頃―――この点、なんぴとも否定しないであろう―――大王アレクサンドロスはいない。マケドニアは小さすぎるといって父君フィリッポス二世を罵っている連中も多い。しかし、誰ひとり、まったくもって誰ひとり、インドへ兵を勧めるなんてことはできないのだ。すでに大王のころにもインドの門は遠かった。しかしともかく大王の剣はインドを指差そうとはしない。剣を持っていても、ただ振り回すだけ。それを目で追って、うろたえている。

 だからブケファロスがしたように法律書に潜り込むのが最良かもしれない。乗りての足の脇腹をけられるおそれもなく、のびのびと、静かな明かりの下で、洗浄のざわめきから遠い所で、古い書物のページをくって読みふける。

 

  『新しい弁護士』を写す

 

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『別冊 太陽 319 蔦屋重三郎 時代を変えた江戸の本屋』

2025-03-11 | 読書全般(古典など以外の一般書)

『別冊 太陽 319 蔦屋重三郎 時代を変えた江戸の本屋』

『別冊 太陽 319 蔦屋重三郎 時代を変えた江戸の本屋』

株 平凡社

2024年11月

159頁

2750円+税

『別冊 太陽 319 蔦屋重三郎 時代を変えた江戸の本屋』を楽しむ。

 ドラマが始まって以来、蔦屋重三郎に関連した書物を何冊か呼んだが、『別冊 太陽 319 蔦屋重三郎 時代を変えた江戸の本屋』が一番詳しく的確で、ほしい情報が載せられていた。

 写真も美しく、説明も詳しく、最後まで楽しく読ませていただいた。

 

 江戸時代の出版物として【書物】と【草紙】の二つに分けられる。

 しかし、【浮世絵】も【草紙】に分類されることを、この本を通じて初めて知った。

 

 今回も楽しんだという簡単な記録だけで失礼いたします。

 

 

 

 

平賀源内のごひいきだったと云う、瀬川菊之丞の役者絵(浮世絵)

田沼意次について

金々先生造化夢 読了   16 金々先生造化夢 口上(十五丁裏) 山東京伝 作  北尾重政 画  寛政6年 版元 蔦屋重三郎

蔦屋 重三郎(つたや じゅうざぶろう) 1  ~吉原時代 金々先生造化夢  読了

『狂言末広栄』 読了まとめ  1~16  山東京伝作 喜多川歌麿画 蔦屋重三郎

『身体開帳略縁起』  蔦唐丸 作  北尾重政 画

     吉原                 

『別冊 太陽 319 蔦屋重三郎 時代を変えた江戸の本屋江戸時代の出版物として【書物】と【草紙】の二つに分けられる。しかし、【浮世絵】も【草紙】に分類されることを、この本を通じて初めて知った。』 

 

 

【驚動】とは  1-1

【おはぐろ どぶ】とは  1-2

『吉原細見』とは  蔦屋 重三郎  1-3

【亡八/忘八】(ぼうはち) とは?  仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の全てを失う。郭 通いをすること。 1-4、3-2

【南鐐二朱銀】(なんりょうにしゅぎん)とは  2-1

「逆手」(さかて、ぎゃくて)、江戸時代はなんと言っていたのか?  3-1 

礒田湖龍斎 (いそだ こりゅうさい) 安永6年刊行 『役者手鑑』4-1 

江戸時代の版元などについて 4-2

早引節用集(はやびきせつようしゅう)とは  早稲田大学デジタルライブラリー【早引節用集】 国会図書館デジタル公開【早引節用集】 5-1

座・株仲間・楽市楽座とは 5-2

耕書堂(こうしょどう)とは 5-3 4-3 蔦屋重三郎、平賀源内 

地元問屋と書物問屋とは 5-4

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吉原   

2025-03-11 | ことのは

 

 吉原 

 

 吉原は、隅田川の山谷堀に入り、龍泉寺村と千束村の間の方向にある日本堤に位置する。

 耕書堂は大門を入らず、向かって左。

 

 大門をくぐると仲之町から水道尻までの大通り。

 左右に多くの店が並ぶ。

 吉原は正方形に近い長方形だが、その四隅には、稲荷が祭られている。

 ドラマで有名な九郎助稲荷は大門から見て、左奥に位置する。

『蔦屋重三郎』別冊太陽 319 より

 

 

平賀源内のごひいきだったと云う、瀬川菊之丞の役者絵(浮世絵)

田沼意次について

金々先生造化夢 読了   16 金々先生造化夢 口上(十五丁裏) 山東京伝 作  北尾重政 画  寛政6年 版元 蔦屋重三郎

蔦屋 重三郎(つたや じゅうざぶろう) 1  ~吉原時代 金々先生造化夢  読了

『狂言末広栄』 読了まとめ  1~16  山東京伝作 喜多川歌麿画 蔦屋重三郎

『身体開帳略縁起』  蔦唐丸 作  北尾重政 画

     吉原               

『別冊 太陽 319 蔦屋重三郎 時代を変えた江戸の本屋江戸時代の出版物として【書物】と【草紙】の二つに分けられる。しかし、【浮世絵】も【草紙】に分類されることを、この本を通じて初めて知った。』 

  

 

【驚動】とは  1-1

【おはぐろ どぶ】とは  1-2

『吉原細見』とは  蔦屋 重三郎  1-3

【亡八/忘八】(ぼうはち) とは?  仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の全てを失う。郭 通いをすること。 1-4、3-2

【南鐐二朱銀】(なんりょうにしゅぎん)とは  2-1

「逆手」(さかて、ぎゃくて)、江戸時代はなんと言っていたのか?  3-1 

礒田湖龍斎 (いそだ こりゅうさい) 安永6年刊行 『役者手鑑』4-1 

江戸時代の版元などについて 4-2

早引節用集(はやびきせつようしゅう)とは  早稲田大学デジタルライブラリー【早引節用集】 国会図書館デジタル公開【早引節用集】 5-1

座・株仲間・楽市楽座とは 5-2

耕書堂(こうしょどう)とは 5-3 4-3 蔦屋重三郎、平賀源内 

地元問屋と書物問屋とは 5-4

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カフカ『通りの窓』  『カフカ小説全集4 変身』池内紀訳 白水社

2025-03-11 | フランツ・カフカ/ 安部公房

 カフカ『通りの窓』  『カフカ小説全集4 変身』池内紀訳 白水社

 

 通りの窓

 

 ひっそりと暮らしていて、それでも時折、何かに結びつきがほしい人、一日の時刻や、天気や、仕事の事情、そのたぐいのことが変化するのに応じて、すがりつける腕といったものがほしい人ーーーとなると、通りに面した窓無しはやってはいけない。何を求めるのでもなく、ただ疲れた人間として、まどのところにいて、目を上と下、空と人の群れに向けている。何となく少し首をうしろにそらしていると、下の馬が車と騒音もろともに巻き込んで、ついには人の営みにと引きこんでいく。

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お部屋で園芸

2025-03-10 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 

 お部屋で園芸

 

 今はマンション住まいで庭がない^^

 そのため、引っ越し前に多くの園芸用品をすべて処分してしまった。

 お部屋で野菜やハーブを植えることにした。

 

 

 ダイソー、二袋百円の種をいくつか購入

 生協で、土を購入

 

 人間とは工夫するするもので(笑 ほんとか?)水受けタッパーだの、水切りごみ袋だの、不織布だのを用意して、もがきにもがく。

 そうこうして、まいた種が、次の八つ。

 

   赤丸はつか大根

   紅白はつか大根

   三寸ニンジン

   春菊

   ベビーリーフ

   バジル

   パセリ

   しそ大葉

 

 数日前に植えた、赤丸はつか大根、紅白はつか大根、春菊、ベビーリーフの四種類は二葉や本葉が出始めている。

 さて、成長し収穫できるか否か?

 もう少し暖かくなれば、芽吹いた植物をベランダに出して楽しもう、、、

 

 

 以前の家では花を育てていた。

 青のアジサイが好きで酢などで酸性土に変え、花を青めにしていた。

 あの頃は剪定しては鉢に植えていたので、根づいた鉢植えも入れると相当数のアジサイが咲いていた。

 私はゼラニュームとホスタとギボウシも好きだった、、、、

 懐かしいなぁ、、、、、毎日花の手入れをしていたころが、、、

 

 

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『特別展 大和の美~古都を彩った絵師たちの競演 』 奈良県立美術館  

2025-03-09 | 美術・文様・展示物

 

 『特別展 大和の美~古都を彩った絵師たちの競演 』 奈良県立美術館  

 

 

令和7(2025)年1月18日(土)~3月9日(日)

 

 奈良県立美術館で今日まで開催の『特別展 大和の美~古都を彩った絵師たちの競演 』を見た。

 大和にちなんだ作品が展示されている。

 

 しゃれているのが室町時代の『東大寺縁起絵巻』

 芝琳賢作の『東大寺縁起絵巻』は以前書物で読んだことはあるが、あのずっしいとした貫禄のある文字で書き記された『東大寺縁起絵巻』は見ていてほれぼれとした。

 

 ほか、裸体などあったが一見 小出楢重作に見えたが、知らない画家の描いたものであった。

 

 最終日に駆け込みではあったが、見ることができてラッキーだった。

 

 

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