占星術への道-誕生史、星見の作法

・占星術の基礎-星見の作法とは?
・今も多くの人を魅了する占星術
・いつ、どこで、どのように生まれたのか?

<3> 1章 メソポタミア (紀元前4000年 - 1300年頃)/プロローグ

2021-03-07 21:33:14 | 占星術への道-西洋占星術の誕生史

図1.フランスのGrotte des Trois Freresの中の洞穴彫刻


 「非現生人類のホモ・サピエンスは20万年前から10万年前にかけておもにアフリカで現生人類へ進化したのち、6万年前にアフリカを離れて長い歳月を経て世界各地へ広がり、先住のネアンデルタール人やホモ・エレクトスなどの初期人類集団との交代劇を繰り広げた」とウィキペディア、ホモサピエンスの項は説明する。

 古代人は遊牧民であり、ハンターだった。生活条件は厳しく、しばしば洞窟に住んでいた。道具、彫刻、彫像、象牙の数珠玉、ペンダント、そして人間や、馬、マンモスなどの絵が後期旧石器時代(紀元前3万年から1万年)の砂岩の住居や洞穴で見つかっている。中でも、粘土や象牙や方解石でできたビーナスと呼ばれる女性像がたくさん見つかっている。洞窟芸術と石像は紀元前22,000~18、000年に顕著に見られ、また洞窟壁画は紀元前18,000~11,000年と広範囲に及んでいる。

 神話上の動物が初期の現人類(ホモサピエンス)の作品に頻繁に登場する。フランスの後期旧石器時代(紀元前3万年から1万年)の洞穴の壁面には、頭がバイソンになっている人間や、頭が豚というバイソンが描かれており、それ以外にも、雄牛、熊、鳥、鹿、魚、雌牛、馬、野生のヤギ、ライオン、マンモス、サイなどが描かれている。

 神話を「創造的で空想的な考え」と定義すると、人が最初に神話に取り組んだのは、放射性炭素年代測定法によれば、紀元前18,000年にさかのぼる。フランスのGrotte des Trois Freresの中の洞穴彫刻、「魔法使い」である。頭に枝角が生えた動物や熊の足を持った人、雄ジカの耳、馬の尻尾を持った人などが表現されている(図1)。

 この神話の動物についてはさまざまな解説がなされているが、洞窟のなかで行われていた魔術、狩、豊作に関する儀式の様子を表しているという説がある。また、シャーマン(共同体の利益のために、トランス状態で、霊界と交信する共同体の宗教リーダー)の芸術だという人もいる。脚や足は人間であるから、獲物がいる場所に忍び込むために変装したハンターであろう。

 他には、ダンスをしている人間/動物の怪物 (想像上の怪物)も見つかっている。ケンタウルス(半人半馬、射手座のサイン)もそのような創造物の一つだ。

福島憲人・有吉かおり p.3



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