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一度は断念して40年後に再浮上して難所で苦闘し青崩峠トンネル貫通

一度、断念…計画再浮上40年 難所「青崩峠トンネル」貫通。
かつて、日本の土木技術の粋を集めた工事でも、青崩峠(トンネル)を突破できなかった。
三遠南信道で最大の難所と言われていた。
2023年5月26日、飯田市側と浜松市側から掘り進めていた「青崩峠トンネル」が貫通した。
1980年代よりトンネルを通すことが計画されたものの、地形の厳しさや中央構造線の断層が通ることによる、地盤の脆弱さから断念された経緯がある。
しかし、トンネル技術の進展などから青崩峠の“正面突破”が改めて判断され、2019年にトンネル掘削がスタートし、4年を経てやっと貫通した。
飯田国道事務所は「中央構造線の影響を受けた脆弱地盤が出現することに加え、土被りが600mを超えるという厳しい条件下での施工が必要とされましたが、土木技術の工夫と安全施工によりトンネル掘削が完了しました」としています。

2144メートルの試練 「次の一手」、考え続けた4年間 青崩峠トンネル貫通
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2023071800377
苦闘、押し潰そうとする大地の圧力、吹き飛ぶ金属ボルト…、断層に挑み続けた4年間で青崩峠トンネル貫通。
「次は何が起こるのか」。
長野県飯田市と静岡県浜松市を結ぶ「三遠南信道」工事で、最難関とされた両市境の「青崩(あおくずれ)峠トンネル(仮称)」(4998メートル)の、掘削現場は常に緊張に包まれていた。
脆い地質に苦しめられ、トンネル工事の専門家が「最近の道路トンネルの中では極めて厳しいものの一つ」と指摘する難工事に。特に静岡県側(2144メートル)は苦労の連続だった。
「青崩峠」は列島を走る大断層・中央構造線の影響を受け、その名の通り崩れやすい難所。

大地の圧力で破断して吹き飛ぶ金属ボルトの戦いが始まる。
静岡県側から本坑の掘削が始まったのは2019年7月、そこから掘ること約800メートル。全体に脆い地質が続く中でも、掘削作業は比較的順調に進んでいた。
1年余が過ぎた20年9月、ここから掘削パターンがDからEへと切り替えられた。
先行して掘られた調査(先進)坑で分かっていた「F21」断層に差しかかる場面だった。
「トンネル工事の発注段階で、Eパターンが盛り込まれている事例は全国的にも非常に少ないのです」。
静岡県側の本坑工事の現場代理人・湯本健寛さん(45)=長野市出身=はこう話す。
標準的なEパターンの強度は、Dパターンに比べてロックボルトで1・6倍、H鋼は1・8倍、吹き付けコンクリートでは2倍になる。

Eパターンに替えて数十メートル進んだ時、掘削現場に緊張が走った。
「(ロックボルトを締め上げてある)金属ボルトが破断して飛んできます」。その数は約10個に上った。
トンネルを押し潰そうとする圧力がじわじわと強まっていることを物語っていた。
Eパターンについて湯本さんは当初、「『過大ではないだろうか』。そんなイメージも持っていました」。それが、あっけなく壊れる現実に直面した。
湯本さんらの青崩峠トンネルとの本当の戦いが、この時から始まる。
青崩峠トンネルの東約500メートルには国内最大級の断層「中央構造線」が南北に走る。その影響もあり、地盤全体が複雑に揉まれた状態になっている。
まさに「掘ってみなければ分からない」状態での作業が続いていく。
幅が約100メートルもある「F19」断層に差しかかっていた。

複雑な断層帯とリニアトンネル

着目したのは吹き付けコンクリート。コンクリートそのものの強度を増す方法を検討することになる。
こうして超高強度吹き付けコンクリートを完成させたのだった。
Dパターンの3倍、当初のEパターンの1・5倍の強度となった。
23年1月、最後の難関となる「F16」断層が近づいていた。
トンネルの南方約500メートルの場所にある専用のコンクリートプラントで作られた、超高強度吹き付けコンクリートが掘削面に投入された。国内で初めての使用だったという。
5月26日午前10時ごろ、本坑は貫通する。
工事を進めるために、当初の設計も変えながら対策を練りました。

つまり、技術の進歩で再挑戦し、難工事の末にこのほど長野・静岡県境の「青崩峠トンネル」が漸く貫通したと言えますが、脆弱地盤の断層帯により押し潰そうとする大地の圧力に耐えて、この儘で何時まで持ち堪えられるか予測は困難でしょう。
よって、世界でも最悪級の中央構造線と、東側にフォッサマグナのある糸魚川−静岡構造線=南アルプス破砕帯を通過するリニアトンネルが、技術の進歩で山の表面から最大で1400メートルもの深さの場所で、掘り進められるトンネルが貫通して完成・開通が可能となる日が来るかも知れません。
しかし、リニア中央新幹線が開業して営業運転を始めた後に、今後も押し潰そうとする大地の圧力に持ち堪えて、何時までも無事であり続ける保証が見当たらないでしょう。

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