まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

関西のグラフィックデザイン展

2008-11-04 00:19:03 | イベント
西宮市大谷記念美術館で、「関西のグラフィックデザイン展 1920~1940年代」を見てきた。


1920年というと大正9年、西洋から入った近代文化は完全に消化され、
近代産業が拡大し、交通機関が整備され、呉服屋から変貌した百貨店が現れる・・・
新しいライフスタイルを謳歌する華やかな時代。
そんな活気溢れる時代を牽引したデザイナーたちの作品展である。


直截的で具体的で口数が多い、力強く訴えかけるデザイン。
デザイナー同士、クライアント同士が新しい表現に果敢に挑戦し
「こんなのはどうだ!!」と腕をぶつけ合っているような、熱さがむんむん
伝わってくる。
しかも、考えに考え抜いて作る過程での消し跡が透けて見えるような、人間味がある。

多色使い、ロゴタイプを取り込んだ構成、斬新なアングル、などなど、
今でも人の目をぐいぐいと引き付ける力をもつ作品たち。
日本中がワクワクしていた時代の空気に触れたような気がした。


関西のグラフィックデザイン展は11/24まで。
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ビルマニアカフェ2008

2008-10-15 01:53:10 | イベント
日曜日は、ビルマニアカフェ2008に行ってきた。
私も大好きな戦後のカッコイイビル、そういうビルにもっと光を当てようという
イベントで、大バンメンバーを含む4人のビルマニアが主催。
せっかくなのでトークショーの時間にあわせて会場へ行くとすでに大にぎわい。
壁にはスライド映像が流れ、カフェコーナーではアルコールなどを片手に
くつろぐ人々。入場料を払うともらえる資料、ワンドリンクの引換券、
お土産にもなるコースターの3点セットの出来も完璧すぎるほど完璧。

トークショーでは、アートアンドクラフト代表の中谷ノボル氏の、「住む場所」の
固定観念を破る話や、物件探しは不動産屋まかせでなく個人自ら飛び込んで行け、
という話、grafの服部滋樹氏の、grafビルなどこの時代のビルは民芸に
つながるという話など、面白かった。
席を取り損ねて途中まで立ち見状態でつらかったが。。。

私は戦後ビルも近代建築も町家も、うひょ~!と思うのもあるし、別に・・・と
いうのもある。テイストも、クラフト感いっぱいのも近未来的で突き抜けたのも、
ま四角なのも有機的な曲面のも、洋風なのも和風なのも、それぞれ「うひょ~!」と
「別に・・・」があって、自分自身一体何が好きなのか分からなくなる時がある(笑)。
頼りは自分の感性のみ。街をうろついて心にグサッとくる建物に出会うのが楽しい。
まぁ、このブログに好きなものをどんどん記録していくことで、何らかの
共通項が見つかるかな、と思いながら日々このブログを書いているのだが。

流行に敏感そうなオシャレな人々が多数集っていたビルマニアカフェ、
その影響により戦後ビルブームが来そうな予感!?
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市民講座 「木造の魅力」 第1日目

2008-10-13 19:13:10 | イベント
土曜日、京都建築専門学校市民講座「木造の魅力」を聞きに行ってきた。
講師は大阪歴史博物館の学芸員酒井一光さんと、兵庫県教育委員会文化財室の
深井明比古さん。

酒井さんのテーマ「近代の建築にみる赤煉瓦」は、煉瓦の基礎知識に加え、
レンガ建築の保存方法や移築方法のお話。
明治建築に使われているレンガは大正・昭和期のものよりも肌理が細かく、
それは政府関連の建物が多く品質管理が厳しかったためだというお話や、
焼きすぎタイルによる意匠はピークを過ぎてからの時期に流行ったとかいうお話は、
あまり気にしたことがなかったので、なるほどと思った。
また、レンガ建築の移築方法で、昔はいったんバラして積み直したり、構造を
RC造に置き換えて表面にオリジナルのレンガを貼る方法がとられたが、
最近は建物丸ごと運んだり、壁を大きくカットして運び再構築する方法が主に
なっているというお話も興味深かった。

今回は深井さんのテーマである「タイル考古学」という言葉に非常に興味をもって参加した。
今まで何度かお見かけしたことはあったが講演などを聞いたことはなかった。
深井さんは兵庫県全域の埋蔵文化財の発掘調査・保存等を手がけておられ、
淡路島の平焼窯跡から発掘された大量のタイル資料を調査・整理したのを機に
タイルの編年に取り組まれ、「タイル考古学」を提唱されている。


タイル考古学とは、「発掘資料等を考古学的手法を用いて、成形・規格・形態・
文様表現法・文様種類・釉薬などを分類し、近代建築等に現存するタイルや
カタログなどの資料を含めて編年し、当時の社会・生活・文化などの実態や変化を
解明する」ことであるという。

私もかねがね、タイルやガラスやその他の建材を見ることで建物の年代が分かる
ような年表が作れればなぁと思っていたので(こちらは素人でレベルは全然違うが・・・)、
とても興味を惹かれるお話であった。


初期のタイルは粘土を土型に詰めて焼く湿式であり、明治末ごろから水分の
少ない土を金型にプレスして焼く乾式タイルが作られはじめる。
湿式では手書き模様や凹型の線による沈文、乾式になると凸型の線である
チューブライニングによって色分けされた模様などが施されるが、
模様は同じでも製法を変えて長期作り続けられるものもあり、表側の模様を
見るだけではあまり細かく時期を特定することができない。編年に有効なのは
裏側を見ることだという。裏側は接着しやすいように工夫されどんどん改善
されていくので、変化のペースが早いからだ。
平焼窯跡からは幸運にも大量の資料がまとまって出土したので、これにより
淡陶(現ダントー株式会社)製の近代を中心とした時代のタイルの
かなり詳しい編年作業が可能であったが、メーカー側にもなかなか古い時代の
ちゃんとした資料は残っていないものらしい。
今後国内各メーカーについても資料が発掘され(土の中からか、倉庫の奥からか?)
整理編年されていくことに期待!!
タイル一枚見るだけで建物の歴史がわかる、な~んてすごく楽しい!


忘れかけていたが、この講座は一応木造建築についてのものなので(笑)、
最後の討論(質問タイム)の時には、京都建築専門学校の先生から
町家の保存活用に際しての意見を問う質問があったが、酒井さんは、
オリジナルの完全復元もよいが、時代の要請に応じた贈改築の過程を残すのも
意味があると言われていた。同感である。
ただし安物材料を使ったちゃちい普請は引っぺがすべきだと思うが(笑)。

興味深いお話を聞けて楽しい講座だった。
もっともっとタイルの話をいろいろ聞きたいなぁ~


これは会場すぐそばの堀川商店街。
店舗付きの府営住宅が堀川通沿いに5棟くらい並んでいて壮観!


アーケード上の部分はなかなかカッコイイ!
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生活と芸術ーアーツ&クラフツ展

2008-10-08 15:14:10 | イベント
京都国立近代美術館で開催中のアーツ&クラフツ展、講演の日に合わせて見に行ってきた。

講演の整理券を求めて長蛇の列・・・かと思いきや余裕。
ひろ009さんと洋館めぐり講座のお仲間に声をかけられてびっくり!
お二人もばったり会ったらしい。皆好きなんや~
一緒にお昼を食べた後、いざ展示場へ。

ひろさんも書いておられたように、この展示のポスターが素敵!
黒文字の合間に配された壷やテキスタイルの鮮やかな色模様がステンドグラス風。
場内に置いてあったリーフレットも紙質・形・色、、、どれをとっても
思わず2~3枚取りたくなるかわいさ。さすがデザイン展だ。

さて、展示品の中でも私が一番目を引かれるのはやっぱりテキスタイルや
壁紙の類。優美な繰り返し模様にいたく惹かれる。
一方でゼツェッション展の幾何学的なデザインのポスターも素敵だ。
ロゴタイプがカッコイイ!2次元モノは分かりやすくていい(笑)。
象嵌でデザインを施された家具も素晴らしい。

アーツ&クラフツ運動は各国それぞれの状況に応じた展開を見せたが、
日本版アーツ&クラフツ運動が「民芸運動」であるらしい。
アールデコやアールヌーボーのデザインがイメージされるアーツ&クラフツと、
日本の民芸は一見全く違うように思えて最初少し戸惑うが。。。

民芸運動の提唱者、柳宗悦は日本各地の手工芸品の産地をめぐり歩いて、
これまで顧みられることのなかった、その地その地での生活に根ざした
民衆工芸の正直で純朴な美しさに感嘆し、民衆のデザイン力に敬意を表し、
数々のモノを収集してきた。
都市で製造される商業的な品物におされてこれらの手工芸品と職人の手わざが
失われていくことを危惧し、その復興を目指したのが民芸運動だと理解すれば、
欧州でのアーツ&クラフツ運動と方向性が同じであるとわかってくる。
しかし各地から収集された民芸品と、民芸運動に賛同する作家たちの作品とでは
やはり意味が異なっているように思うが、それらが混同するからややこしいの
かもしれない。

今回の講演のテーマとなった三国荘は、もともとは昭和3年に上野で開かれた
御大礼記念国産振興東京博覧会のために建てられた「民芸館」であり、
民衆工芸を展示するパビリオンであると同時に、建物自体も民芸派(?)作家に
よるインテリア作品であった。
建物は普通の民家の形であるが、内装には民衆工芸を源泉として昇華された
デザインが散りばめられている。民芸派作家の結実ともいえるこの建物は、
博覧会終了後に大阪の三国の地に移設され、美的ライフスタイルの実践の空間と
なったのである。

アーツ&クラフツや民芸運動の理念やデザイン感覚は今の時代の空気に
ぴったりはまっていると感じる。
目も頭も刺激された、充実した展示と講演だった。


※ひろ009さんのブログで詳しく書かれていますのでご参照→こちらこちら


生活と芸術ーアーツ&クラフツ展は11月9日まで。
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秋のイベント2つ

2008-09-18 01:46:02 | イベント
秋は楽しいイベントがいっぱいです。連休もいっぱいです。
病気のためにオジャンになってしまった去年の秋を取り戻すべく(苦笑)
今年はいろいろ楽しみたいと思います。

もう久しく参加していない大バンですが、メーリングリストで
メンバーが関わるイベントの案内が流れてきましたのでご紹介。

★ビルマニアカフェ2008
 日時:2008年10月11日(土) 12日(日)
 会場:西谷ビル2号館3階
http://blog.goo.ne.jp/masakichi7/e/edd7a28a6594c260540fc22019e22de9
 私も大好きな戦後のカッコイイビルたちを楽しむイベント


★『同潤会記憶アパートメント』展 Vol.6 in 大阪
 日時:2008年10月10日(金)~12日(日)
 会場:芝川ビル モダンテラス
http://shibakawa-bld.net/story/2008/09/_vol6_in_1.html
 芝川ビルによるイベントも同時開催


詳しくはそれぞれのサイトをご覧ください。
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興奮!盛り土工事映像

2008-07-08 21:34:08 | イベント
インドの布展を見た日曜日、夜は、例の盛り土工事ビデオを見に行ってきた。
港区の港近隣センターの一室にパイプ椅子を並べた会場で、見に来ていた人は数人、、、
スタッフの方が多かった(笑)。見る気満々で前列に陣取る。

映像は、1997年開催のなみはや国体のPR用に大阪市が製作した映像(の一部)、
戦後米軍が爆撃の効果を調査するために撮ったビデオを大学の先生が
解説しているドキュメンタリー映像(の一部)、八幡屋商店街のとある店の
人が道楽で撮ったホームビデオ(の一部)、の3本立て。


やはり最後のホームムービーが面白い!!そこには、昭和30年頃、
まさに盛り土工事中の港区の人々の生活の様子が生き生きと映し出されていた!
2~3mも土を盛るのだから、当然住民はいったん退けなくてはならない。
そこで家をジャッキアップし、コロに乗せて曳き家をする。線路を引いて
いるところもある。
木造の物置などは、オート三輪にかぶせるように乗せて運んでいる(爆笑)。
盛り土工事は、まず版築(木の杭と板で型枠を作った中に土を入れて突き固める)
の堤防を作り、囲われた部分にサンドポンプで泥のような浚渫土を入れていき、
水分は自然に流す。太いパイプからドバドバと土を注いでいるが、
この広大な面積、簡単には埋まらない。気が遠くなりそうだ。

100mほど移した古い家に1年弱程度住んだ後、盛り土の終わった場所に
戻って新築したそうで、新しい店を作っている人々の表情は皆嬉々としている。
港区・大正区のほぼ全域をかさ上げするなんていう驚くべき事業が実際に
行われ成功したのも、これで水害ともおさらばだ!という人々の大きな期待に
支えられてのことだろう。安心して住める環境での再スタートにあたって
人々の表情が明るく楽しげなのは当然だ。

昭和30年という時代に一般の人がよくこんな身の回りの風景を映像に記録し、
編集までしたことにも驚くし、よくぞ今まで残っていたものだ!
この映像はたまたま発掘されたそうだが、すごく貴重な映像資料だろう。
土木や建築にかかわる人はもとより、一般の人でも楽しめると思うので
機会があったらもっと多くの人に見てほしい。もったいない!!
この上映会をを企画し映像の解説もしていただいたニワさん、ありがとうございました!


インドの染織と盛り土工事、どちらも刺激的で、ワクワクした日曜日だった。
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インド・大地の布展

2008-07-07 23:53:09 | イベント
日曜の昼間に万博公園にある大阪日本民芸館へ「インド・大地の布」展を
見に行ってきた。
東京にある日本民芸館には負けるが、ここの建物も結構好きだ。
今まではいつも公園内から入っていたが、今回は東口から直接
アクセスしたので、渡り廊下の下をくぐって中庭から入った。
こっちのアプローチの方が断然いいことに今さら気がついた!


展示は、インドの染織の研究家でコレクターである岩立広子氏の
コレクションで、本でも過去の展示でも見覚えのある品々だった。
若い頃、私は世界の民族染織にとりつかれ、染織品の産地を訪ねて回り
高額な美術本や洋書を買い集めては辞書を引き引き読んだ時代があった。
熱が落ち着いて以来しばらく見ていなかったが、いいものは何度見てもいい。
私が特に好きなのは、ラハリアと呼ばれる絞りの薄い綿地のターバン。
10年余り前、インドで鉄道と船を乗り継ぎながら染織産地をめぐって
一人旅したのだが、ラハリアも探して回ったものだ。
あの時の感動や楽しかった思い出を久しぶりに思い出した・・・

展示室に2時間ほどいただろうか。
地名を聞いただけで憧れでゾクゾクしていた当時の熱い気持ちを思い出して、
ちょっと胸がキュンとした。


「特別展 インド・大地の布 岩立コレクション」は7/13(日)まで。
  大阪日本民芸館(千里・万博公園内) 06-6877-1971
  10:00~17:00(最終日は16:30まで) 水曜休館
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盛り土工事映像 上映会

2008-07-04 03:30:41 | イベント
以前、「海岸通建物物語」「海岸通建物物語2」などの記事で書いたことがあるが、
大阪の港湾部はもともと河口にできた洲から発展し、
江戸時代にせっせと新田開発されてできた場所なのであるが、
土地が低いのと大阪湾の最奥部という地形のために幾度となく
水害に苦しめられてきた。
そのたびに川の浚渫や堤防の改良といった対策がとられてきたが、
戦後になって、土地全体を2~3mもかさ上げする、という
驚くべき事業が始まったのである。

そのことについて私はかねがね興味を持っていて、先述のイベントの
時の写真展示にもそそられていたのだが、何と、その盛り土工事の
工事中の映像が残っていたということで、上映会が行われるそうだ!!

今年の春にも一度上映会が行われたようだが、そのチラシを見つけるのが遅く
機会を逃してしまっていたので、私も今回は是非見に行きたい!

サンセンツアーでご一緒したニワさんからの案内を一部転載します。


↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

7月4日から8日まで八幡屋商店街にて
「八幡屋昭和の写真展」が開催されます
お店の奥にあった写真などを引っ張り出してきての写真展です
地上げの頃の商店街の風景などのパネル展です
また、各お店にも写真を展示しています

5日土曜日には、商店街内さかい洋品店跡地にて13時から、16時からの2回
地上げ工事の模様などの映像上映会を開催します
6日日曜日は16時、19時から港近隣センターにて(商店街から徒歩3分)
上映会を開催します

また5日は随時紙芝居の上演もあります

6日に港区民センターで開催される「わがまちみなとフォーラム」にも
地上げ工事の映像は出展されます
http://www.city.osaka.jp/oshirase/minato/html/info22001108512185757.html

↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑


毎日新聞にも載ったそうです。
http://mainichi.jp/area/osaka/news/20080703ddlk27040371000c.html
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美術タイルの講演会

2008-06-15 04:18:33 | イベント
大阪歴史博物館で行われた「近代建築に用いられた美術タイルについて」という
講座を聞きにに行ってきた。講演者はもちろん、近代建築史研究者であり
大阪きってのタイルマニア・歴博学芸員の酒井一光さん。
タイトルを見て期待していたが、期待通りの、いやそれ以上の面白さであった!

というのは、ご存知の通り私もタイルフェチなのであるが、
私が特に好きなタイル(純粋にタイル本体として。モザイクの柄や
ロケーション的面白さや資料的価値は別として)は、焼き豆腐タイルと
呼んでいる布目模様やスクラッチや型押しなどの手業を施した上に
釉薬がかかって窯変した、湿式製法で作られた渋みのある種類のタイル。
一片で見ると美術品のように美しいが、一面に貼ったときの
グラデーションを含んだ全体としての均一感が好き。

美術作品でなく民芸品でもない、「工芸品」という言葉がぴったりくる。
今回の講演はまさにそういうタイルが主役だったのだ!










明治期の洋館に使われた輸入タイルとそれを模した国産美術タイル、
伝統的な陶器の技術で作られた本業瓦、などを美術タイルの第一世代とし、
表現主義や東洋風意匠を追求した建築で使われた、
和風の渋い美しさをもつタイルを、美術タイルの第二世代とした。
大量生産品でありながら雅趣・多様性など伝統的な焼き物の特徴をもつ
これらのタイルは、陶芸家や窯元により、釉薬研究の成果を反映して
作り始められ、日本の近代建築に深みをを与えることになった
・・・というお話を、使用例写真と共に語っていただいた。

今日紹介されたのは、泰山窯や泰平居、宇野焼、山茶窯、などの有名な
窯で作られた有名建築のタイルであるが、工芸品の味わいは戦後のより広く
大量に生産される時代まで確実に引き継がれていたように思う。
私としてはその辺りまで含めて「工芸タイル」というくくりにしたいが、、、

あるいは、橋本で見たようなタイルは美術タイルの第3世代と呼ぶべきか。
・・・などなどと、講座が終わった後、歴史博物館からほど近い大手湯に
ちゃぽんと浸かりながら思いをめぐらした(笑)。







※写真をクリックするとオリジナルの記事にリンクします。
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大阪・アート・カレイドスコープ2008

2008-03-16 22:48:38 | イベント
現在開催中の大阪・アート・カレイドスコープ2008
こちらも去年に続き2回目のイベント。

現代アートはよくわからない私でも、この難波宮跡史跡公園での展示は
気に入った。
八角形の藤棚から吊り下げられた細長い布。その先には小さな鈴がついていて、
風が吹くたびに布は風をはらみ、リリリリリ・・・・と鈴が鳴る。

ダイナミックにからみ合う藤のつると、風を受けてピンと張りつめた
リボンとの対照が面白い。



大阪・アート・カレイドスコープ2008
会期: 2008年3月1日(土)~20日(木・祝)
会場: 大阪府立現代美術センター及び市内各所
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まちかどの近代建築写真展 IN 大阪III

2008-03-16 01:26:13 | イベント
まちかどの近代建築写真展 IN 大阪III」設営に天満屋ビルへ行ってきました。
去年に続き今年は3回目の大阪展で、煉瓦建築ばかりを集めた企画です。
近代建築探訪メーリングリストの会員の方が全国で撮影した、大小250の
煉瓦建築の写真がずらりと並ぶ光景は圧巻!!
みなさん是非見に行ってみて下さい。


まちかどの近代建築写真展 IN 大阪III(第12回)
~現存する全国の煉瓦建築~(「海岸通建物語3」関連企画)

 会期:2008年3月15日(土)~4月19日(土)
 会場:天満屋ビル2階「お茶と雑貨のハaハaハa
 大阪市港区海岸通1-5-28 東展示室
 時間:7:30~18:00 土・祝は11:00~18:00(定休日:水曜、日曜)
  (但し、3月15日(土)は14時から、4月19日(土)は14時まで)
 主催:お茶と雑貨のハaハaハa
 企画:まちかどの近代建築写真展実行委員会
 協力:近代建築探訪メーリングリスト

設営の皆さんお疲れ様でした。

その後の西区の近代建築めぐりも楽しかったですね。
どうもありがとうございました!


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美章園温泉 最後の見学会

2008-02-19 23:52:55 | イベント
先日の美章園温泉も!?の記事に書いた、建築士の内田さんという方が
奔走され、見学会が実現することになったようです。
オーナー様、関係者様のご好意により、素晴らしい美章園温泉に
会える最後のチャンスを作って下さいました。
感謝の心をもって見せて頂きましょう!

2月24日(日)11:00~16:00

申込等はこちら↓
もりもりMorizo- 美章園温泉公開 


-----------------------------------------
見学会の申し込みは2/21に締め切られました。
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美しい展示2件

2008-01-09 22:12:09 | イベント
神戸ファッション美術館で「薄布(うすぎぬ)のドレス」展(~1/15)を見てきた。
その美術館は今までにも見たい展示があったのだが、六甲アイランドに
あるので何かのついでとか街歩きを兼ねてというわけにいかず、
純粋にそのためだけに出かけるのが億劫で今まで行ったことがなかった。
今回常設展もあわせてじっくり見てきた。


常設展はファッションを構造・素材・色・技法・デザイナーなど
いろんな角度から見た展示で、素晴らしいと思ったのは、
質の高い展示資料をガラス越しでなく直接見られること。
特に天然の繊維や染料を使った布は傷みやすいが、目を近づけて
織目や素材の質感や刺繍などの技術の素晴らしさを確認できるのは
やはりファッション美術館としての意義を強くしていると思わせる。
一部についてはレプリカに触れてその構造をみれたり、貴重な資料の
復元品は復元過程の詳細を併せて展示してあり、実際的で分かりやすい。

特別展のドレスはいずれも素敵だったが、私が好きなのはやはり
天然素材で形はシンプルで高い技術を施したもの。
ダッカの薄地木綿にチカンワークという細密な刺繍で飾ったサリーや、
フランス製のモスリンに刺繍を施したシュミーズドレス。
緻密なレース編みのブラウスなど。
ああ美しい~


さて、ドレスとは対極にあるとも言える、石ころ。
「石はきれい、石は不思議」展(~2/22)をINAXギャラリーで見てきた。

ほんとに石って、自然が作り出したものにもかかわらずなんて
バラエティーに富んでいるんだろう。
そこに展示された石は一見どこにでもありそうだけれど、
石コレクターが集めた文字通り珠玉の石ばかり。
はっとするほど鮮やかな赤や黄色の部分を内包する石。
とろけるような半透明の石。細工したようにくっきり色分けされた石・・・
千差万別で、もう「何石」なんて名前をつけていくのは不可能。
石ってほんとに不思議で美しい!


それにしても、ドレスも石もどちらも「美しい」と思えるなんて、
人間の感性も不思議~!
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銭湯ライブのご案内

2007-06-18 00:14:14 | イベント
以前、築港温泉で馬頭琴の演奏をされた品川さんより、
ライブのご案内をいただきましたので、転載します。
前回の記事を読んで、馬頭琴を聞いてみたいと思った方、
お風呂場での演奏に興味をもたれた方、行ってみては。
前回よりさらにパワーアップで楽しそうですよ~!!


以下転載

日時 6月23日(土)18時30分会場 19時開演
出演 しなこー(馬頭琴)、tAma.連(フラメンコ)、まえぴょん(カホン)、
    よっしー(三線) 他
場所 築港温泉(浴室内)大阪市港区築港1-9-23  06-6571-1540
    地下鉄中央線大阪港駅6番出口より1分
木戸銭 終演後、宜しければお気持ちを木戸銭箱へ。(投げ銭)

収容人員の都合から、電話予約も受け付けます。確実に座って頂けるのは、
先着予約30名程です。もちろん予約無しでも、ご覧頂けます。
(予約)06-6571-1540

主催 港の銭湯寄席実行委員会(問合せ)06-4395-2422
協力 築港温泉/港娯楽新聞/港浴場組合/(財)港区コミュニティー協会
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若冲展

2007-05-28 00:15:25 | イベント
京都のまちあるきは下調べ不足でいまいちだったが、目的の若沖展はとてもよかった。
相国寺に着いて長蛇の列を見たときは一瞬たじろいだが、入ってよかった!
ま、会期始まってすぐ行けばここまで混んでいなかったのだろうが。


伊藤若沖は相国寺にゆかりのある画家で、今回、明治期に皇室へ寄贈した30幅の
動植綵絵が里帰りして、元々それとセットだった釈迦三尊像(相国寺蔵)とが
約120年ぶりに一堂に並ぶという歴史的な展示。

1時間以上並んでやっと入った第1展示室は、墨絵や襖絵が中心の展示。
やはり鹿苑寺の大書院の障壁画がすごい!!説明の図によると、大書院は
「葡萄の間」「松鶴の間」「芭蕉の間」「鶏の間」と呼ばれる4部屋に
分かれており、それぞれのモチーフが襖絵に描かれているのだ。
そして襖だけでなく、床の間の壁にも描かれている!!
芭蕉の葉のダイナミックなこと!そして葡萄のつるの細やかなこと。

墨で描かれているといっても水墨画のような感じではなく、
背景の植物が筆のタッチを生かして大胆に描いていると思えば
鳥の羽や足など緻密に描きこんである。そんな線の対比が面白い。
また、葡萄のつるや梅の枝、岩の重なりなど、不自然と思えるくらい
変わった形の線があって、これは何かの隠し絵では?と疑ってしまうような
絵が多い。単なる私の思いすごしなのか、まだ解読されていない何かの
メッセージを、若冲はこれらの絵に忍ばせたのか。。。

第2展示室へ行く通路にまた20分ほど行列。
さぁこちらが例の釈迦三尊像と動植綵絵、計33幅の展示だ。
うおーーーっ、すごい!!圧巻。
まずは釈迦三尊像へ。豪華絢爛。着衣の金襴緞子の鮮やかなこと!
ありとあらゆる部分が装飾で埋まっている。ドレープの豊かなこと。
インドの細密画を思わせる、いやこっちのほうがもっと細密かもしれない。

次に30幅の動植綵絵を見ていく。構図も色遣いもそれぞれ違う。
すべての絵に共通して印象に残ったのは、翡翠色。
梅や松の枝につくコケやシノブだったり、足元に光る草だったり、
葉脈だったりと様々だが、ほとんどの絵に使われ蛍光を放っている。
その非自然的な色のハイライトにより、絵が引き立っているように思う。

私のお気に入りベスト3は。
池辺群虫図。これはベージュの上に黄緑色の瓢箪という他にない色使いが気に
入っているのと、蛙やイモリ、虫などがとてもユーモラスでかわいいのがいい。
貝甲図。これもベージュに群青色の潮だまりという色使いがきれいなのと
146種類あるという貝を波の合間に配置した面白さ!
薔薇小禽図。日本画っぽくないバラの花とそのピンク色、その意外性がいい。
花は同じ形をたくさんコピー&ペーストしたような感じなのだが、逆に
デザイン的に配置したグラフィカルな面白さがある。たまに花が裏向いて
いたりするのも「ウォーリーを探せ」みたいで楽しい。
また、絵の右上辺りに黒いものがあって(岩だそうだが)、これは
太い幹のない薔薇の絵の中に黒っぽい色の塊を入れて絵を引き締めたいと
いう理由で無理やり入れたような気がする。

いろんな想像をしながら30幅ゆっくり見て回り、美術の素養のない私でも
ずいぶん堪能した。出る時には1時間並んだことなどすっかり忘れていた。

若冲展は6/3まで。



コメント (7)
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