top-down トップダウン(上位下達) bottom-up ボトムアップ(下からくみ上げる)は、情報処理、教育、経済など あらゆる場面で使われる言葉です。
THE MOST 勉強会 で白井教授が参加者からの質問、「韓国と日本の英語教育の違い」について、
韓国はトップダウンの国、国が決めたら国民は従う、英語力によって将来が決まる可能性が高い
日本はボトムアップの国、と説明なさっていました。
詳しい説明は割愛しますが、教育においてはトップダウン、ボトムアップどちらも必要です。
日本の政治はボトムアップであって欲しいですね。特に沖縄の基地問題はそうあるべきです。
さて、1年経過した地域の基礎英会話クラス、さまざまな教材を top-down, bottom-up 両方の手法を使い大量のインプットを行ってきました。少量のアウトプットも出来つつあります。参加者は大人なのできちんとした意見を持っています。
自分の考えや意見をどのようにアウトプットさせていくかが指導者の役目のひとつ。その自分の考えを表現する方法を下記の「魔法の英語 自己表現活動アイデア」を使用し指導
10分で入試力アップ! 魔法の英語自己表現活動アイデア (授業をグーンと楽しくする英語教材シリーズ) | |
クリエーター情報なし | |
明治図書出版 |
Part1 ”持ちパターン”をつくる!pp60-61 から
自分の考えを表現しよう
I think that ~. の文
言い換えも練習しました。
「自然習得が困難な環境での言語学習に効果を発揮するのが、文法ルールを声に出して唱え、自動的に口から出てくるようにする訓練です。本書にあるような、基本的な形を何十回、何百回とパーツをかえて、声に出し、発話することこそが英語を話す力や書く力を養成するには重要でしょう」
(魔法の英語自己表現活動アイデア・安河内哲也先生のintroductionより・編集部改)
私はこの考え方に大賛成します。 By Dr. Junko Okada
この本は指導法としてボトムアップ、旬な話題を新聞などから取り上げ、読んだりするのはトップダウンと言えると思います。
一方、白井教授の講演会でのキーワードは
Older is faster, younger is better
以下、「外国語学習の科学」-第二言語習得論とは何か 白井恭弘 から引用
P32
大人と子どもはどう違うか
「子どもは語学の天才」などとよく言われます。小さい子どもを英語教室にいれると、あっと言う間にお母さんよりも発音がよくなってしまう、なんていう話はよく耳にします。
ところが、1770年代後半に研究者がそれまであった研究を詳細に検討したところ、ちょっと違った一般化が出てきました。それは、子どもと大人を比べた場合には、「大人のほうが早いが、子どものほうがすぐれている(Older is faster, younger is better)」というものです。つまり、大人のほうが、発達した認知能力を使って短期的には素早く学習することができる。ところが、何年も経ってくると、若い時に始めた人のほうが、より母語話者に近い外国語を身につけるようになる、ということです。
・・・・・・・引用ここまで
当たり前のことながら、地域の成人向け英会話クラスにおいても学習歴によって英語の四技能全てに個人差はありますが、それは当てはまります。
英語学習者として、発音や聴き取る能力に置いては子どもが勝るでしょう。
下記はDr. Yasuhiro Shirai による、参加者からの質問に対するお返事の一部です。
**やはりまず音です。あとは、小さい子供はimplicit learning すなわち暗示的学習能力が高いので、すぐには効果が出なくても、長期的には、文法を自然に使える能力に関しても、遅くから始めるより優れている可能性が高い。(十分なインプットがあればの話ですが。)Older is faster, younger is better は、Older children , younger children にも当てはまるのです。
By Yasuhiro Shirai
Professor (on sabbatical 2012-2013)
Department of Linguistics
University of Pittsburgh
URL: http://www.pitt.edu/~yshirai/
カラーの部分は岡田先生、白井教授からのメール(一部)の転載と著書からの引用です。