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『命どぅ宝』
世界平和
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那覇軍港浦添移設反対!
琉球弧の軍事基地化反対!

【転載】沖縄県立中部病院・高山義浩医師のFacebook投稿から転載させていただきます。

2020-08-06 09:40:01 | 地域情報(沖縄編)

沖縄県立中部病院・高山義浩医師のFacebook投稿(8/5)から転載させていただきます。

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昨日、東横イン旭橋駅前(284室)を宿泊療養施設として運用開始しました。すでに先週から運用しているリゾネックス那覇(60室)と合わせて、300室以上が使えるようになりました。まだ気は抜けませんが、ちょっと一息つけます。

今月3日、菅官房長官より、「政府から沖縄県に何回となく、確保すべきであると促してきた」との苦言いただきましたが、7月30日の時点で、リゾネックス那覇は運用開始していましたけど・・・。

そもそも、患者数が10人を超えて増加してきたのが7月24日でしたが、すでにGOTOで予約いっぱいだった那覇市内のホテルをこじ開け、6日後の30日には患者専用として運用開始できたのは、私からすると「奇跡」に近い県職員の調整でした。

今月2日、西村大臣より、「浦添市にあるJICA施設での患者受け入れを検討している」と提案いただきましたが、すでに現地を沖縄県職員は視察していました。そして、帰国困難となった外国人を受け入れているのを拝見し、「こうした方々を出してまで患者受け入れをお願いするわけにはいかない」とお断りしていたはずですけど・・・。

それらはさておき、沖縄の「ホテル足りない問題」が一部で過熱報道されるなか、個人的には「そこじゃない」感が大いにあります。というのも、急速に患者数が増加したのは、那覇の夜の街を中心としたアウトブレイクに、私たちが気づけてなかったことに問題があったからです。

これは、私たち沖縄県の専門家に責任があります。7月4日以降、米軍においてメガクラスター(現在までに286人)が発生したため、気を取られすぎたのです。7月12日に北谷の夜の街で臨時検査(130人)、19日に金武の夜の街で臨時検査(198人)を行いました。結果、陽性者はゼロであり、夜の街での感染拡大は起きていないと気を抜きました。

ところが、この時点で那覇の夜の街では、流行が始まっていたのです。しかし、さらに読みを外しました。7月25日、26日には、ハンセンと普天間の基地従業員(983人)に対する臨時検査を行いました。結果、陽性者は1人に過ぎませんでした。その一方で、検査機関が混雑してしまって、報告が遅延するようになってしまいました。

ようやく、那覇の夜の街にターゲットして臨時検査(2080人)を実施したのが、8月1日、2日でした。つまり、米軍にこだわりすぎて、専門家の読みが後手後手に回ってしまった感があります。いま、急速に陽性者が出ているのは、一定の流行が起きてから、検査を始めてしまったからです。次に活かすべき反省は、ここだと思っています。

これまで沖縄県では、クラスター発生を疑った場合には、その周辺に対する徹底したPCR検査を実施しています。このやり方が正しかったのかどうか、今後の分析を待ちたいと思いますが、いずれにせよ、流行に遅れて徹底して検査をすれば、急速に陽性者数が増えます。

ただ、こうした早期介入により発見される患者は、もっぱら軽症者もしくは無症候者です。病院への入院を要する患者ではないため、隔離施設としてのホテルが不足します。実際、本日時点での沖縄県における重症者は3人に過ぎません。ほとんどが軽症者なんです。重症者への治療が滞ったような、ニューヨークや北イタリアの医療崩壊とは、まったく別の問題です。

予告しますが、これから数日、さらに沖縄県の新規陽性者数は増加します。なぜなら、私たちは徹底したクラスター対策を続けているからです。100人を超えるでしょう。それぐらい大きな流行が起きています。ですから、ある1日の陽性者数の増減に一喜一憂したり、最高記録を更新3日目みたいなことには、ほとんど意味がありません。

若者の多くが軽症のまま軽快します。そして、ホテルにいようが、自宅にいようが、周囲との接触を断つ心がけをしていれば、感染を広げることはありません。もちろん例外はあります。ただ、診断されていない(または偽陰性の)軽症者や無症候者が、感染を広げるリスクの方がよほど大きいです。そして、実のところ、診断されていない感染者の方が多いはずです。

まあ、個人的には、クラスターが明らかになった集団に対して、必ずしも検査をやり続けることはないと思っています。高齢者や基礎疾患を有する方にのみ検査を実施して、それ以外の方には、「みなさん感染者とみなします。14日間じっとしていてください」として外出自粛を求める方が効率的かつ確実です。なぜかというと、受診してこない(または偽陰性の)人たちも含めて封じ込められるからですね。

重症化リスクの高い集団(主として高齢者)に注目して、確実に医療へつなぐ施策をとっていくことが必要なんです。沖縄県では、50人、60人と全体の陽性者数ばかりが報道されていますが、その陰で高齢者の感染事例がジワリジワリと増えてることに気づいていますか?

というわけで、沖縄県の皆さん、高齢者や基礎疾患を有する方への面会をできるだけ控えてください。また、流行している都市部から地方への不要不急の移動も控えてください。

症状がある方は、外出を控えてください。学校や仕事は休みましょう。高齢者や基礎疾患を有する方、ケアに関わる方は放置することなく、かかりつけ医に相談して受診方法の指導を受けてください。かかりつけ医のいない方は、コールセンターに電話をかけて相談してください。

療養のためのホテル室数は飛躍的に増えました。さいわい、GOTOの過熱も遠のいたので、確保しやすくなっています。しかし、そんなことより、県民の皆さんに知っていただきたいのは、高齢者への感染拡大を防ぐことです。いま、その瀬戸際にあると感じています。

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