2023年の直木賞&山本周五郎賞を受賞した作品です。

睦月晦日の戌の刻。辺りが暗くなった頃、木挽町芝居小屋の裏手にて一件の仇討あり。
雪の降る中、赤い振袖を被き、傘を差した一人の若衆。そこに大柄な博徒が歩み寄り、
女と見違え声を掛けた。すると若衆、被いた振袖を投げつけて白装束となる。
「我こそは伊納清左衛門が一子、菊之助。その方、作兵衛こそ我が父の仇。いざ尋常に勝負」
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この一件、巷間にて「木挽町の仇討」と呼ばれる。
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二年の後、菊之助の縁者だという一人の侍が、仇討の顛末を知りたいと、
芝居小屋を訪れるが・・・
人情が心に染み入る良い作品でした。