先日、英国のノーベル賞作家・カズオ・イシグロの本を読んだ事を載せました。
元々は日本人だというだけで、英国人が日本人の立場から小説を書いているのを読みながら
非常に違和感を感じて、時に投げ出したりしながらやっと二冊を読み終えたのですが、、、
もう一冊借りていたのを、読もうか読まずに返そうかと迷っていました。
ちょうど読む本がなかったので、貸し出し期間を延長して読むことにしたのです。
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これは英国貴族邸に仕える老執事が語り手の話です。
「偉大な執事とは何か」と執拗なまでに品格を追求する執事は、
執事の鑑だった亡き父親のこと、
邸内で催された重要な外交会議のことなど、
過ぎ去った輝かしい思い出に浸り続けます。
グレートブリテンと呼ばれるイギリスの美しさについて書かれている部分では、
昔読んだ「嵐が丘」や「ジェーン・エア」等、古き良き英国の雰囲気を懐かしく思い出しました。
この作品については、老執事の懐古主義的な姿にうんざりしながらも、
少なくとも投げ出したりせず読むことができ、
私の鈍重なおつむと貧相な感受性でもノーベル賞作品を読めたと
ホッとしている所です。