「花散る里の病棟」

2025年03月03日 | 本・よもやま話
寒いけれど、3月になりました。

TVや新聞で『節分草』が話題になっています。
1日に見に行こうと出掛けましたが、
霧雨が降ってきたので、県北は☔と判断して引き返しました。

後で行かれた方のブログを読むと、
日当たりのいい所は咲いているけど全体的にはもう少し先とのことでした。

家で大人しく読書📖👓️に励みましょう。


現役医師、帚木蓬生さんの作品です。

『大正から令和まで、医家4代、100年にわたる開業医の戦いと誇りを
抒情豊かに描く大河小説の傑作』と紹介文にありました。



初代は明治時代の終わりに医師になり、
町医者として寄生虫退治で評判を取りました。
人一人に寄生している回虫は何百匹!
昔は農作物の肥料に、下肥と言って人の糞尿を使用しており、
私が子供の時にも、畑の隅に肥溜めがあったのを思い出しました。

二代目は、軍医としてフィリピン戦線を彷徨います。
悲惨な現実を目の当たりにした様子や、戦後の引き揚げの混乱など、
苦悩に満ちた当時の証言に心が揺さぶられます。

やはり町医者として患者に寄り添う三代目。
医院併設の高齢者施設で、高齢者の尊厳、家族との軋轢など、
問題を抱えながらも温かい交流を続けます。

四代目は留学を経験し、高度な技術を取得しながらも、
コロナ禍に巻き込まれていきます。
医療従事者の苦しみ、アベノマスクやワクチンなど、
政治の無策や混乱などを痛烈に批判しているのが小気味よいところです。

九州で四代続く医師の家の情景を現役の医師が綴っていて、
迫力のある感動作になっています。

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