アルゼンチンから砂漠の国へ

2005年~2009年のオリジナル記事に、シンガポール時代の記事と、2009年以降のアメブロの旅行記を転記しました。

一時帰国

2005年11月04日 | 雑感
11月2日(水)

現在、成田空港のANAラウンジ。就労VISAを申請するための一時帰国もあっという間に終わった。愛媛工場、幕張、横浜と駆け回り、自宅7泊、東京のホテル7泊のあわただしい日々だった。アルゼンチンのVISAは一週間、サウジのマルチビザは二日で入手できた。

今回の出国は世界一周旅行、帰国は一年後の予定。ANAとスターアライアンスの航空便を利用して、欧米3箇所、各24時間以上滞在が条件の割安チケット。ビジネスクラスでも空港税込みで約65万円。前回、前前回の往復便と比べて、1/3の料金となっている。通常、遠距離の海外旅行はJALを使うが、久しぶりの全日空(ANA)なので、どんなサービスか楽しみだ。

ところが早速、手荷物で持ち込もうとしたバッグは10kgをオーバーしているからと持込を拒否された。中に予備コンピュータが入っているが、衣類のクッションに期待しよう。ラウンジも狭い。ANAのサービスはあまり期待できないか。

ブエノスアイレスに滞在して、2ヶ月半後の一時帰国なので、少し日本と比較をしてみよう。

(車)
日本の車はきれいだ。どこを向いてもピカピカの車ばかりが走っている。ブエノスアイレスでは、きれいな車のほうが少ない。車は走ればいいといった感じ。たぶん、車検制度がないんだろう。両方のヘッドライトが割れた車が平気で街を走っている。同じ事務所のJorge(ホルヘ)の車に同情すると、左右のサイドミラーは割れているし、バックミラーも割れている。ボディーには大きな塗装がはげているところがあるし、それでも街を走っていて不自然さがない。タクシーはカローラクラスの小型車ばかりで、運転手は思いっきり椅子を引いて、窮屈そうに運転している。

(道路)
久しぶりに日本で車を運転すると、日本人のマナーのよさに感心する。速度は制限速度を少しオーバーする程度で、車線を守り、横断歩道があれば歩行者を優先する。これに対し、ブエノスアイレスでは、免許があっても怖くて運転なんてできない。道路の車線は何のためにあるのだろう。単なる目安か。平気で車線をまたいで運転するし、車線を守って運転している2台の車の間に割り込んで先に行こうとする。車間距離を空けようものなら、後ろから早く行けとクラクションを鳴らされる。タクシーの女性ドライバーが、街の中を90kmのスピードで飛ばし、横に乗っていて、思わずシートベルトを探してしまう。

(ここいち)
東京で、久しぶりにココイチのカレーを食べた。ブエノスアイレスの街角でこんなに気楽に食事が出来るような場所は、マクドナルドくらいだろう。あとはしゃれたレストランが多く、軽食を食べる場所が少ない。(まだ探索不足のせいもあるが。)

(女性)
ブエノスアイレスには美人が多い。美人の尺度なんて、きわめて個人的な主観によるが、たとえば、日本人なら、周りをながめて美人だなと思う女性が2割程度だとしたら、ブエノスアイレスには6割くらいはいるように思う。ロンドンの隣町レディングでは、ほとんどゼロに近い。ラテン系の女性は彫りが深くて、小顔で、アングロサクソンとは明らかに違う。ただ、何度か出張したイタリアでは、彫りの深さが顔立ちのきつさを強調するばかりで、美人と思える人が少なかったが、アルゼンチンの美人の多さは、イタリアとスペインの混血のなせるわざだろうか。
そうは言いながら、東京の街を歩いていると、日本女性の顔立ちのやさしさ、おだやかさは、心を和ませるものがある。ラテンの美人より、やさしい顔の日本女性に軍配。

(買い物)
日本には物があふれている。コンビニにいけば、必要なものは手に入るし、100円ショップに行けば、こんなに安くていいのと思うアイデア商品が見つかる。
ブエノスアイレスには、百貨店も、大型スーパーマーケットもある。しかし、ほしい小物がなかなか見つからない。今回の帰国で、洗濯バサミを100円ショップで仕入れてきた。

(地下鉄)
ブエノスアイレスには5本の地下鉄がある。しかし、街の中心街から4本放射状にあり、それらを横に結ぶラインが一本あるだけで、市民の足としては、いささか心もとない。むしろ、コレクティーボというバスが市民の足になっている。我々よそ者にとっては、タクシーが十分安くて便利だ。初乗り約60円は、日本の1/10くらいだろう。
東京に戻り、名前の一新した東京メトロに乗ると、都内の必要なところはほぼカバーしている。駅の案内板は、初めての人でも行きたいところに案内してくれるし、電車に乗れば、降りる駅の案内から、ドアの開閉位置まで、これでもかと言うくらいに表示されている。アナウンスは、時にはうるさいくらいに降車駅を説明するし、極限のサービスを追及しているように思える。
ブエノスアイレスだけでなく、ミラノでも、パリでも、自分の降りたい駅で降りるためには緊張を強いられる。第一、降車駅のアナウンスなんてない。彼らには、公共機関のサービスという概念がないのだろうか。
ブエノスアイレスの地下鉄は、A~Eまで古い順番に路線があるが、A線は木造の電車が走っているし、B線は東京の丸の内線の中古の赤い電車がそのまま走っている。

(夜の町)
ブエノスアイレスで2ヶ月あまり暮らして、ストレスが解消できないひとつの原因は、カラオケバーがないことだろう。正確に言うと、日本式のカラオケバーは2~3あるらしい。日本食レストランでの情報によると、日本人の溜まり場で、古い演歌ばかり置いてあるらしい。残念ながら、そんな店は興味が無い。職場でそんな話をしていると、同僚のイギリス人がカラオケバーを探してきてくれた。人気店で予約が必要とのこと。いちど、日曜日に店の前まで行ってみたが、ここは若者の溜まり場になっていた。これもちょっと入りにくい。結局、シンガポールで入り浸りになっていたようなカラオケスナックは無いようだ。単身の身にはストレス解消の手段がない。

(テレビ)
我が家にはテレビが無い。正確には、テレビはあるが、アンテナ線がない。大家が、入居者をつのるために、見せかけ上、テレビだけは置いていたようだ。アンテナの無いテレビはただの迷惑な箱だ。こちらではケーブルテレビが主流のようだが、唯一の日本語放送、NHKの衛星第二放送を見るためには、ダイレクトTVを契約して、パラボラアンテナを取り付ける必要がある。9月の初めにアパートに入居してすぐ、会社の秘書にアレンジを依頼したが、もう2ヶ月になるのにいまだにセッティングできない。これがこの国の仕事のスピードか。テレビ自体、あまり面白くも無いので、強いて督促もしない。
ホテルにいる頃、テレビをつけると、サッカー中継ばかりで、やたらに甲高いスペイン語が耳障りで、ほとんどNHKばかりを見ていた。ところが、これも朝っぱらからどうでもいいような子供番組を放送してみたり、日本で見た古い番組の再放送をしたりと、誰を対象に番組作りをしているのかわからない有様で、ただ、日本語が聞きたいからつけていたようなところがある。
帰国して、久しぶりに見る日本のテレビは面白く、日本にいるときはくだらないと思っていたようなタレントの時間つぶし番組も、それなりに楽しむことができた。日本語で笑えるだけでいい。


来週からまた、仕事が始まる。
長期の夏休みを終えた学生が、憂鬱な新学期を向かえるように、またストレスのたまる仕事に戻ることになる。今回はVISAも取れたので、少なくとも一年は日本に帰ることは無いだろう。何かストレス解消の手段をみつけて、ブエノスアイレスでの生活を楽しもう。


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