アルゼンチンから砂漠の国へ

2005年~2009年のオリジナル記事に、シンガポール時代の記事と、2009年以降のアメブロの旅行記を転記しました。

高知のサンゴ礁でダイビング

2020年06月29日 | 旅行
柏島ダイビングレポート
2001年6月

5月の終わりに、単身赴任寮の食堂でテレビを見ていると、珊瑚礁の海でダイビングをしている。てっきり、沖縄かどこかと思ったが、柏島と表示された。故郷から近く、昔、親父が漁師をしていた頃の漁場だ。

早速、翌日本屋でダイビング雑誌を漁ると、ホームページの紹介があった。その夜、インターネットでアクセスし、ついでに予約をいれた。実に4年ぶりのダイビングだ。ダイビングの機材が正常に機能するか心配はあるが、ダメなら借りればいい。ウェットスーツは残念ながら太ってもう着られない。これはレンタルをするしかない。幸い、友人が車を置いて長期出張に行っているので、足もある。

翌週、最近新居浜に来たカナダ人が、ダイビングのバディー(一緒に潜る人)を探していると連絡があったので、さそって一緒に行くことにした。

当日、92000Km走っているダイハツ・ミラ(軽四輪)の助手席に188cmの大男を乗せ、8時に新居浜を出発し一路南に向かった。宇和島、津島町までは走りなれた道だ。高知に入り、宿毛(すくも)から、半島側に進路を変え、大月町までは約4時間あまりの快調なドライブだった。そこから、あと10Km、車は山道に入り、一台がやっと通れる道を時々ダンプカーとすれ違いながら、20分、やっと目指す柏島に到着した。島は小さな漁村で、どこにでもありそうな四国の漁村風景は、とてもダイビングのメッカとは思えない。

ところが、橋を渡って村に入り、駐車場を探していると、まだ6月だと言うのに、水着の若い女性が歩いている。横で同行のダニエルが、マーメイドがいっぱいだと喜んでいる。早速、初日お世話になるマリン・ドリームを探し、ダイビングの準備を始めた。

石ころだらけの海岸線から数十メートル沖合いに、海岸線に平行に9個のブイが並んでいる。ここだけが、ダイビングのエリアとして開放されており、漁業組合とダイビングの組合が共存している。

南国の風景も何もない場所だが、海に入るとそこには別世界が広がっている。テーブル珊瑚が一面に群生して、そこに群れる色とりどりの魚と、その種類の多さは、決して東南アジアのダイビングポイントと比べても見劣りしない。テーブル珊瑚の群生は、プーケットの近くのピーピー島でのダイビングを思い出した。生きのよさそうな緑色のテーブル珊瑚は、初めて見たような気がする。


ハナミノカサゴがいたる所に出没し、あるときは珊瑚の上、あるときは中空(海の中ですが)に羽根(正確にはヒレ)を広げてじっと浮んでいる。ヘラヤガラが銀色と、金色の2尾のカップル(?)で仲良く泳いでいるので、追っかけてじゃまをしてやった。ハゼの仲間が多く、その中でもアケボノハゼが青と白のツートンカラーで目を楽しませてくれた。


海底で、珊瑚の花(触手)をじっと見ていると、すぐ横の岩の間から、うつぼが口をあけて、こちらをねらっている様なそぶりなので、ギョッとして、思わずよけた。クマノミは、相変わらず好奇心旺盛で近寄ってくる。中に、背中の線が半分しかないカップルを見つけた。これは珍しいらしい。

珊瑚が切れた砂地に腹ばいになり、砂の穴から首を出している小さな魚を眺めていたが、ねじりんぼうだと言う。珍しいらしいが、いかんせん勉強不足で魚の名前を知らない。

初日は、久しぶりのダイビングで、呼吸が荒く、一本で胃がむかつきギブアップしてしまった。
連れの不良外人のビデオには、あわてて逃げる海がめの姿が移っており、大物はいないものの、種類の多さではかなり楽しめるところだ。

翌朝、早く起きて海岸を散歩していると、すれ違うおばあさんが何人も、「おはようございます。」と笑顔で挨拶してくれる。さすがに四国の田舎、良い所が残っている。ほとんど老人ばかりの漁村なのに、昼間は水着姿の女性が歩き回って、目を十分保養させてくれる。

この何の変哲もない、小さな漁村に、今やダイビングショップ14軒が乱立し、さすがに NHK の放送の威力を見る思いだ。

二日目は、柏島のダイビングの老舗シー・エアで世話になった。宿泊施設はないものの、多くのスタッフと十分な設備を備え、ここで一緒に潜ったグループは、12人で福岡から来ていた。九州にはあまりいいダイビングの場所がなく、鹿児島とか沖縄に行く事を思えば、四国の高知まで足を伸ばすのはたいしたことはないそうだ。

昼間はダイビングをし、シャワーをあびてさっぱりとしたあと、夜風に吹かれながら、マリン・ドリームのテラスでビールを飲みながら夜空を眺める。軽四輪での長距離ドライブは疲れるので、こんどは、240Kmのドライブでも疲れない車を持った人を誘ってもう一度来てみたい。


(後日談)
その後、日本では一度もダイビング機会が無く、6年後、赴任先のサウジアラビアで、2回紅海で潜っただけで、ダイビングはやめました。
紅海では、潜ってただ眺めるだけよりも、釣りにはまってしまい、GTを狙う毎日になりました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿