新日だまりの樹

喉摘者の日常を綴っていこうと思います、
このブログが多少でも皆さんに理解を深めていただく一助になればと思います。

長屋の花見

2015年03月23日 | 日記
「日だまりの樹 No.36」 この時期になると落語の長屋の花見という噺を思い出す。
貧乏長屋の大家が世間から貧乏長屋と見下されていることに腹立ち店子を連れて一同で花見に出かける。そこは貧乏長屋、花見とはいっても酒を持って行ける訳もなく酒は一升瓶に詰めた番茶、水で薄めれば日本酒に見えないことはない。
あては卵焼きとかまぼこ。こちらも卵焼きはたくわん、かまぼこは大根のぬか漬け。気は持ちようということはある。
「卵焼きをくだせぇ、しっぽじゃないところ?」
「わたしゃかまぼこが大好きでいつも千六本にして味噌汁でのむんでさぅ!」
「大家さん近いうちに長屋にいいこと有りますぜぇ!茶碗に酒柱がたってやす!」
医療で偽薬(ぎやく、プラセボ、プラシーボ)は、本物の薬のように見える外見をしているが、薬として効く成分は入っていない、偽物の薬の事で、「プラセボ 」は、広義には「薬」以外にも、本物の治療のように見せて実質上の治療の機序が含まれないあらゆる治療手段を指すそうです。つまり薬理的には合理性、科学的根拠はないとしても人間の心理作用として効果が現れること。確かにありそうな気がする。公園の桜、そめいよしのは後すこしです。



こころの復興

2015年03月20日 | 日記
「日だまりの樹 No.35」私が喉頭ガンを発症したのは2011年2月の末でした。最初は風邪かと思い風邪薬を飲んでいたのですが、声がれがなかなか良くならない、でも他に症状もなくそのうちと思い、ほおっておきました。そして3月11日に東日本大震災に・・被災者に同情し、毎日福島原発に気をもみ、会社の仕事も心配、完全に消耗していました。当時、精神科医の香山リカさんがコラムで「こころの復興」を執筆されていました。その中でいまでも記憶に残っていることは
※1かわいそうな被災者という勝手なイメージを押しつけてはいけない。
※2大きな出来事があったからといって人は急に変わらない。
※3人間には100パーセント良い人も、100パーセント悪い人もいない。
※4被災していない人にも「共感疲労」という苦しみがある 。だから、「不謹慎にわらってしまうのは」日常を取り戻すためには健全だ。
当時言われてなるほど、そして何か救われる言葉でした。
これらの言葉は障害者にも当てはまる指摘ではないかと思っています。


わさび

2015年03月18日 | 日記
「日だまりの樹 No.33」辛味に関して以前、放射線の後遺症で痛みを感じるとお話ししたのですが後遺症は半年ほどで回復したのですが喉摘出手術の後、わさびが鼻にツーンと来るので食べづらくなっています。辛子も同様です。私の場合は唐辛子が効いた食べ物は大好きでしたが術後は汗が・・・食べると額(どこが境目ですか?)から垂れんばかりの汗が出るのでキムチも食べなくなりました。
先週は検診で病院へ玄関横の紅梅、白梅が満開でした。あとは桜を待つばかり。




QOL クオリティ・オブ・ライフ

2015年03月14日 | 日記
「日だまりの樹 No.32」今日は食べ物のお話をさせていただきます。術後間もない頃は色々な疑問をお感じではないですか?(喉摘出手術を受けられた方に)私の場合に困ったことやダメだったことをお話ししたいと思います。
検診の時にドクターから「そばはダメだと聞くがどうですか?」と尋ねられて?答えは「そばは江戸っ子のようにはすすれません、だから外人のようにたぐって食べる、あるいは吸い込むんです、だから脇から汁がたれるので困ります」 汁もの、味噌汁も具もすすれない。特に油揚げやお麩は汁がたれますから注意して食べます。


そして、第一にしてはいけないことは「犬食い」です。器をおいたまま口からお迎えに行く食べ方です。こういう食べ方をすると食べ物が逆流します。喉摘者は声帯と同時に気管弁も切除しているのでふたがない状態なので、食べ物が逆流しやすくなっているのです。ではどうするか?私は必ず小皿を用意して、食べたいものを少しずつとって食べるようにしています。うどんなども小皿で食べていました。
小皿はもうひとつ意味があります。熱物を冷ますためにも小分けにしていました。


二番目にしてはいけないことは「口一杯にほおばって食べることです」 基本は少しずつ、よく噛んで食べることです。私も術後1年近くは「おかゆ」をメインにしていました。私の場合は放射線治療の影響で唾液が出にくくなっていたのもあります。
更に新声門という部位は手術で細くなっています。イメージはパイプの半分を切り取って縫合する感じです。これは何度も知り合いに説明しても分かってもらえなかったですが。細くなっているから「しない」食べ物が食べにくいのです。椎茸は良いがエノキはだめ。高い牛肉は良いが安いOGビーフはだめ、生ハム、メロンのせは家では食べませんが野菜サラダに入ってたりする、これは喉に詰まらせたことがありました。まあ呼吸は大丈夫なのでなんとか水で飲み込みました。
最後にそう、お酒は1年以上飲みませんでした。でもいまは毎晩晩酌しています。やはりQOL(クオリティー・オブ・ライフ)楽しく生きることが大事ですから。画像はイメージです


謝恩会

2015年03月12日 | 日記
「日だまりの樹 No.31」先日26年度の会員の卒業と謝恩会が開かれました。中華のバイキング形式でしたがとても楽しい時間でした。皆さんいい顔してましたよ。4月からは多くの方が聴講生の形で参加それるそうです。またお会いするのが楽しみです。謝恩会のコラージュ作ってみました。