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『チャーリーとチョコレート工場』DVD

2006-02-13 12:14:56 | 映画・DVDレビュー
チャーリーとチョコレート工場 特別版

ワーナー・ホーム・ビデオ

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ううう、発売当日から十日、家族がヘビーローテで観ている…
ウンパ・ルンパ・ソングやウォンカさんのテーマが耳をついて離れず、気がつけば口ずさんでいる有様…何とかしてくれ~!

内容に関しては、映画館で観た時のレビューに殆ど書いてしまい、あまり付け足すこともありませんが、あの時説明が足りなかった点について少々補足をさせて頂きます。

実はティム・バートン監督自身、ご両親との間にいろいろ葛藤を抱えていた人で、反面おじいちゃんおばあちゃんは大好きだったとか。
最も端的にそれが表れていたのが『マーズアタック!』ですが、この映画からもそれは伺えます。ジョーおじいちゃんはじめ、合わせて381歳の祖父母は実に魅力的に描かれていますしね。(ジョーおじいちゃんも可愛いけど、私は、口は悪くても言っていることは常に正しいジョージおじいちゃんが好きです。)

まあ、『ビッグフィッシュ』やこの映画を観ると、バートンもその葛藤を乗り越えつつあるんだな、と感じます。チャーリー以外の子供の親たちのダメダメっぷりも「ギャグ」に出来ていますしね。
一方で、「親子の問題」を描くため新たに創作されたウォンカさんと父親のエピソードが、原作ファンにはカンに障る所のようです。
しかし、ティム・バートン主義者(?)としては、原作付きでもエンターテインメントでもアニメでもおちゃらけ映画でも、彼の映画は全て彼自身のプライベートフィルムでもあることが特質だ、と言わせて頂きます。

そして、その脚色によって何が変わったかと言うと、このお話はチャーリーくんではなくてウォンカさんが主人公の物語になったということです。
つまり、貧しい家の男の子が大金持ちに見込まれてめでたしめでたし、という或る種古典的なお伽噺の枠組みに乗っ取った(お伽噺らしい「教訓」もある)お話が、富や名声を得ながら「何か」が決定的に欠けていた男がそれを回復するまでの物語へと変貌したのです。
私自身、そういう物語が好きだからかも知れませんが、その変換を受け入れられない人には違和感が残り、そこがストンと腑に落ちた人間には感動を呼んだのでしょう。

まあ、そんな屁理屈はともかく、ウォンカさん大人げなくていいなあ(上記とも関連するけど、チャーリーくんの方がずっとオトナだよ)とか思いつつ観ているだけで十分なんですけどね。

ふと思ったけど、ウンパ・ルンパたちの歌やダンスって、数年前まで教育テレビで放送されて、子供たちだけじゃなくて大人にも大好評だった『ハッチポッチステーション』と通じるものを感じます。
ジョニー・デップの演技プランでは、ウォンカさんを「外してる歌のお兄さん」とイメージしたと語っていますしね。
その割にバートン監督、子供番組は嫌いとか言っていましたが、彼自身の悪趣味スレスレって言うか、悪趣味の側に半歩だけ踏み込んだようなセンスも、やっぱり好きです。

特典ディスクも、メイキング、ゲーム、ウンパ・ルンパのダンス講座と盛り沢山で楽しめました。

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