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マチコ様より頂いたヒュー・ジャックマン主演 "The Boy From Oz" シドニー公演レポート第六弾。最後は全体を総括したご感想です。
<全体の感想>
『メルボルンの記者会見でヒューはワンマンショーのつもりはないと言っていたとQさんがblogで書いていらっしゃいましたが、ブロードウェイ版に比べるとやっぱりヒューに焦点があっている感は否めないと思います。このイベント自体ヒューありきのものなので、それは当然と言えば当然ですが。この構成でブロードウェイで演ったら、もしかしたら評価されなかったかもしれないですが、オーストラリアに凱旋公演という今回のショーなので、これでこれでよかったんじゃないのかなと私は思います。
このレポートを書くにあたり、りんりんさんのブロードウェイ版のレポートを参考にさせていただいていたのですが、改めて比べてみると、「こんなに違ったんだ」と驚きました。「Come save me」や「Continental American」が削られていて、ライザとジュディに関するエピソードがだいぶ削られてましたね。ブロードウェイ版ではアメリカ人観客に合わせてアメリカで有名なライザとジュディに関するエピソードに重点を置いたけれど、今回はピーターをよく知っているオーストラリア人が観客ですから、あえて強調する必要はないという判断でエピソードを削ったのかなと思います。
ゲイだとかエイズだとかセンセーショナルな部分をあえて強調しなくても、今回は動員が見込めるというのもあったのか、セリフでちょっと感じ取れるぐらいにしか触れられていませんでした。オーストラリア人なら知っているよねという黙示の前提もあったのかもしれません。ただ、そういう暗い部分が、父親のこと以外かなり削られてしまっていたので、ピーターがものすごくいい人になっていたのがちょっと残念でした。ヒューの暗い演技をもうちょっと見たかったです。ライザと離婚したあたりの演技がすごくよかったので。
トニー賞のスピーチで「ピーター、あなたの役を演じたことを誇りに思います」と言っていたヒューですが、その気持ちが全編に現れていて、そのおかげでこの舞台はただの伝記ミュージカル以上のものになっていたと思います。ショーの最後、「Peter Allen」の文字を見上げる姿は、ピーターというよりヒューであったように私には見えました。すばらしい人が生きていたことを伝えたいというヒューの気持ちが感じられなければ、あのヒューの最後の後姿にあれだけ感動はしなかったと思います。
私がヒューのファンになったきっかけが、2004年のトニー賞授賞式だったんですが、そのタイミングではBFOの公演が終わる前にNYに行くことはできず、本当に悔しい思いをしました。なので、今回見に行くことができて、いろいろな意味で満足でした。時間があって、お金があって、仕事を首にならないという保障があれば(笑)、10月までヒューにくっついてオーストラリア中回りたいぐらいです。4回見ても飽きなかったし、ヒュー一人のシーンはアドリブが多いので、毎回違っていましたので、あと20回ぐらい見ても飽きないんじゃないかと思います。
舞台を見終わった後、特にメモなどを取っていたわけでもなく、思い出しながら書いたので、記憶違いである部分もたくさんあると思います。セリフの部分は、私が聞き取れた単語を自分で意味をつなげたものなのでほとんど意訳ですし、間違っている部分も多々あるとは思いますが、今後出てくるであろうレポートと読み比べていただいて、「こんな感じだったのね」ぐらいに思っていただければと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。』
いえ、こちらこそ本当にありがとうございます。
これから現地に行かれる方にはご観劇の手引きとなり、私のように行けない者にとっても、その舞台が眼前に浮かび上がるような素晴らしいレポートでした。
繰り返しになりますが、細々ながらもこのブログを続けて来て良かったと思いました。
マチコ様、そしてお読みになり、またコメントをお寄せ下さった皆様に、心より感謝申し上げます。