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Loomings

映画・舞台の感想や俳優さん情報等。基本各種メディア込みのレ・ミゼラブル廃。近頃は「ただの日記」多し。

オズの魔法使

2005-12-21 12:53:41 | 映画・DVDレビュー
オズの魔法使 コレクターズ・エディション

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別にOZ繋がりと言う訳ではありませんが、『オズの魔法使』(「い」は付かない)3枚組コレクターズ・エディション。
通常版は持ってるし、わざわざ買わなくてもいいかなと思っていましたが、買って良かったです。
スチール写真や復刻版プログラム、チケット、スタジオニュース、スタディガイド等、コレクターズ・アイテムの数々も楽しいけれど、とにかく映像特典のメイキングやドキュメンタリーが素晴らしかったです。

大プロデューサー、アーサー・フリード(往年のMGMミュージカル好きには神に等しい名前)の指揮下にあって、監督は何人も交替したとか(それもマービン・ルロイ、ジョージ・キューカー、ビクター・フレミングという錚々たる顔ぶれ)、初めブリキ男役だった人がアルミ粉を吸い込んで数ヶ月間入院を余儀なくされ、やはり交替することになったとか、裏話の数々も面白く、またカカシ役のレイ・ボルジャーってすごい芸人さんだったんだなあ、と思いました。

ジュディ・ガーランドが後年「撮影裏話」みたいに話していたことは、実は殆ど捏造ネタだったとか。虚言癖と言うより話を面白くするためだったようですが、娘ライザ・ミネリ(彼女へのインタビューでその話題が出て来る)の夫ピーター・アレンの生涯を描いた "The Boy From OZ" でのジュディのことを考えたりもしました。

この映画が公開された年、MGMには『風と共に去りぬ』という超大作もあり、オスカーはそちらがほぼ総なめにした訳ですが、主題歌賞と、そしてジュディが特別賞を獲得、やがてテレビの時代にはいって繰り返し放送されることで、アメリカの新たな神話となって行った過程など、実に興味深かったです。
この物語が今も愛され、受け入れられている理由の一つは、現代のフェミニズム的視点から見ても違和感ない、前向きに仲間を導いて行くヒロイン像を提示しているからだ、という説も。

特殊撮影や造形等、その後のジャンルムービーの基礎を築いたとも言える技術について、なんとピーター・ジャクソンや、またジョン・ダイクストラ、リック・ベイカー、ハワード・ショア等、現代の第一人者たちが語ってくれることにも感激しました。

『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズを観ている時、「もしかして…」と思っていたことも、PJと、そしてショーン・アスティンへのインタビューを聞いて、「やっぱりそうか」と確認できました。
つまり、フロド&サム+ゴラムの三人が、岩陰からモルドール(黒門だったりミナス・モルグルだったり)の様子を窺い、敵の行進を目の当たりにするという、あの構図ですね。
比べてみると、カカシ、ブリキ男、ライオンの三人(?)が魔女の館を窺う構図と本当にそっくりでした!うるさい音(声)を立てて飛来するモノも出て来ますしね。
そう言えば、ティム・バートン版『猿の惑星』にも、「これってオズ?』と言いたくなるような所がありました。
しかし、相手がこのレベルの「神話的」作品になると、それらはもはや「パクリ」ではなく、「引用」または「オマージュ」と呼ばれる訳です。

「神話的」と言っても、崇め奉る対象や歴史的遺物ではなく、実際に観て楽しく、それについて語るもまた楽しく、特典中にもあったように様々な視点から研究してみたり、コスプレしたり二次創作してみたり、と世界をどんどん拡げて行けるのが、今でも「現役」の作品として生命を保っている所以でしょうか。

私は「賢いカカシ」さんと、「偉大なる大魔法使い」改め「偉大なる大ペテン師」ことオズ大魔王様が好き。あの怪しげな機械を操作しながらの「カーテンの陰にいる男は気にするな!」が特に好きです。
この人のモデルってエジソンだそうですね。原作からしてそのつもりだったみたいですが、特に映画ではそれを意識したイメージになっているようです。

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