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映画・舞台の感想や俳優さん情報等。基本各種メディア込みのレ・ミゼラブル廃。近頃は「ただの日記」多し。

小説『シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険』

2012-03-20 22:28:47 | 映画・舞台等関連情報や雑感

シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険―ワトスン博士の未発表手記による (扶桑社ミステリー)
ニコラス・メイヤー
扶桑社


「本」ではなくこのカテゴリーで。
古今東西シャーロック・ホームズ物のパロディ、パスティーシュは山ほど出ていますが(ガイ・リッチー監督による二作品も或る意味二次創作だと思う)おそらく最も有名かつ作品としての完成度も高いのが、映画製作者・監督・脚本家としても知られるニコラス・メイヤーのこの小説だと思います。
原作が出版されたのは1974年、日本では翌75年に立風書房から刊行され、その後、1988年に上記扶桑社ミステリー文庫に収められましたが、残念ながら現在は増刷されていないようです。

まず、表紙及び中表紙のタイトル表記が
ワトソン博士の未発表手記による シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険
また著者名も
「故 J. H. ワトソン博士著 ニコラス・メイヤー編」
となっているなど、遊び心に溢れています。
内容も、それ以前のシャーロキアンの研究成果を随所に取り入れています。話の序盤で明らかになるネタなので書いてしまいますが、根本にあるのは「モリアーティ教授=ホームズの妄想」説です。
その妄想及びコカイン依存が看過し難いレベルとなったため、ワトソンとシャーロックの兄マイクロフトが、彼を治療に連れて行ったのが、ウィーンのジークムント・フロイト博士の所だった──という展開も秀逸。
なぜホームズがそんな妄想を抱くに到ったか、ということについては触れないでおきます。ヨーロッパで新たな事件に巻き込まれるホームズとワトソンの活躍も見どころ。
大胆な設定ながら、全体を通してコナン・ドイルの原作シリーズやキャラクターへの深い愛情が感じられる傑作です。
私にとってメイヤーは映画版『スター・トレック』シリーズ(もちろんオリジナルキャストの方)の脚本、監督、製作者としても馴染み深い人でもあり、勝手に親近感を抱いております。

そしてこの『素敵な冒険』、メイヤー自身の脚色、ハーバート・ロス監督により『シャーロック・ホームズの素敵な挑戦』として映画化もされています。
アマゾンを覗いて見ても、DVD化はされていないようで残念──と思っていたら、allcinema SELECTION の一つとして2月末に発売されていたんですね!→こちら

というわけで申し込むことにしました。実は映画の方は観たことないんですよ。キャスティングがシブイですねー!これで長年の悲願が叶えられます。

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