

レンタル店の半額クーポン有効期間中にDVDを何本か借りました。その内の二作品です。
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『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』で衝撃をもたらしたポール・トーマス・アンダーソン監督の2002年度作品。
一目惚れラブストーリーもキャスティングと料理の仕方でこんなに
バリー(アダム・サンドラー)の姉たちのウザさには、彼でなくてもキレたくなりますねー

「電話」(ケイタイじゃなくて、職場の電話や公衆電話等、昔ながらの電話機)がコミュニケーション不全の象徴として使われていることに、また『2001年』の影を感じてしまいました。
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』ラストの台詞「これで終わった」は、この作品ラストのリナ(エミリー・ワトソン)の「さあ始めましょう」と対にしたのかな、と思ったり。
壊れかけたオルガンでも、音楽を奏でることは出来る。そう伝えてくれる恋物語。
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こちらは2006年の話題作。前から観たい思いつつ機会を逸していたこの作品をやっと観たのは、これも実は『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』繋がりで、ポール・ダノが出ていたから。家族を嫌う少年の鬱屈した心情と、その奥の優しさの表現が良かったです。
この作品もキャスティングが見事な、でこぼこホームコメディ。ダメ人間ばかりの家族の中でも、自分を「勝ち組」だと思っている父親(グレッグ・キニア)の、前半部に於けるウザさは本当にウザイです(笑)。
アビゲイル・ブレスリンちゃんの、積極的に子供ミスコンに出るような子たちとは違う、媚びない可愛さが救いでした。あのミスコンのキモチ悪さ、グロテスクさには、本当に背筋が寒くなります。オリーブのダンスが「下品」と糾弾されるのは、偽善と言うより、それがあのコンテストの真の意味での下品さを暴くものだからなんですよね。もちろん主催者側は、そんなことには気づいていないけれど。
あの皮肉なクライマックスを観て痛快さを感じられない人は、自ら「勝ち組」「負け組」思考の枠に囚われている人だと思います。
オンボロバスもみんなで押せば走り出せる。そういうお話。
二作とも、ダメダメでいびつなキャラクターばかり出て来るお話ですが、どんな人間だって、その人なりに生きて行かなきゃならないし、そう悪いことばっかりじゃないよ、と思わせてくれる映画でした。