いよいよ "X-MEN : The Last Stand" 全米公開!
ヒュー・ジャックマンの新画像もまた大量に上がっていますが、豪では "Answered by Fire" の放送日も迫っているので、デイヴィッド・ウェナムインタビュー要約の二回目、行きます。
一回目は「デイジーデイジー・127」でどうぞ。
今回は豪映画界で活躍するようになった彼の出演作品の話題です。
まずは1998年の "The Boys" から。
「これは豪映画で最も素晴らしい演技の一つだと思いますし、またご本人は決して暴力的な訳ではない俳優さんが見せた、最も暴力的な演技だったとも思います。では、この映画をご覧になっていないかたも、思い出してぞっとなさりたいかたも、こちらをどうぞ」
と言って紹介されたのは、どのシーンだったんでしょうか?
「共演者の皆さんや監督は、セットで役にはいり込んでいる時のあなたは本当に怖かったとおっしゃっていますが、お気づきでしたか?」
という質問に対して例として挙げている、恋人役のトニ・コレットが声をかけることもできず、目を向けることにも堪えられなくなって、セットを出て行ってしまった…というエピソードは、他でも見たことがあります。
でも、わかりますよ。あれは本当に怖かった…
で、そういう邪悪な「気」みたいなものはどこから来るのか、という質問には、
「手順があるんですよ。そのキャラクターが自分自身とかけ離れている時にはね。役に没入して内なる声を聞き、そのキャラクターとして自らに語りかける。そしてそれを維持する。そうすれば、どんな状況に置かれても、その役として応答ができるような気がするんです。或る意味、瞑想状態ですね」
と答えています。
瞑想と言うより「憑衣」という感じでしょうか。でも、それを日常生活には持ち込まないように切り替えているとか。
それでも、そのキャラクターが離れて行かないこともあって、
「僕自身は意識していないんですが、現場以外で一緒にいる人が気がつくことがあるみたいです。適切ではない場所で、やたら下品な言葉を使ったりとか、妙に乱暴だったり攻撃的だったりとか」
「人の顔に煙草の火を押し付けたりとか?」
「いや、それはないですけど」
だそうです。
そして話題は、彼をオーストラリアで一躍有名にしたあのTVドラマの役のことへ。
「さて、(The Boysのブレットとは)対極的な役ですが、多くのお客さん、特に女性の皆さんにとって、あなたは "Seachange" の『ダイバー・ダン』として知られていますが…ほら、早くも歓声が」
という訳で、またその映像が映し出されたようです。
「この番組を放送している間、実は海外で別の映画を撮影中だったということですが(『モロカイ』?)、帰国されて、オーストラリア中の女性が『きゃああ!』と言っているのを知った時は、どんな感じでしたか?」
「そりゃびっくりですよ。ほんとすっごく変で、もうどうしようかって感じ。あの番組がそんなにヒットするとも思ってなかったし」
「女性ファンから、何と言うか一種の『気』が送られて来るとお感じになったことは?」
「少しだけね。その『気』っていうものは、ほんの少しだけ」
「でも、もし自分が突然『セックス・シンボル』なんてものになってしまったら…」
「いやいや、僕のファン・ベースって言ったら、いやその、言うなれば十歳の男の子みたいなもので、まあ可愛いもんですよ。それか、ずっと年齢の行った女性とか」
しどろもどろになるデイジー、可愛い…(私も十分邪悪な energy を発してると思います…)
この "from LotR" って『指輪』映画以降ってことなんでしょうか?
そう言えば、"The Boys" と "Seachange" って、同じ年の作品なんですよね。
それを考えると、この人の演技の幅とか、外見まで変えちゃう所とか、やっぱりすごい役者さんだと思います。
で、この後、そのもう一つの好例が…
「とにかく、"Seachange" で、あなたはその『セックス・シンボル』、チャーミングな主役だった訳で、ずっとそれを演じ続けることもできたはずですが…(彼の出演は第2シーズン第2話まで)、似たような役のオファーが殺到したんじゃないですか?」
「まあ少しは」
「少しは、ねえ。でも、あなたは、或る意味まったく違う道を選んだ。その数年後(2003)に出演された映画 "Gettin' Square" の(ジョニー)スピットは、いろいろな意味で忘れ難い役だったし、ダイバー・ダンとは大違いでした。では、どうぞ」
という訳で、また映画の一部が流れた後、
「これがセックス・シンボル?」
なんて言うデイヴィッドです。
「セックス・シンボルですよ。でも、あなたはこういうブサイクな役を演じることも厭わない訳ですが」
「こういう外見の役の方が、気分的にずっと楽ですよ。主役よりもずっとね」
だそうです。
役作りについては
「この役では衣装が鍵でしたね。素晴らしい脚本に恵まれた時には、初めて目を通した時から、そのキャラクターが見えるし、声も聞こえて来る。そのキャラクターの『リズム』が、行間からはっきり読み取れるんです」
「あのジーンズ、二、三日同じものをはいているみたいな感じでしたね」
「撮影の間ずっと同じものをはいていました。全然着替えていないみたいに(見えるように)」
更に、キングス・クロス・ストリート(全豪一の歓楽街)にたむろするジャンキーの生態を研究したりもしたとか。歩いて行けるくらいの距離に自宅があるそうですが、お住まいはポッツ・ポイントでしたっけ。
「面白かったですよ。仕事のため仕方なくってことじゃなくてね。仕事と関係なく、人間観察が好きなんです。僕にとっては一種の楽しみです」
「でもそれって、座ったまま、或る意味たいへんお優しい方法で、人々の人生を掠め盗るようなものですよね」
実際、これもクロスに近いダーリング・ハースト・ロードを歩いていたら、一人の男から「おまえはあの映画で、無断で俺をモデルにしただろう!?」と因縁をつけられたそうです。作家や俳優さん周辺では、たまに同様の話を聞きますが、怖いですね…
上記の役それぞれについては、下をご参照下さい。
The Boys 手前がデイヴィッド。奥がトニ・コレット。
Sea Change 上とうって変わってキラキラの可愛コちゃん
Gettin' Square 左がデイヴィッド…(右はサム・ウォーシントン)ジーンズじゃないけど、これにも当時かなりの精神的ダメージを受けました…
そして、やっと"Answered by Fire" の話題になりますが、それはまた次回に。
ところで、ABCサイトで、このインタビューの動画が一部上がっていました。
こちらでどうぞ。
前回紹介した、俳優を志したことへのご両親の影響から、「バス」のエピソード、ローン・ボーリングやビンゴの話、そして、今回触れた "The Boys"関連話題までが語られています。
実際の彼の表情や、その時のニュアンスをお確かめ下さい。
それにしても、この人は素顔の時がいちばんハンサム&セクシーな気がします。どうせならフル・バージョンも観たいですね。