八王子市夢美術館で開催中の『エドワード・ゴーリーの優雅な秘密』展へ行って来ました。
エドワード・ゴーリーの優雅な秘密(月刊MOE絵本ニュース)
7月13日からの展示ですが、一ヶ月経ってやっと行けました。息子、娘ともゴーリーのファンなので、家族全員で行ける夏休みまで待っていたのです。というわけで、息子のクルマに乗って揃っておでかけ。実は我が家にゴーリーを持ち込んだのは娘だったんですよ。
以前、銀座のヴァニラ画廊で催された濱中利信氏のコレクションによる展示とはまた別の、新たな企画展示です。その時は健康上の理由で断念したので、展覧会としてはこのたび初めて行くことができました。
展示内容は3部構成で、まず『うろんな客』はじめゴーリー自身がテキストとイラストともに手掛けた著作紹介。あのモノトーンで描かれた細密なイラストが作品ごとに壁面に展示され、ガラスケース内には絵本そのものが原著、また日本そのほか各国版ともに収められていました。ところどころに設置された低いテーブルには日本語版の本が1冊ずつ置かれ、周辺の椅子やソファに腰掛けて実際に読むこともできます。
それぞれのイラストは思った以上に小さく、目が悪い上にメガネも壊れかけの自分は、至近距離でないと見えませんでしたが、そういう鑑賞の仕方でも迷惑にならないくらいの客数と流れで助かりました。と言って閑散としていたわけではなく、思った以上の盛況で、最近のゴーリー人気を肌で感じることができました。
日本では翻訳の出ていない幾つかの本にも興味を惹かれ、『ウィローデイルのトロッコ』や『錯乱のいとこたち』など是非読んでみたいと思いました。
続いて、ゴーリーの愛した詩人、作家の本のための挿絵や装丁。英国作家のものが多い中、メルヴィルの『レッドバーン』の装丁も手掛けているのに目を惹かれました。
そして舞台の仕事。ギルバート&サリヴァンの『ミカド』の衣装デザイン、トニー賞を受賞した『ドラキュラ』(フランク・ランジェラ主演)のセットや衣装デザイン、またそれらのポスター等が展示されています。長年ファンであり、そのための作品も手掛けたニューヨーク・シティ・バレエのバランシンの他界をきっかけに、ケープコッドに隠居してからも、地元のイベントのために案外気さくにポスターなど作ってくれたそうです。
常に6匹の猫たちと共に生活していたというゴーリー。猫の絵だけは常に愛情とユーモアが感じられるのも良いですね。
というわけで、物販では『キャッツ ポッサムおじさんの実用猫百科』(T.S.エリオット)新訳を購入。劇団四季の『キャッツ』も始まりましたしね
その他には、図録以外では結局クリアファイルくらいしか買いませんでしたが。
ともあれ、充実した展覧会でとても楽しかったです。
八王子での会期はあと半月ほど。その後は、年が明けてから新潟へ巡回するようです。
2016年から始まった巡回展示、これまでのスケジュールはこちらで。
展覧会公式図録は書籍として購入することもできます。
エドワード・ゴーリーの優雅な秘密: 展覧会公式図録 | |
カレン ウィルキン,濱中 利信,柴田 勢津子 | |
河出書房新社 |
エドワード・ゴーリーの日本向けファンサイトはこちら。
Wonderful World of Edward Gorey