ビール番長の上海ビール記録;シーズン1(2013~2017)

2013年~2017年の間、上海で過ごした筆者ことビール番長によるビール好きのためのビール記録(シーズン1)です。

かつてのThe Blarney Stone [PUB/移転済み]

2015-06-02 | PUB
・・・思い出話です・・・

先に紹介したこのお店は、2013年2月まで、東平路のSIMPLY THAIの東側の同じ並びの場所にあった。現在は名前はよく知らないが、おしゃれなイタリアンレストランになっている。

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私が本格的に上海に住み始めたのは、2012年の11月末である。ブログ紹介には、2013年1月と書いているが、正式な社命による赴任が2013年1月なのである。

当時、まずは私が一人で来海し、上海での生活環境を整えてから妻を呼ぶことにしていた。実際に妻は2013年の2月中旬の旧正月(春節)明けに赴任することになった。

いわゆる単身赴任の形で上海で過ごした2ヵ月半。东平路のThe Blarney Stoneには何度も足を運んだ。当時住んでいた徐家汇から気軽に行ける距離ということもあり、また、お店の雰囲気も気に入っていた。(当時は徒歩圏内のPUB、THE PARK TAVERNの存在をまだ知らなかったというのもある。)

夜な夜な楽器を持った客が集まり、セッションが始まる。ライブというよりはセッション。ステージではなく、店の片隅の狭いテーブルを囲み、何気なく音楽を奏で、歌う。その音を肴にギネスやキルケニーを飲む。



レストランではなく、パブなのでフードメニューはさほど多くない。定番のフィッシュ&チップスやアイリッシュシチューなどなど。

↑これはオニオンリング。ちょっと揚げすぎで胸やけするw

ビールは特別なメニューはなく、ギネス、キルケニー、ストロングボウ、タイガー、ステラ、ハイネケン等々。。。
 


上海に来たばかりのころは、一緒にビアパブやバーに通う同僚や友達もいなかったので、いつも一人で通っていた。若いころからバーでの一人飲みをよくやっていたので、全く抵抗はない。一杯目はギネス。つまみに何かを頼み、二杯目はキルケニー。調子が良ければ三杯目はスコッチ。(と言ってもシングルモルトのメニューはマッカランくらいしかなかったが。) そんな日々を過ごしていた。

何度か通って、何度かカウンターに座って、一杯目にギネス。二杯目にキルケニーを飲んでいるうちに、ある日、バーテンの中国人(英語ペラペラ)が、私が頼むより前に、「二杯目はキルケニー?」と話しかけてくれた。「YES!」 とても嬉しかった。 当時はまだ中国語よりも英語が先に出る状態だった。今なら「对」って答えてしまうだろうな。たとえ英語で聞かれたとしても。


↑西洋人むけフリーペーパーのアワード。
No.1 Drinking Alone
まさに!!そのとおり!(笑)
一人飲みにはうってつけ。

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そんなある晩、この店はまもなくクローズするという話が、他の客の会話から聞こえてきた。

え?まじ?とても困るんだけど。。。バーテンに聞いてみると、どうやら本当らしい。しかも、もうあと残りの営業日は1ヶ月もない。あと何回ここに来ることができるだろうか。残念に思いつつ、閉店の日までできる限り通うこととした。

その数日後、その日もカウンターで一人で飲み食いしていると、中国では珍しく、びしっとスーツを着込んだ西洋人が入店してきた。少々混んでいたので、私の隣に座ることになった。私が静かに飲んでいると、その西洋人が話しかけてきた。(英語だったか中国語だったかと思う)

「あなた、何人?」

西洋人は中国人と日本人と韓国人が見分けられないからね。(笑)

日本人。と答えると、その西洋人、なんと日本語が上手で、そこから日本語ときどき英語交じりでの会話が始まった。

その方はドイツ人。ドイツのとある自動車関連メーカーの日本支社駐在の役員という肩書で、この日は上海に出張に来ていたのだ。数年前までは上海駐在だったそうで、その当時よくこのお店に来ていたのだそうだ。やはり一人で飲むために。

このお店がもうすぐ閉まっちゃう等々の話をしているうちに、さらにカウンターに座っていた何人かの西洋人(確かイギリス人)が会話に加わり、この店の思い出話に花が咲いた。店の片隅で奏でられるアイリッシュ・ドリンキングソングを聞き、アップルサイダーを飲みながら、つたない英語で過ごした楽しいひと時だった。

私が「せっかくいい店を見つけたのに、なくなっちゃうのはショックです。どこかにいい店ほかにないかなぁ?」と、話していると、一人のイギリス人が、別のイギリス人を指さし、こいつはこの近くでレストランを経営しているんだ、そこに行けばいいよ。と、Abbey Roadというビートルズがテーマのレストランを紹介してくれた。(が、結局なかなかタイミングがなく、行ったのはつい最近、この時から2年も過ぎたあとだった)

こんな、楽しい出会いもあった場所だった。

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もうひとつ、この店で忘れられないのが、アイリッシュシチューだ。


日本人が単に「シチュー」と聞くと、おそらくほとんどの人が、こんな感じの「白い、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、お肉」のシチューを想像するのではなかろうか。

味もまさにそれ。

ああ、あの「シチュー」の原点ってアイルランドだったのかな。。。と、思った。

これがまたとっても美味しい。長時間煮込まれているからだろう、野菜も肉もホロホロで寒い日には身体があったまる。ただ、量が多いよ。。。洗面器みたいな器で出てきたよ。(ギネスのパイントグラスと比較していただければおわかりいただけるだろう)


移転先のお店では、このアイリッシュシチューがメニューになく、また店の雰囲気も以前とは変わった気がして、足が遠のいてしまった。場所が遠くなったってのもあるけどね。


★アイリッシュシチューwiki

「家庭の数だけレシピがある。日本の肉じゃがに例えられる。」なるほど。

そういえば、最近Oscar's PUBにアイリッシュシチューのメニューが増えてたな。ちょっと塩辛かった記憶があるが。。。


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