神話と伝説、古代文化が薫る庄原の比婆山熊野神社(広島県庄原市西城町熊野)へと…古事記に登場する国生みの女神・イザナミノミコトを祭る神社…
広大な神域の百株を超える巨杉群叢は、森厳な古社の風致を構成し、中には樹齢が千年を超えるものあり、うち11本の老杉は広島県天然記念物に指定(昭和27年)されています。
比婆山の遥拝所として信仰を集めた熊野神社……石段から参道へと、そして老杉の並木、拝殿、その奥には本殿など神秘的な雰囲気です。二の宮、三の宮を登って那智の滝まで足を延ばすこともできます。(次回は、那智の滝へと訪れることにします)…
熊野神社を守るように数十本の杉の大木が天に向かってそびえる姿は、荘厳で圧倒されます。
広島県史「比婆山伝説地」によると……
指定年月日:昭和16年3月10日…所在地:広島県庄原市西城町熊野字熊野谷1160番地、同県庄原市比和町三河内字越原山8232番地7他……
712年(和銅5年)に記された日本最古の歴史書である古事記に「故(かれ)、其の神避(かむさ)りましし伊邪那美神(いざなみのかみ)は出雲国と伯伎(ははき)国との境の比婆之山に葬(はぶ)りき」(訳:そこで、その亡くなったイザナミは出雲の国と伯伎の国との境にある比婆之山に葬った)とあります。
ここにある比婆之山の所在地については諸説あり、広島、島根、鳥取の3県県境部に複数の伝説地が存在します。当地のいわゆる「比婆山御陵の峰」もそのひとつであり、遥拝所の熊野神社と共に古来より信仰を集めてきました。記録によると、近世末から明治にかけては山陰、山陽のみならず九州からも登拝者を集めており、月祭日の28日と29日には1万人から3万人もの人が登拝したと言われます。
「御陵の峰」の山頂部は3haにもわたる平坦地となっており、その中央付近の円丘上には苔むしに巨石が横たわり、イザナミの陵墓と信じられ崇敬されてきました。
「イザナミは火の神(製鉄の神)であるカグツチを産んでおり、その際に負った陰部の火傷によって亡くなりました」
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