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ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

六本木アートナイト2013

2013-03-24 23:01:38 | 美術[ら]
六本木アートナイト2013

 アートナイトに行かナイト!ということで4回目のナイト見物。初回の日記を見たら、「アートナイトというなんだかよくわからないイベント」と書いてあった。4回目だけに、何をやりたいイベントなのかはわかったつもり。今回のアーティスティックディレクターはダンボール大好きな日比野克彦氏。毎回ディレクターが変わるので、イベントの色合いや面白さも当然変わってくる。面白く感じるかどうかは参加者次第。

 今回は17:00頃から11人集まってぞろぞろ見物。六本木の人混み暗がりで何度も行方不明者を出しながら、初めての徹夜に挑戦。結局朝まで残ったのは8人という好成績で幕を下ろした。

 アートナイト中は美術館も遅くまで開いていて、国立新美術館の展示は観覧無料だったので、「アーティスト・ファイル2013」、「カリフォルニア・デザイン1930-1965」、「第66回 日本アンデパンダン展」をまとめて見てしまった。無料でホントに大助かりである。サントリー美術館では観覧料1300円のところ割引価格500円だったので「歌舞伎 江戸の芝居小屋」を観覧。森美術館は24:00~06:00が1000円に割引されていたようだ。やたら評判の良い「デザインあ展」は(超満員なう)とかツィートしている人が居たので、近づきもしなかった。

 もちろん六本木アートトライアングル界隈の道端にはいろいろなアーティストの作品やパフォーマンスが点在していて、ブラブラ歩きながらそれらを見て回るのがいちばんの楽しみでもある。

 徹夜とはいえ、歩きっぱなしというわけでもなく、夜中に2時間以上喫茶店であーでもないこーでもないそーでもないなんでもないとウダウダ過ごしたりしていたので時間が長く感じることもなかったし、気温も意外と安定していて、真夜中にうろうろしていても寒さに震えることもなく過ごせた。


ヒルズアリーナの灯台


志村信裕 《hundreds of boots》


ミッドタウンの桜ライトアップ


柴田祐輔 《クリーニング・ディスコ》


日比野克彦 《動きたい水灯台・動かない土灯台》



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ロバート・キャパ展

2013-02-26 22:03:10 | 美術[ら]
「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家」@横浜美術館

 アートテラーとに~さん主催の「ロバート・キャパ展を10倍楽しむ天野太郎トークショー」に参加した。「10倍とは何だ、100倍って書け」と、とに~さんにつっこんだ名物学芸員天野さんのキャパ展にまつわる裏話や写真と絵画の違いなどをテーマにした軽妙なトークを楽しんだ後は、展覧会へと進む。

 「ロバート・キャパ」は、アンドレ・フリードマンとゲルダ・タローの二人による架空の写真家の名前であったが、ゲルダ・タローの死後、アンドレ・フリードマンが「ロバート・キャパ」を名乗った。展覧会前半は赤い壁に並べられたゲルダ・タローの写真83点、後半は白い壁にキャパの写真193点。ゲルダ・タローの写真はニューヨークの国際写真センター(ICP) からのものだが、キャパの193点は全て横浜美術館の所蔵品である。全品一挙公開は初めてとのこと。

 ゲルダ・タローは取材中の戦地からの撤退時に味方の軍の暴走戦車に衝突されて死亡、キャパは戦地で地雷にやられて死亡した。「この写真を撮影したあと死亡する」などと書いてある写真は、それだけでとても価値のあるものに見えてしまう。でも大抵そういう写真はのんびりした情景だったりしがちで、そこがまた侘び寂び。

 天野さんによれば、写真はもともと芸術ではなかった。その場で起こった客観的な事実を伝えるための手段であり、そこにはどうしてもキャプションが必要だった。いつどこで何が起きたというようなテキストと一緒に展示されてはじめて写真が生きる。写真はその一瞬を写し取ったものであり、その前後に何があったのかは判断できない。説明書きの無い写真はホームレスのような存在になってしまう。

 写真は無意識の芸術とも言われる。撮影した時には気付かなかったのに、プリントしてみると、端の方に思わぬ人物や物が写っていたりする。絵画にはそんなことはない。画家が無意識に描いてしまうはずがないから。もともと芸術ではなかった写真だが、今は芸術的な演出を加えた芸術としての写真も多く出回っている。キャパ展の写真は芸術とは言えないが、時代を切り取った記録を見て、あーだこーだとその時代に思いを巡らすだけでも何か、歴史の勉強をしたような、為になったような、そんな気分になれる。

 写真がある今の時代だから、たぶん、数百年後、数千年後でも、今の時代のいろいろな情景が結構細かくわかるだろう。写真どころか映像もあるし。写真ができる前のことは絵画や文章でしか残っていないので、聖徳太子はいなかったとか、これは頼朝ではないとか、西郷隆盛はこんな顔じゃなかったとか、割と近い昔の情景でさえよくわからず取り違えていたりするのだから。戦場カメラマンに限らず、写真家は歴史の伝道師として必要なんだろう。でも写真家は芸術家の仲間というより探検家の仲間だと思う。無事に帰ってきてたくさんの写真を後世に残してくれればよい。

 戦場の写真は普段見られない切迫した情景が多く、もちろん印象深いのだが、そんな中でいちばん印象深い写真は、フランソワーズ・ジローにパラソルを差しかけるニヤニヤ笑顔のピカソだったりして。


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リヒテンシュタイン展

2012-10-30 21:13:59 | 美術[ら]
「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」@国立新美術館


 リヒテンシュタイン侯爵家が収集したコレクション139点による展覧会。今回は他の展覧会とは一味違う展示方法を採ったコーナーがある。それは「バロック・サロン」と名付けられた大きな空間で、ウィーン郊外の「夏の離宮」の展示方法をそのまま取り入れたものだそうだ。壁に掛けられた絵画、その前に並ぶ彫刻、そしてそれらの合間を埋める煌びやかな家具調度品。デラックスすぎて使えないような豪華な椅子、テーブル、箪笥、燭台、鏡、掛け時計などがズラリと勢揃い。空間全体がバロック様式の芸術として見られるようになっている。サロン中央の天井には丸く縁取られたアントニオ・ベルッチの天井画が4枚、まるで宮殿のような佇まいの中でそれらを見上げていると首を痛めそうだ。天井画を飾る展覧会は滅多にない。記憶にあるのは雲龍図くらいかな。
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六本木アートナイト2012

2012-03-25 22:43:03 | 美術[ら]
「六本木アートナイト」

 2009年はヤノベケンジ、2010年は椿昇、2011年は震災で中止、そして2012年は草間彌生がヒルズアリーナを満たす。一夜限りのあーとのまつり、行きそびれたら、あとのまつり、っつうことで、やや片頭痛気味であるにもかかわらず無理して行ってみた。昼間から時々、アセチルサルチルサンを飲んだりイヴプロフェンを飲んだりアセトアミノフェンを飲んだりイソプロピルアンチピリンを飲んだりしながらぐったり過ごしていたが、夕方六本木に付く頃にはやや落ち着いてきたので、カラ元気を出して国立新美術館に向かうと、黄色い草間カボチャがお出迎え。夜の新美に黄色が生える。


 すぐそばで何かスタンプを押しているので、よく見たら3箇所でスタンプ押せば5000人が草間マフラーをもらえるのだという。これから行く3箇所だからせっかくなのでスタンプポン。

 前回はヒルズからミッドタウン、新美術館へと回ったが、遅い時刻の新美術館がやたら淋しかった記憶があるので、今回は新美術館を先にした。なんとなくうろうろした後、ミッドタウンに向かう。21_21の前には、あいちトリエンナーレでオアシス21に浮かんでいた草間ピンクの浮島《命の足跡》がライトアップ。スタンプを押してミッドタウンの中へ。ミッドタウンには13mの巨大こけし「花子」が出現。ヒルズにある10mのヤヨイちゃんを凌ぐ大きさ。しかもしゃべるこけしである。ヤヨイちゃんが夜中に歩いていたら笑うだろうが、巨大こけしが夜中に喋りながら歩いていたらコ・ワ・イ・ゾ~~~! とはいいながらもこけしの足元は休憩所みたいになっていてみんな座ってくつろいでいた。


 いんちきフクモ陶器も出展。このまがいもん感覚がたまらん。
 カップめんをさも高級中華料理かのように豪華に食すための便利な食器


 「フクモ陶器」を買った時の日記

 《町/器/町》 桝本佳子の陶芸作品。この人は知らなかったが、このばったもん感覚がたまらん。


 ヒルズのアリーナにはヤヨイちゃんと犬のリンリンが膨らんでいた。そしてなにやら大騒ぎ。出店もいっぱいですごい人混み。


 スタンプ押す所がどこなのかわからない。企画にいたスタッフに聞いたら「この行列です」と後ろを指さされた。そこには長蛇の列が・・・ 一瞬ドキリとしたが、スタンプ押すだけの行列なのではけるのも早い。ずるずると進んでスタンプ押して仮面ライダーも驚愕の真っ赤なマフリュアァをゲットした。幸か不幸か昨夜はマフリュアァを巻くほど寒くはなかった。でも巻いてる人もいっぱいいた。


 今年こそオールナイトでと思ってはいたのだが、前述通りの体調ゆえ諦めて仲御徒町に宿泊。翌朝また日比谷線で六本木に行ってみた。昨夜の喧騒は夢のあと、町にはひとっこひとりふたりいる程度で、祭りのあとの雰囲気、とはいえ日曜日も18時までアートナイトは続くのだから、また午後には人が集まってくるのだろう。良い天気の閑散とした六本木は散歩にはうってつけである。


 《いつつのゆびわ》 東京ミッドタウン開業5周年記念


 そうはいっても「アートナイト」、暗闇で生きる展示作品が多数を占めるので、やはり夜に行かないと残念感満載、久野ギルのアリの這いまわる映像を朝ふたたび見たら、ガサゴソと音がするだけで、アリさんは朝日にかき消されてしまっていた。

 「六本木アートナイト2010」の日記
 
 「六本木アートナイト2009」の日記
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ルドンとその周辺

2012-01-23 23:33:52 | 美術[ら]
「ルドンとその周辺―夢見る世紀末」@三菱一号館美術館

 ルドンというとギョロっとした目玉やら得体のしれないクモのイメージが強くて、やや気味悪系な画家と思ってしまうが、まさにそのとおり。黒の時代とも呼べる初期のエッチングなどは単色でエグい作品が多い。その印象が強すぎてアレなんだけど、後期にはカラフルな作品も現れる。そのひとつとして、三菱一号館美術館が新規収蔵した《グラン・ブーケ(大きな花束)》も公開している。縦248.3cm、横162.9cmの大判なパステル画。だまって飾ってあったらルドンの名前は思い浮かびそうもない。しかしパステル画か。他にもパステル作品がいくつかあって、間近で見ているうちにパステル一揃い欲しくなってきた。色鉛筆じゃなくてパステル。
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ルソー展@ポーラ美術館

2011-01-02 17:12:04 | 美術[ら]
「アンリ・ルソー パリの空の下で ルソーとその仲間たち」@ポーラ美術館

 今日はポーラ美術館の無料入館日ということで、開館15分前に到着。実家から約16kmなのでクルマで25分くらい。まだ駐車場はガラガラだが、入り口前には既に入場を待つ人たちの行列ができていた。入場後は固まって混んでる所もあったが、全体的にのんびりムード。全員無料なのに無料入場券を配ってたのが何かもったいない気がした。

 ルソーは十数点あるのみ。あとはその仲間たちピカソ、フジタ、ユトリロなどの作品が展示されている。絵の他には、ルソーが作曲したという曲のバイオリン演奏をヘッドフォンで聞いたり、ルソーの時代に作られた「月世界旅行」の映像を見たり。でもルソー腹いっぱい見たいって人には物足りなさそう。

 11時頃には駐車場はけっこう埋まっていたが、それでもまだところどころ空きがあった。無料と知らずにやってきた二人連れのおば様が「あら今日は無料ですってよ」「ホントねぇ、すごいわねぇ」「まぁこんなことってあるのねぇ」「へぇ~~~~」と感激していた。

 今日は箱根駅伝往路の日で、いつまでも箱根くんだりーにをクルマでうろちょろしているとえらいことになるので、早々に引き揚げた。
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六本木アートナイト 2010

2010-03-28 23:09:22 | 美術[ら]
六本木アートナイト

 ちょっと寒かったけどちょっと行ってみた。まあ、土曜日の夜より、日曜日の昼間のほうがもっと寒かった気もするが。

 椿昇の《ビフォア・フラワー》 ・・・ヒルズアリーナに13メートルの謎のふうせん・・・じゃなくて生命体が出現。昨年《ジャイアント・トらやん》が火を噴いた場所には、デカイもんが出現しないとならないらしい。フワフワ浮いているように見えるが、中には100kgもあるプロジェクターが入っているようだ。落ちたらけが人が出るくらいすごい物体であった。ここに作者の椿昇氏が登場して、トークセッションも行われた。それを聞き終わってからブラブラしながら早々に帰ってきてしまった。

市川武史 《オーロラ '10 Roppongi 》


《Smile Cake, Happy Cake》

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レンピッカ展

2010-03-06 23:06:40 | 美術[ら]
「美しき挑発 レンピッカ展 本能に生きた伝説の画家」@Bunkamura ザ・ミュージアム

 アール・デコの画家タマラ・ド・レンピッカのことは、

『★まったく知らなかった★』

 昔、パルコのポスターになっていたと言われたが、パルコは山口はるみぐらいしか覚えてない。

んで、レンピッカ自身が美人で、モデルをやったり、白洲次郎みたいに珍しいスポーツカーを乗り回したりする、一歩先行く飛んでる女って感じだったようだ。

 画風は、リアルな中にデザイン的な要素が入っていて、髪の毛が、カツオ削りかんな屑みたいだったり、背景が虚ろなビル街だったり、そして妖艶な瞳で遠くを見ている。売れてる時代は大人気だったようだ。離婚間近の時に描いた夫の肖像画は、指輪をした左手が未完成のままだったりして、その時の心情が伝わってくる。

 シュールレアリズムにも興味を示したというその画風は、好きになりそう。


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ルノワール展

2010-01-24 22:40:34 | 美術[ら]
「ルノワール - 伝統と革新」@国立新美術館
 
 1/20に始まったばかり、しかも講演会の最中だったので、比較的ゆったりと見ることができた。約80点の作品と、ポーラ美術館の光学調査として、X線写真と赤外線写真による分析結果が展示されている。鉛入りのシルバーホワイトは光を通さないのでX線写真では白く残ったり、描きなおした跡や下書きの有無などがわかって興味深いのだが、完成前のあれやこれやをほじくり出して見られちゃうのは、絵に限らず本人はいやじゃなかろうか、という人もいた。

 まあそういわれれば、書きかけの文章なんかも見せたくない、芸人のネタの練習も見せたくない、そういうのと同じか。ルノワールが生きていたら訴えられるかもしれない。まだ一人前になってない人間がMRIで輪切りに診断されるのと一緒か ←ちがぁぅ

 《団扇を持つ若い女》の派手さがいい。全然抑えてない。若い女より派手そうな背景の花、日本人でも使わなそうな絵柄の大きな団扇を持ってカメラ目線の女、帽子も派手。で、この大きな団扇は顔を小さく見せるためのアイテムではないかという意見も出た。プリクラ撮るときの必殺技だそうだ。プリクラかぁ。10年くらい撮ってないなぁ。

 新美術館の地下一階にある「カフェテリア カレ」は、いつも上から覗き込むだけで、入ったことがなかった。入ったらなんと普通のメニューと一緒にペットボトルのお茶なんかも売っていてぽっくり。じゃなくてびっくり! こんな安易なカフェだったとは知らなかった。
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レベッカ・ホルン、大西麻貴+百田有希

2010-01-23 23:54:30 | 美術[ら]
MOT × Bloomberg パブリック・スペースプロジェクト
[大西麻貴+百田有希]@東京都現代美術館


 若手作家支援のなんとかかんとかいうことで、室外のメディアコートに鍾乳洞のようなあずまやが2/6まで展示されている。サイトを見ると、組み立て作業の様子を動画で見ることができる。滴り落ちるような不思議な浮遊感が面白い。


「レベッカ・ホルン展」@東京都現代美術館

 どんな作家なのか知らなかったけど、とりあえず見てみた。3階にはいろいろな作品が展示してあり、立体作品の多くが、モーターによって微妙な動きをする。

 《ピーコック・ペンシル・モーニング》は先端が鉛筆になって孔雀の羽をイメージしたものが開いたり閉じたりする。開くと、なるほど孔雀っぽい雰囲気がして綺麗かもしれないなんて思ったりする気持ちになれるようなもんだなぁとか考えながらうろうろしていると、あちこちでさまざまな作品のちょこっとした部分が緩慢な動作を始めたりして、あれ?あっ、そういうことか、これが動いてこうなって、ああ、カラスの羽がこう動いて卵に触るんだな、あ、触らんのか、なんだ、触らんのか。顔面に鉛筆をいっぱい付けた鉛筆マスクをして、紙の前で顔を左右に振ると、紙には意味のない線が引かれてゆく。なんて馬鹿なんだこの人は、なんて思ったりして。で、天井から壊れたピアノが吊ってあるし。

 1階では映像作品が上映されている。ドラマの途中に自分の作品が出てきて、毎度おなじみの緩慢な動作を繰り返している作品や、その他いろんな映像が4室で流される上、全部見ると7時間くらいかかるので一回りしてからさじを投げた。
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古代ローマ帝国の遺産

2009-10-04 22:35:24 | 美術[ら]
「古代ローマ帝国の遺産 - 栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ -」 @国立西洋美術館

 ナポリ国立考古学博物館、ポンペイ考古収蔵庫などのコレクションから、ローマ帝国にまつわる品々を展示している。

 座っている状態で2メートル以上の高さがある《皇帝坐像(アウグストゥス)》 巨大な石像はやっぱり迫力がある。白大理石のつややかな巨体は、皇帝の威厳を見せつけるに十分なもの。

 ポンペイからの出土品も多数展示されている。ポンペイというと固まった遺体のような悲惨な記録が多かったが、今回は、出土した彫刻やら生活の品々が展示されているので、説明書きを見ないとローマなのかポンペイなのか区別がつかない。その中に、ブルーに透き通ったガラスの骨壺がある。壺の中には火葬された遺骨のかけらが入ったままになっていて、外から丸見え。骨壺と言うよりも、金魚バチのような、花瓶のような、なんとも不思議な気分がした。

 ポンペイの邸宅のヴァーチャル・リアリティによる再現映像も面白い。水と緑あふれる白亜のテラス、食べ物の並ぶテーブルの脇には、寝そべって食事するためのスペースがしつらえてあった。牛になるぞ・・・


 常設展の片隅では 「ローマ未来の原風景 by HASHI」 という展示もしている。橋村奉臣という人の写真展で、ローマをテーマにした写真を、焼き付け過程で絵画的処理を用いて個性的に表現している。古代遺跡の写真などはいい雰囲気を出している。作品保護のため温度を低くして、室内を暗くしているようだが、暗過ぎて、名札のタイトルもまともに読めない。
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レオナール・フジタ展

2009-07-11 23:35:19 | 美術[ら]
「レオナール・フジタ展 - よみがえる幻の壁画たち -」@横浜そごう美術館

 昨年の秋に、上野の森美術館でやった「没後40年 レオナール・フジタ展」と基本的に同じシリーズだが、展示数が半分くらいに減っていて、そのかわりに、日本でキャンバスに描いた大きな「壁画」数点が追加されている。乳白色ではなくカラフルな色付けでフランスの風景にフランス女性の井戸端会議みたいな作品になっている。壁画なのになぜキャンバスかというと、日本は地震が多いので壁に描くよりこっちのほうがいいとフジタが判断したらしい。

画像は壁画「野あそび」 志摩観光ホテルクラシック蔵。これは7月2日でホテルに帰ってしまったので見られず、今日は単なる白壁になっていた。

 縦横3mの群像大作4枚《ライオンのいる構図》 《犬のいる構図》 《争闘 I》 《争闘 II》は、狭い美術館のため、4枚横にくっついて、ほぼ床から天井ぎりぎりまできっちり展示されていた。ってことはそごう美術館には高さ3m以上の作品は展示できないってことだな。で、まあ、そのせいか、あんまり大きく見えなかったわけで。

 学芸員によるギャラリートークがあって、およそ45分間のトークに40数人がぞろぞろ移動しているうちに、会場をほぼ網羅してしまった。学芸員も、ここは狭くて・・・とか、天井が低くて・・・とか、やや自嘲気味に語って笑いを取っていたくらいだ。


<<おまけ>>
ひさびさに「フジタ上野展」のサイトをクリックしたら工事中のメッセージがあれこれ出てくる。
→ http://www.fujita-ueno.jp/
なんじゃこりゃヽ(。_゜)ノ
工事中のメッセージが出てもめげずに「TOPへもどる」を何度も押してみてね。
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ルネ・ラリック展

2009-07-05 23:12:29 | 美術[ら]
「生誕150年 ルネ・ラリック 華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ」@国立新美術館

 せっかくだから見てきた。最初は細っちいブローチやらネックレスやらがガラスケースに納まっているのを、みんな張り付くように見ているので、後ろの通路はクルマが通れるほどガラガラだった。自分は男なのでそんなものを付けないが、造形の面白さではトンボのペンダントなどがいい。ひょろ長いトンボの胴体をくねくね曲げて、何匹か組み合わせてパズルのようなペンダントやブローチになっている。

 おんどりゃとりあたまのティアラも煌びやかですごいが、なんちゅうかエグイなぁ。こんなの頭につけたら、コッコッコッコッコケェ~とかいって、おでこを突っつかれそうだなぁ。

 そしてアール・デコの花瓶 《つむじ風》 オレンジ、ブルー、クリアの3色あって、外側がすごいボリュームで渦巻き模様にえぐれている。繊細さよりも迫力があって、そしてシンプルな雰囲気は悪くない。でもエミール・ガレの毒々しいほど派手なランプシェードや花瓶なども捨てがたいんだけどね。

 クルマのボンネット先にくっつけるカーマスコットなども作っていたようで、いろいろ派手なガラスマスコットが展示してあるが、破損を防ぐために目的地に近付いてから装着することもあった書いてあった。まったくしょーもねぇ役立たずの見栄っ張り製品である。

 箱根ラリック美術館って実家からクルマで30分くらいなのに、まだ行ったことがない。これを機会に今度時間があったら行ってみようかな。
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ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち & アーティスト・ファイル2009

2009-04-11 23:25:47 | 美術[ら]
「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」@国立新美術館

 先日の西洋美術館に続いて、こっちでもルーヴル展、こっちのテーマは子供である。だからってわけでもないだろうが、初っ端から、ちっこい彫刻みたいなのがいくつも登場。混んだら見づらそうだなと思ったけど、今日は空いていた。

・《台車にのったハリネズミ》《台車にのったライオン》がかわいいけど、解説によると子供のおもちゃにしては精巧な彫刻なので、子供のおもちゃではなかったのでは、ということは、大人のか?

・ジャン=オノレ・フラゴナール 《子供を抱く若い女性》・・・母も子も目がテンなところがなんかかわいらしい親子。

・ジャン=バティスト・ルイ・ロマン 《無垢》 ・・・大理石の少女が死んだトカゲを手にして俯いている。シルエットが美しい。

・フルリー=フランソワ・リシャール 《小さな赤頭巾》・・・ちっこいあかずきんちゃんが見つめるベッドのおばあさんは、紛れもないオオカミ。ああ喰われちゃう。目を覚ませあかずきん!それはババアじゃねぇぞ!

・ジョシュア・レノルズ 《マスター・ヘア》・・・愛らしい顔で何かを指差している少女のように見える男の子フランシス・ジョージ・ヘアー。

・ジャン=ルイ・クアノン 《アレクサンドリーヌ=エミリー・ブロンニャールの胸像》・・・大理石のかわいい少女の半身像。瞳の光の様子まで、彫ってあって、視線まで立体的に感じる。これがいちばん好きかも。


「アーティスト・ファイル2009」@国立新美術館

 ルーヴル見た後なので200円引きだった。美術館の前庭、サクラが咲いているのかと思って近づくと、バッタモンだった。平川滋子の《光合成する木》という作品で、木の枝に直径22cmのフリスビーのようなプラスチックを咲かせてある。ほんのりサクラ色が、青い空と緑の外壁に映える。

 齋藤芽生というアーティストにハマった。変な人だ、この人は・・・。 いいなぁ。でも、変な人だ、この人は・・・。

 この展覧会の図録はアーティストごとに9冊に分かれていて、9冊まとめてでないと売ってくれない。「これください」と1冊指さしてみごとに断られているどこかのおば様が気の毒だった←大げさか。せっかく分けてあるのだから、好きなアーティストのだけ買えるようにすればいいのに、何が問題なのだ? ダモンデ、斎藤芽生だけ欲しかったのに諦めてしまった。←軟弱者
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六本木アートナイト

2009-03-29 22:53:43 | 美術[ら]
六本木アートナイト

 ダメなオトナ達で集まって桜の咲いてない谷中墓地でぐーたらぐーたらと昼間っからお花見。通りすがりの上野公園もおおぜいの人たちがお花見。まれにしか咲いてないので、咲いてる場所はみんな群がってカメラでパチリ! でも、昔からお花見で花を見る人なんていないという伝説があるので、問題ないだろう。ただ、寒かった。桜の見頃は来週末あたりかな。

 そのあとは六本木に移動して、アートナイトというなんだかよくわからないイベントに混ざりに行った。この土日だけ、六本木アートトライアングル周辺でアーティスティックな催しが繰り広げられるということで、にぎやかだった。美術館も23時まで延長していたり、オールナイトで映画や音楽イベントをやっていたり、盛りだくさん。なのに、お花見の疲れもあってオールナイトどころか、意外と早々となんとなく解散になった。

 《ジャイアント・トらやん》の足元でヤノベケンジ氏が喋っているのも見られた。

 昨年開かれた、トリエンナーレ@三渓園でも霧とライトのインスタレーションをやっていた、中谷芙二子の《霧の庭 #47662》が毛利庭園を幻想的に演出していた。

 変で面白かったのはドゥ・ジェンジュン《私はあなたの跡を消す》というインタラクティブアート。フィールドに観覧者が足を踏み入れると、その足跡を一所懸命に消し続ける全裸の男たちの映像が付きまとう。まるで偏執狂的潔癖症みたいだ。

 アートナイト、なんちゅうか、もうちょっと暖かい5月ごろやってくれるとウレシイ鴨。ジャケットの裏地を付けないで行ったら寒いの寒くないのって寒い。
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