ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

『GODZILLA x KONG 新たなる帝国』

2024-04-29 20:47:02 | 映画[か]
『GODZILLA x KONG 新たなる帝国』
監督:アダム・ウィンガード
出演:レベッカ・ホール/ブライアン・タイリー・ヘンリー/ダン・スティーヴンス/カイリー・ホットル/アレックス・ファーンズ/ファラ・チェン

 アカデミー賞まで取ってしまった重厚でシリアスな『ゴジラ -1.0』を見てから数か月しか経ってないのに、またゴジラ系の映画を見てしまった。ゴジラが出てくるのだからしょーがない。これは2021年公開の『GODZILLA vs KONG』の続編。あまりにもファンタジックな地下空洞世界を見せられて13cmくらいドン引きしながら、これは怪獣映画なのかSFアドベンチャーなのかと首をかしげながら見た前作。

 その続編となると地下空洞世界はもう誰もが知っている既成の事実となっている。そこを舞台にゴジラとコングが戦うのかと思えば、どちらも「ぼくらのなまか」なので、協力して新しい敵に立ち向かうことになる。

 地球の危機が迫るまでひたすら寝転んでいるゴジラ。敵めがけて韋駄天走りしちゃうゴジラ。そしてコングはやたら知性的で、もはや怪獣じゃなくて単なる強くてでっかいおじさんである。怪獣コワイという雰囲気よりも、マーベルヒーローのアニメを見ている気分。ヒーローたちがでっかくなっちゃったような娯楽満載映画。
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『ゴースト・バスターズ/フローズン・サマー』

2024-04-08 20:11:31 | 映画[か]
『ゴースト・バスターズ/フローズン・サマー』
監督:ギル・キーナン
出演:ポール・ラッド/マッケナ・グレイス/フィン・ウルフハード/キャリー・クーン/ビル・マーレイ/ダン・エイクロイド/アーニー・ハドソン

 ニューヨークにゴーストが出るシーズンになると公開されるゴーストバスターズ。今回はゴーストが街を凍らせる。そりゃたいへんだぁ。新しい親子バスターズたちがドローンやら最新ハイテク機器を駆使してゴースト退治に乗り出す。バスターズと市民の微妙な関係性も面白い。ファンサービスとして初代ゴーストバスターズもちょこっと登場!←ちょこっとじゃないやん

 楽しい映画も回を重ねるごとに慣れちゃって新鮮さは薄まる。1984年のゴーストバスターズ1は目新しさいっぱいで楽しすぎた。中でもビルを壊しながら街中を暴れまわるマシュマロマンが好きだったので15cmくらいのソフトフィギュアも買ったものだ。もうどこかに行っちゃったけど。それくらい好きだったので1985年の年賀状はマシュマロマンを木版で造った。ぜんぜんインクが乗ってにゃい。丑年だったけど干支関係にゃい。

 今作には手のひらサイズのミニマシュマロマンがうじゃうじゃ出てくる。これはこれでかわいい。グッズ売り場にはミニマシュマロマンのペンとかキーホルダーみたいなのが売っていて、もうちょっとで買っちゃいそうだった←買わんのかぃ




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『首』

2023-11-25 20:16:34 | 映画[か]
『首』

監督:北野武
出演:ビートたけし/西島秀俊/加瀬亮/中村獅童/木村祐一/遠藤憲一/勝村政信/寺島進/桐谷健太/浅野忠信/大森南朋

 「こんな本能寺の変はいやだ」というお題に沿った大喜利大会ではない。そもそも本能寺の変は謀反の代表みたいないやな話だが、それを北野武監督がさらにやな感じの変に描いている。一癖も二癖もある名優たちが繰り広げる血沸き肉躍り首飛ぶBL戦国時代劇。たけし演じる秀吉はもちろんやな感じだが、加瀬亮演じる信長が輪をかけてやな感じを醸し出している。この映画を見れば謀反なんて起こって当然、みたいな気分になってしまう。
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『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』

2023-11-18 20:40:33 | 映画[か]
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
原作:水木しげる
監督:古賀豪

 水木しげる生誕100周年記念作品。ゲゲゲの鬼太郎がどうやって生まれて来たのかを描いたアニメ。いかにも薄ら寒い昭和の時代の鬼太郎アニメとは違って、もうみんな今風なキャラクターに変わっている。昭和の鬼太郎には子泣きじじいや砂かけばばあなどお馴染みのキャラが笑いを取ったりもしていて、子供の人気者になっていた。このアニメでは今風な代わりに不気味さを前面に押し出して化け物感増し増しのPG12映画になっている。

 ゲゲゲの鬼太郎アニメは昔から断続的に見ていて、以前はちびまる子ちゃんの妖怪版みたいなキャラだったねこ娘が、近頃では美少女アニメみたいにスラリと背が高くなって鬼太郎を追い越してしまった。これは衝撃だったなぁ。

 ゲゲゲの鬼太郎を見ていていちばん気になる存在は、何と言っても目玉おやじだ。いちばん化け物っぽい。のに、茶碗の風呂に浸かっている目玉おやじはかわいい。でも、目玉おやじは全裸なのだが、いいのか?

 そんな目玉おやじがなんで目玉なのにおやじなのかという理由が知りたくて知りたくてたまらない!というほど知りたいわけでもないが、知ることができるのなら知りたいかなぁ~くらいの興味のある話題でもあった。とはいえ、この映画とは違う設定の逸話みたいなのもいろいろどこかで見たような気もして、ニュアンス的には多かれ少なかれ想像から外れてはいないだろう。この映画ではそんな目玉おやじ誕生秘話をまたひとつ知ることができるのだ。すごい?
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『ゴジラ -1.0』

2023-11-07 19:25:06 | 映画[か]
『ゴジラ -1.0』

監督:山崎貴
出演:神木隆之介/浜辺美波/山田裕貴/青木崇高/吉岡秀隆/安藤サクラ/佐々木蔵之介

 戦後の日本にゴジラが上陸、敗戦で身も心もズタズタにされた日本国民にとどめを刺すかのように容赦なく襲い掛かる巨大怪獣、もうどうしようもないありさま。敗戦で夢も希望も無くなった日本を0.0とした場合、それにゴジラが追い打ちをかけてマイナス1.0というタイトル。ゴジラ70周年記念作品で、30作目となるゴジラ映画。

 主演が神木隆之介と浜辺美波という豪華らんまんコンビ。神木と一緒に小船に乗る仲間が佐々木蔵之介、吉岡秀隆、山田裕貴、人気俳優が集合。ゴジラの迫力だけでなく、戦後の癒えぬ傷を引き摺って苦悩する人々まで描いているので、時々、単なる終戦を描いた歴史群像劇を見ている気になってしまう。

『ALWAYS 三丁目の夕日』で、今は無き古き東京の風景を見せてくれた山崎貴監督。この映画もほぼVFXなのだろうけれど、どこが造り物で、などと気にすることもなく、戦後の街並みやゴジラ対戦がスクリーンに生々しく違和感なく表現されている。

 シン・ゴジラで見せた最新テクノロジー満載の対ゴジラ作戦とは違って、そういう兵器は戦争ですべて使い切ってしまって何も残ってない貧困ジャパン。それでも生き残るためには、なんとしてでもゴジラと戦わなければならない。そんな生き様を描いた戦争映画と言いたくなるようなストーリー設定で、怪獣映画にしては結構感動的な作品になっていると思う。

 私が初めて見たゴジラシリーズは『キングコング対ゴジラ』で、この時はキングコングが僕らの仲間側だった。ゴジラは基本的に最悪の敵なのだが、その後も宇宙怪獣みたいな凶悪な敵が現れるたびに僕らの仲間側を演じてきた。鑑賞する子供にとってはそのほうが楽しかったのだろう。「がんばれゴジラぁ~!」って叫べるから。僕らの仲間側のゴジラは強敵を倒すとそのまま海底に帰って行く。戦う敵がいなくなったからといってこの時とばかりにこれでもかとビルをなぎ倒し人々を踏み殺して放射線を浴びせたりはしない。これが僕らの仲間側のゴジラの作法だ。しかしこのマイナスワンではゴジラが僕らの仲間なんかじゃないことを徹底的に見せつけられる。そこにリアルさを感じる。















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『君たちはどう生きるか』

2023-07-17 14:56:41 | 映画[か]
監督:宮崎駿

 スタジオジブリで私が好きな作品は、『千と千尋』、『トトロ』、『ナウシカ』、『ポニョ』、『ラピュタ』、『もののけ』など、何か変なモノが登場する妙な世界の物語。これこそジブリだと私は思っている。だからと言って変なモノが登場しない作品が嫌いだということではない。ただ、お金を払って見る映画の中に変なモノが登場すればするほど、なんとなく得した気分になれるのだ。変なモノの数で元が取れるのだ!
 
 カオナシなどは割と元が取れたような ←もぅえ~わ

 『君たちはどう生きるか』は事前に何の告知も宣伝もなく、そぉぉぉっと公開するという珍しい手法が取られた。とはいえ誰も知らないうちにやってた・・・なんてことは無く、知らされなかったのは公開日ではなく映画の内容だ。どんな映画で、だれが何をする映画で、だれが声優をやるのかなど、だれにもわからず、あーだこーだと好き勝手な推測がネットを飛び交っていた。

 私は映画のチラシ等を見ただけで、詳しい内容を確認せずに見に行くことが多い。そうすると思わぬサプライズで感動が倍増するケースも多い。そんな私にとって、事前情報が無い映画はうってつけなのかもしれない。ネットを見ていてうっかり犯人が分かってしまうというような恐れもないから。

 ジブリファンなら、引退詐欺を続ける宮崎駿監督の新作となれば、評判が良いか悪いかは関係なくとりあえず見ないで過ごすわけにはいかないだろう。もちろん見るつもりでいた私だが、『君たちはどう生きるか』という説教じみたタイトルにはちょっと「ん?」っとなった。映画自体が説教じみていたらヤダなぁ~などと思ってしまいがち。もっとかっこいいタイトル、たとえば『ミッションポッシブル』とか『トランスファーマー』とか・・・

 これからどう生きようか(゚_。)?(。_゚)なんて思いながら『君たちはどう生きるか』を見に行って、充分に元が取れて満足した私は、とりあえずこの夏を乗り切ろうと思い、家電店に足を運び、小型エアーファンを買って帰ったのだ。
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『カメの甲羅はあばら骨』

2022-10-29 22:13:02 | 映画[か]
『カメの甲羅はあばら骨』 
原作:川崎悟司
監督:モリ・マサ
出演:清水尋也/磯村勇斗/江口拓也/上國料萌衣/野津山幸弘/天月/栗田航兵/四谷真佑/森本晋太郎/でんでん

 以前、書店でちょっと見たことがある本、『カメの甲羅はあばら骨』がアニメ映画になった。ちょっと見たことがある本はちょっと見ただけで購入には至らなかった。でも映画になっちゃったのでちょっとだけ見に行ってきた。

 よくある学園ものドラマで、人気のある子もいれば、そうでない子もいて、勉強ができたりできなかったり、スポーツが得意だったり苦手だったり、悩んだり自慢したり友達になったり喧嘩したり、いろんな生徒が集まっているクラスの出来事。

 そんな普通の学園なのに骨が・・・骨が・・・骨のクセがスゴイ! さまざまな動物の特徴的な骨格が人間の骨格に相当する体の部位と入れ替わっている。カメやらカエルやらライオンやらゾウやらフラミンゴやらキリンやら。そんな骨格ごとの得手不得手で、イケてる生徒とイケてない生徒が出てきてしまうヤバい映画だ。

 タイトルからわかるようにカメの骨格を持つカメ田カメ郎が主人公で、彼を取り巻くカエル川エル隆やらライオン寺ライ王やらフラミンゴ塚フラ美やらキリン沢リン太郎やらが繰り広げるアツイ青春のひとこま! っていうほどのものでもないか。
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『ゴジラvsコング』

2021-07-04 21:39:21 | 映画[か]
『GODZILLA vs KONG』
監督:アダム・ウィンガード
出演:アレクサンダー・スカルスガルド/ミリー・ボビー・ブラウン/レベッカ・ホール/ブライアン・タイリー・ヘンリー/デミアン・ビチル/エイザ・ゴンザレス/ジュリアン・デニソン/ケイリー・ホトル/ランス・レディック/カイル・チャンドラー/小栗旬

 コロナでしばらく延期になっていた映画がようやく公開された。映画館には「低音体感上映」なんて書いてあった。空きっ腹にズズ~ンと響く怪獣の咆哮。『GODZILLA/キング・オブ・モンスターズ』の芹沢猪四郎博士(渡辺謙)の息子、芹沢蓮という役で小栗旬が出演している。んだけど。ちょっと物足りないかも。

 『キングコング対ゴジラ』(1962)のリメイク版・・・っていうわけでもなくて、対戦相手が同じってだけで、2大スターの競演で日米で盛り上がろうネ!って感じかな。キングコングは僕らの味方だし、ゴジラもなんとなく僕らの味方だし。じゃぁ何で戦って街を壊すんだ?何かゴジラを怒らせる出来事が発生したんだろう、とか、太古の昔からふたりはライバルだから、とか、戦わせる理由はいろいろ出せる。

 ゴジラ映画は割とリアルさ重視な雰囲気なのに、キングコングの場合はやたら友達っぽかったり人間の言うことを聞いたりと、やや子供向けファンタジー色が強まる気がする。そんなふたりが同じ舞台で戦っていてもやっぱりコングだけファンタジーだ。

 映画が進むにつれて段々と荒唐無稽な話になって行く。何を今さら・・・と言われそうだが。百歩譲って、ゴジラやコングが暴れまわる世界は「まぁそゆこともあるさ」と思うことにしよう。でも、それではやつらはどこから来たんだ?というあたりのストーリー展開はもう・・・ファンタジーが始まる!
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『漁港の肉子ちゃん』 

2021-06-12 22:40:20 | 映画[か]
『漁港の肉子ちゃん』
原作:西加奈子
監督:渡辺歩
企画・プロデュース:明石家さんま
主題歌:稲垣来泉「イメージの詩」

 明石家さんま師匠がプロデュースしたアニメということで、テレビやラジオであーだこーだしゃべり続けているさんま師匠を見ていたら、映画も気になったので見てきた。

 太っているから肉子ちゃんと呼ばれるお母さんと、似ても似つかぬほっそりした娘のきくりん、流れ流れて港町、なぜか船で暮らしている。そんなふたりの物語。その肉子ちゃんの声は大竹しのぶ師匠がやっているというだけで話題になる。肉子ちゃんの身長は151㎝、体重は67.4kgという設定になっているが、アニメの映像を信じるならそんな軽くねぇだろうって思っちゃう。劇中でもトトロに例えるシーンがあるくらいだ。はんぱねぇくらいに食う! 食う! 食う! 食う! 食う!

 ジブリを見慣れていると、どこかでもののけやら、やおよろずの変なのが出てくるんじゃないかと期待しちゃいがちなんだけれど、これはジブリじゃないから肉子ちゃん以外にそーゆーのは出演してない。

 普通じゃない人生を送るふたりの泣き笑いの物語、さんまさんプロデュースだからさすがに笑えるシーンは山ほど用意されているのに、ホロリとするようなエピソードも盛り込まれて、最後まで飽きずに楽しめる。

 声優としても大竹しのぶだけでなく、Cocomi、吉岡里帆、花江夏樹、マツコ・デラックスなど話題になりそうな人が揃っている。エンドロールで知ったけれど、セミの声なんか〇〇さんがやっているし。

 主題歌は10歳の稲垣来泉ちゃんが歌う吉田拓郎の「イメージの詩」。ちょうどいいタイミングで聞こえてくるこの歌の雰囲気が超絶技巧。10歳の少女が淡々と歌い続ける人生ソングがグッと来る。吉田拓郎が歌うオリジナルも好きだけれど、それとはまた違った趣きがあって妙に悲しくなる。さんまさんが10歳の女の子に歌わせたい、ボブ・ディランのように歌わせたいと注文したそうで、この発想はうまくハマったと思う。
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『記憶にございません』

2019-10-07 22:37:38 | 映画[か]
『記憶にございません』

監督:三谷幸喜
出演:中井貴一/ディーン・フジオカ/小池栄子/石田ゆり子/草刈正雄/佐藤浩市/木村佳乃/吉田羊

 今回は中井貴一が演じる総理大臣が記憶喪失になるというネタ。知っているはずの事を知らないというギャップは笑いの宝庫。それが総理大臣ともなると事が重大なだけに取り巻きが大慌てで、あれやこれやと策を巡らす。記憶がないためにそれらの策を掻いくぐって総理が妙な方向に向かい出してしまう。それを支えるディーン・フジオカがかっこいい。小池栄子も意外においしい役。草刈正雄も渋い。吉田羊もエロい。その他豪華キャストが真面目にボケかましている。やっぱり三谷幸喜は面白い。
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『ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ』

2019-06-02 22:28:00 | 映画[か]
『GODZILLA:KING OF THE MONSTERS』

監督:マイケル・ドハティ
出演:カイル・チャンドラー/ヴェラ・ファーミガ/ミリー・ボビー・ブラウン/渡辺謙/チャン・ツィイー/ブラッドリー・ウィットフォード/サリー・ホーキンス/チャールズ・ダンス

 2014年公開の『GODZILLA』に続き、世界の渡辺謙が芹沢猪四郎博士として再び登場。主人公はこの人じゃないはずなんだけど、出ずっぱりで大活躍。ゴジラだけに芹沢五二郎博士にしたほうがよかったかも。登場人物たちはそこにいたら絶対死ぬだろうって修羅場を元気に走り回る。放射能が出放題なんだけどだいじょうぶか? 怪獣の出現に驚き、呆然と立ち止まっている暇があったら早く逃げろ!って言いたくなるシーン続出。

 ゴジラの造形は、ボディサイズの割に頭部が小さめに感じる。もちょっともちょっとでいいからサイズアップされていたほうが好き。だから『シン・ゴジラ』のほうがどちらかと言えば私の好みに近い。

 『GODZILLA 2014』や『髑髏島の巨神』ではえげつなくキモい怪獣が出てきたが、今回は日本人にはお馴染みのキングギドラ、モスラ、ラドンが登場する。そこで感じる安心感や、「おっ、出た出た!」という期待感が湧いてくる。どの怪獣も怖さを強調したデザインで迫力満点。それに最新CG技術を駆使してスピード感あふれる映像になっている。ただ全体的に暗ぼったいシーンが多くて見辛い気もする。
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『グリーンブック』

2019-03-23 23:02:31 | 映画[か]
『グリーンブック』

監督:ピーター・ファレリー
出演:ヴィゴ・モーテンセン/マハーシャラ・アリ/リンダ・カーデリーニ

 人種差別が激しかった1962年の実話を映画化。ナイトクラブの用心棒をしていたが仕事を失ったトニー・バレロンガ、黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーの運転手として雇われることになった。トニー自身も黒人に対してやや差別意識を抱いていた。そんなトニーに手渡されたのは、黒人が利用可能なホテルなどが載った旅行ガイド「グリーンブック」、それを携えて、黒人差別が特に顕著な南部へのコンサートツアーに車を走らせる。行く先々で遭遇する差別的なトラブルを潜り抜けて、少しずつ変わって行くふたりの心情がいちばんの見どころ。

 アカデミー賞の作品賞、脚本賞、助演男優賞を受賞。人種差別という重いテーマを描いたからと言って暗いだけでなく、笑えるシーンもいろいろあって最後まで飽きない。室内シーンにはジャズが似合い、街角シーンにはオールディーズが似合う、アメリカンテイストに満ちて、流れるサウンドが心地よい映画。ふたりを乗せて最初から最後まで出ずっぱりの真の主役はキャデラックかも。グリーンブックのタイトルに相応しい淡いグリーンのキャデラックがエレガント。日本だったら邪魔臭いだけの巨体が似合っちゃう広い大地、カモンベイビーアメリカ♪ ティーネィジャーが憧れてたアメリカは差別に満ち溢れていたという事実も忘れてはならないのだろう。
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『カメラを止めるな!』

2018-08-17 20:30:48 | 映画[か]
『カメラを止めるな!』

監督:上田慎一郎
出演:濱津隆之/秋山ゆずき/長屋和彰/しゅはまはるみ/真魚/細井学/市原洋/山﨑俊太郎/大沢真一郎/竹原芳子/浅森咲希奈/吉田美紀/合田純奈

 新人監督とあまり知られてない俳優たちによるゾンビ映画!と聞いてぜひ見たい、なんて思う人はあんまりいないだろう。私だってヤダ。そんなもんに1800円も払うなんてもってのほかである。なのに、のにのに、世間でやたら話題になり過ぎているのをスルーしてもいいのだろうか。別にゾンビ映画フリークでもないし。のにのに、暇があったからしかたなく嫌ぁ~な期待を抱きつつ見に行った。

 低予算のホラー映画といえば『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』を思い出す。あれもまた斬新な手法で話題をさらった映画だった。んではさてこっちはどうなのか? 37分ワンシーン・ワンカットで描くゾンビ映画!・・・を撮影している最中に、まさかの本物のゾンビが襲い掛かってきて、わぁコワい、でも鬼監督はこれこそリアルだ撮り続けるぞ、と鬼のような形相で俳優に檄を飛ばす、というような設定に無理がある映画なのだ。

 そんな映画を見ていると、あまり知られてない俳優さんたちが不自然な演技をしたり、素人みたいな下手なセリフを吐いたり、冗長でまどろっこしい進行や、はちゃめちゃな展開など、見れば見るほど、見に来たことを後悔しはじめる自分を戒め励まして、せっかく1800円払ったんだから途中で帰ってはいかん!なんて気分になりはじめた。

 まぁ、映画館から途中で帰ったことは私の人生でも一度しかない珍事だったし、その映画が何だったかも忘れたし、だから帰るつもりもなかったのだが。帰らなくてよかった。最後まで見ればあれやこれやと不自然な出来事も氷解するし、はじめに抱いていた嫌ぁ~な期待を見事に裏切ってくれるし、なぜ世間で話題になっているのかも分かったような気がするし、ゾンビ映画なんてコワいから無理です、とかいう人でも大丈夫だよ、無理の程度によるけど、たぶん、見たほうがいい鴨新米、なぁんて・・・ネ!
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『北の桜守』

2018-03-10 23:16:40 | 映画[か]
『北の桜守』

監督:滝田洋二郎
出演:吉永小百合、堺雅人、篠原涼子、岸部一徳、佐藤浩市、阿部寛、中村雅俊

 吉永小百合120本目の出演作品。とはいえそのうち私が見たと思える作品は数本で、他の吉永小百合作品と比べてどうだったとかはわからない。私はタモリさんみたいなサユリストではないので特に意識していなかったし、吉永小百合さんで思い浮かぶのはAQUOS亀山モデルのCMくらいだ。でも何かの縁でなんとなく見てみたらもう涙なしにはいられない感動の嵐。

 戦時中の樺太や北海道が舞台なので、悲惨なシーンや雪深く寒いシーンもあるけれど、タイトルが桜守だから、きれいな桜のシーンももちろんある。戦争の悲しみだけでなく、老いて行く母の姿と向き合う息子が描かれる映画なので、戦争を知らない私でさえ身につまされるシーンがあり、もうたまらない気分になる。これ以上泣きたくないからもう終わってくれなどと思いながらもラストまで目を離せない。

 この映画にはちょっと変わった演劇舞台調な演出が盛り込まれている。最初はなんだこれ?と思うが、全編を通して見れば、そんなことは映画の進行に何も水を差すことのない上質なナレーションに思えて来る。よくある演出では、現在の姿から始まって、昔を語り始めると過去のシーンに変わることがある。タイタニックもそうだった。そういう演出のひとつだと思えば特に違和感も感じないし、逆に映画の印象を強めた感じ。
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『キングコング 髑髏島の巨神』

2017-03-25 21:52:57 | 映画[か]
『キングコング 髑髏島の巨神』

 監督:ジョーダン・ボート=ロバーツ
 出演:トム・ヒドルストン/ブリー・ラーソン/サミュエル・L・ジャクソン/ジョン・C・ライリー

 お馴染みの巨大ゴリラ映画。怪獣映画は割と出し惜しみをする傾向があるが、この映画では惜しげもなくバ~~ンッ!!と現れるから気分が良い。キングコングやらゴジラやらが単体だと悪い奴だったりするのにキングコングvsゴジラとなるとゴジラが悪者になる。でもゴジラvs宇宙怪獣になるとゴジラが正義の味方に早変わり。今回のキングコングは、最初は人間から見たらすんごい悪者なんだけど、だんだんボブ・サップに見えてきて、そのうち憎めない奴になってしまう。その代わりと言ってはなんだが、サミュエル・L・ジャクソンの顔がだんだん悪者ヅラになっていくというおまけ付き。巨大ゴリラなんだけれど、身長31.6メートルという設定になっている。身長118.5メートルのシン・ゴジラの後ではスケール的に見劣りするかもしれないが、高層ビル街のゴジラと平原のキングコングならその迫力に遜色はない。

 公開が決まってからずっと楽しみにしていたにもかかわらず、サイトも全然見ないまま映画館に行ったので、巨大なヤツがキングコングだけではないということも知らず、もう次から次へと新鮮なビックリが飛び出してきて百倍楽しめる映画だった。子供が喜びそうなビックリだけど「どくろとうのきょじん」なんて名前からして昭和のB級ジュブナイルファンタジーっぽい響きなので、ホントはもうオトナは見ちゃいけないんじゃないのかっていう気もするのだが、精神年齢だけ若年層のオトナとしては、懐かしのキングコングを放置しておくわけにもいかないのだ。ゴリラが胸をたたくドラミングはパーでやるという常識が定着してきているが、キングコングは昔ながらのグーでやっている。←なんだ昔ながらって・・・この件に関する無駄な議論が百出しないことを願う。
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