ざっきばやしはなあるき  

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美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

田名網敬一 記憶の冒険

2024-10-03 19:28:23 | 美術[た]
「田名網敬一 記憶の冒険」@国立新美術館

 六本木アートナイト2024のどさくさに紛れて見た展覧会。会期は8月7日から11月11日まで。この展覧会の開幕2日後に88歳で亡くなってしまったアーティスト田名網敬一氏の、めくるめく思想朦朧カラフルワールドを堪能できる。堪能したくなくても毛細血管から勝手に沁み込んでくる。実をいうとこの展覧会を見てからアートナイトに向かったので、会場を出た時の「悪夢から覚めた瞬間」みたいな感覚で回ったアートナイトがおとなしげに感じてしまったのはここだけの秘密である。

 全編写真撮影OKといううれしい展覧会。目がぎらぎらした金魚やら蜘蛛やら。変なゾウやら洒落神戸やら。ふいに出てくる若冲やルソーや赤塚不二夫。同じイメージが執拗に繰り返される珍妙アニメーション。コロナ禍の暇に任せて描いたピカソの模写は700点以上に及ぶらしい。コラージュ作品も受注仕事ではなく趣味で作り続けたとかいう変わった人。

 だからこそ変わった作品目白押しで、広い会場がいつまでも続く脳内麻薬工場みたいな塩梅になっていた。ようやく会場を出ると、目の前のカフェでたくさんの人たちが地味な服装でくつろいでいた。あ、そうか、ここは国立新美術館の中だったねぇ、と自分の居場所に気づいて安心したのである。田名網敬一を見た後はピンクの髪をした人でも地味に見えた。





















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デ・キリコ展

2024-05-16 20:01:00 | 美術[た]
「デ・キリコ展」@東京都美術館

 国内では10年ぶりとなるジョルジョ・デ・キリコ展を見てきた。彫刻や舞台衣装などを含めて110点を展示している。会場のエントランス付近がとってもきりこきりこしているアーチ状の柱廊を模してあって、あぁこれから形而上になるんだぁと気分がアガる。

《バラ色の塔のあるイタリア広場》


 キリコは自分の作品に「形而上絵画」と名付けた。何を言ってるんだこの人は!?と言いたくなるが、時間、空間、遠近法などいろんなモノがエグいことになっている絵画のことらしい。知らんけど。そんな形而上絵画は後にダリやマグリットなどのシュルレアリストにも多大に影響を与えたようだ。

 特徴的イメージのひとつにマヌカン(マネキン)がある。これも年代によって描き方が変化しているが、私のお気に入りは《ヘクトルとアンドロマケ》。目も鼻もないタマゴ頭ながら、なんとなく表情が想像できる。そしてわけのわからない三角定規みたいなモノがバランス良くも悪くも配置されているまとまり感。見ていても不安にはならない。


 とってもとっても不安になりそうな《不安を与えるミューズたち》。キリコは求めに応じて同じ構図の作品を何度も描いていたようで、いろんな同じ作品が世界中に散らばっている。私が展覧会で見たものだけでもそれぞれ微妙な違いがある。

2024年:東京都美術館


2014年:パナソニック汐留ミュージアム、
2005年:大丸ミュージアム東京


2000年:Bunkamura ザ・ミュージアム


1989年:小田急グランドギャラリー


 今回の図録は2016年のダリ展図録と同じ装丁のハードカバーでデラックスな安心感、大きさも似ているので書棚に並べて置きたくなる。


9月14日から神戸市立博物館に巡回予定。
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中尊寺金色堂 & 本阿弥光悦

2024-01-29 19:57:42 | 美術[た]
「特別展 中尊寺金色堂」@東京国立博物館 本館特別5室

 建立900年記念で中尊寺中央壇上の国宝仏像11体を寺外初展示。全体的に小柄な仏像なので、それぞれが個別に、地蔵菩薩は3体ずつまとめてガラスケースに入っている。館内は暗いので金色の仏像が際立つし、周囲を回りながら見ることができる。

 2009年世田谷美術館開催の「平泉~みちのくの浄土~展」では西北壇壇上諸仏11体が来ていた。この時は現地と同じ並びでひとまとめに展示されていたので、背面が見やすいわけではなかったが、金色堂の雰囲気を感じることができた。

 今回、その代わりにというわけではないが、大型ディスプレイで超高精細8KCGの金色堂内部映像が見られる。3Dで少しずつ拡大されながら眼前に迫ってくる高精細仏像たちは迫力満点。最前列で立って見ていたら足元がフラフラした。これは酔うぞ!

 やや下向きで邪気を踏ん付けている持国天と増長天、仏像が小さいうえにガラスケースの位置も低いので、目線を合わせるには、すんごい低姿勢にならないと無理っぽい。あまり低姿勢で見ていると観客に踏ん付けられそうなので要注意。

 「金光明最勝王経金字宝塔曼陀羅図」は九重塔を経文で描いてある。これがまた小さい文字なので老眼気味の人は単眼鏡が必須。


縮尺1/5の金色堂模型は撮影OK



 前売りセット券を買うと300円安くなるので本阿弥光悦展も見た。

「特別展 本阿弥光悦の大宇宙」@東京国立博物館 平成館

 俵屋宗達が描いた流麗な鶴の大群の絵の上に本阿弥光悦が和歌を書いた、13メートルもある「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」は綺麗で大好き。和歌は崩し字なのでなんだかわからないが、太い文字、細い文字が林立する背景を舞う金泥銀泥で描かれたたくさんの鶴が美しい。






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東博常設展示室にいた千手観音坐像

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超絶技巧、未来へ!

2023-11-04 15:27:33 | 美術[た]
「超絶技巧、未来へ!」@三井記念美術館

 何年かに一度現れる恒例の超絶技巧展覧会。今回も明治工芸と現代アートのコラボレーション。大好きな並河靖之の七宝花瓶や正阿弥勝義の金工細工、安藤緑山の野菜果実などと共に、単眼鏡で見たい細密な現代作品が並んでいる。

 材料は木や金属だけでなくガラスや紙、刺繍などさまざま。それなのに、目の前にあるモノが木でできているなんて信じられない、こんなうにゃうにゃしたモノが陶器だなんて信じられない。写真のように見える水墨画だって、紙で作った運動靴だってスゴイ。そういうホンモノそっくりのニセモノのような作品を見る時の、頭のねじが外れている感覚がいちばん面白い。

 写真撮影可能な作品もいくつかあって、SNSにアップされたがっていた。この展覧会は11月26日まで。

福田亨 《吸水》蝶も水滴も[木]、水滴は磨いてつやを出しただけ


稲崎栄梨子 《Amrita》:一個一個が[磁器]で持ち上げれば動く


前原冬樹 《スルメと茶碗》:一木彫のスルメ、割れた湯飲みも[木]


彦十蒔絵 若宮隆志 《「ねじが外れている」モンキー、工具箱、ねじ》:[木]と[漆]


 若宮氏の作品タイトルにある「ねじが外れている」とは、金属工具を金属じゃないもので作るような自分は「頭のねじが外れている作家である」というようなニュアンスを込めている、というようなキャプションがあった。そういう意味ではこの展覧会の作家は全員「ねじが外れている」のかもしれない。それらを見ている観客もポロポロとねじが外れていく。何年後かに始まる次回の「超絶技巧展」は「ねじが外れている展」という名前になっても不思議ではない・・・のか
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大・タイガー立石展

2021-12-12 22:14:57 | 美術[た]
『大・タイガー立石展』@埼玉県立近代美術館
『大・タイガー立石展』@うらわ美術館

 埼玉県立近代美術館&うらわ美術館で11月16日から1月16日まで開催しているタイガー立石展に行ってきた。この展覧会は今年の4月から、千葉市美術館 → 青森県立美術館 → 高松市美術館を巡回して来ている。今回は埼玉県立近代美術館とうらわ美術館で合同開催、2つの美術館の最寄り駅はJRの北浦和駅と浦和駅だが徒歩で20分くらいの距離。

 タイガー立石の作品は時たまあちこちの展覧会で見ることはあったが、これだけ多数の作品をまとめて見られることは滅多にない。印象深い作品は、まっすぐなハイウエーを走っている車の遠近法が正反対になっているヤツとか、走っている道路の景色がクルマの中に入り込んでくるヤツとか。こんな妙な発想をするアーティストを好きにならないわけがない。他の作品も見たいと思ってずっと気になっていたので行けてよかった。


・タイガーだけに「TORA割」ってんで、どちらかの美術館でチケットを買うともらえるTORA割券を、もうひとつの美術館で見せると、チケットが200円引きになる。これは1回限りなので回収されてしまう


・図録の他にスイカみたいな緑の虎の絵本も買った。初版は1984年となっている


・黒川紀章設計の埼玉県立近代美術館の外観、宇宙から飛来したかのような太い棒が中央の窓に突き刺さっている


・埼玉県立近代美術館に突き刺さった棒の先端
 田中米吉 《ドッキング(表面)No.86-1985》


・うらわ美術館の外観、商業ビルの3階が美術館。12月12日12時30分頃入場して数秒で大きな地震が発生、ちょっとビビったがこのビルならかなり安全な気がする。震源は茨城県南部だった


・撮影可能な作品がいくつかある。《昭和素敵大敵》、《大正伍萬浪漫》、《明治星雲高雲》はそれぞれ幅7m、3.5m、7mという巨大な油彩作品、どっかで見たことのあるその時代の物や人物がまるでコラージュみたいにちりばめられていて楽しい


・遠近法が正反対に描かれた《Mirano Torino Superway》


・陶彫作品もいくつか展示されている、これはデ・キリコ、輪っぱを転がす女の子など、アーティストのイメージが四方八方てんこ盛り、ほかにもピカソやらセザンヌやら岡本太郎やらいろいろある


・黒川紀章設計の中銀カプセルタワーのカプセル


・サトル・タカダ 《子午線-1993》


・重村三雄 《階段》


・重村三雄 《階段》


・埼玉県北浦和公園の紅葉


・埼玉県北浦和公園の紅葉


・埼玉県北浦和公園の紅葉


・埼玉県北浦和公園の紅葉

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ショック・オブ・ダリの図録

2021-04-08 21:45:08 | 美術[た]
 先月参加した諸橋近代美術館主催のZoomイベント【Shock of Dali ショック・オブ・ダリを予習しよう!】の参加者プレゼント:図録と招待券が抽選で当たって今日〒で送られて来た♪♪♪ 「発表は発送をもって代えさせていただきます」というわけで、当たったことは事前には知らず、ポストの中から取り出した封筒に「諸橋近代美術館」と書いてあるのを見て『やぅわぉぅ$&b*kk;%っ!』ってなった。既に三重県立美術館での開催が終了した展覧会図録と諸橋近代美術館への招待券とフライヤーが入っていた。くじ運の悪い私に当たるなんて、応募者が少なかったのかな?

 図録は
chapter1:サルバドール・ダリの世界
chapter2:ダリは日本にどう知らされたか?
chapter3:日本の前衛 - 影響の広がりと新たな絵画言語の探求
という構成になっている。chapter3がその半分くらいを占めていて、ダリに感染した日本前衛画家の奇妙奇天烈で珍味な作品がたくさん掲載されている。ペラペラとページをめくってみると、Zoomイベントで紹介された作品がチラチラ出てきて『あぁこれこれ』ってなる。突然、池田龍雄《「目撃者」化物の系譜》という絵が出てきた。おまえ絶対に夢に出てくるなよ!!!

「Shock of Dali」展は諸橋近代美術館で4月24日~6月27日に開催予定。
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ショック・オブ・ダリを予習しよう!(諸橋近代美術館)

2021-03-15 21:56:21 | 美術[た]
【Shock of Dali ショック・オブ・ダリを予習しよう!】
 2021/3/14(日)14:00 - 15:30  

 諸橋近代美術館主催のZoomでのオンラインイベントに参加した。進行は諸橋の学芸員さんと、アートテラーとに~さん、東京・ミュージアム&アート情報かっちゃん。諸橋とのZoomイベントへの参加は昨年6月の【おうちでダリナイト】以来2度目になる。

 昼間の裏磐梯は見るだけで寒くなる、お約束通りの雪景色。だから4月23日までは休館中。今回は4月24日~6月27日に開催予定の「Shock of Dali」展に関するトークが主で、この展覧会は、ダリ病に罹患した日本の前衛画家の作品50点ほどと、ダリの作品を併せて展示する。ダリの所蔵品はもとより、三重県立美術館やポーラ美術館から借りた作品も含まれている。3月28日までは三重県立美術館にて巡回中。

 ダリ病とは体中に柔突起が生える奇病のことではなく、ダリの作品にエピデミックな影響を受け、心酔して、ダリを目指そうと考えてしまう奇病のことである。元お笑い芸人とに~さんがわかりやすく例えてくれた。多くのお笑い芸人がダウンタウンにあこがれて、ダウンタウンみたいになりたいと思ってしまうダウンタウン病と似たような症状のことだと。そんなダリ病患者である浜田浜雄、米倉壽仁、渡辺武、石井新三郎、斎藤長三などのシュルレアリスム作品が展示される。

 上記に挙げた画家、浜田浜雄は本名だそうだ。浜田のお父さん、どういう気分で我が子に浜雄って名付けたのだろう。受け狙い100%だったのかな。知人友人からはハマちゃんって呼ばれていたに違いない。

 諸橋近代美術館は入場カウント方式をとってコロナ感染予防を行うという。これは入場者をカウントして行って、館内にあらかじめ決めた一定数の観覧客が入った時点で、密にならないように新たな入場を待ってもらう形式のようだ。また、コロナ禍の影響で臨時休館という事態もゼロとは言えないので、もし行く場合は念のためサイトなどで再確認してからのほうがいいかもしれない。

 終了間際にZoom参加者の中から板橋区立美術館の中の人が出現、3月27日~5月23日に開催予定の「さまよえる絵筆ー東京・京都 戦時下の前衛画家たち」の宣伝をしていった。この展覧会にも同じような前衛画家たちの作品が展示されるようだ。


諸橋近代美術館

板橋区立美術館



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おうちのダリグッズ

2020-06-14 19:45:36 | 美術[た]
おうちでダリナイトにちなんで、うちにある(画集・図録・書籍)以外のダリ関連グッズを並べてみたが、金目のものは何も無い。

◆特に使い道のない小物
 ・《記憶の固執》紙製の組み立てる立版古。ヨレヨレ切れチョビレになっている。ちょっと《神奈川沖浪裏》が混じっているように見えるが気のせいである。

 ・柔らかい時計の消しゴム2個。どうせ消しゴムとして使う気はなかったのでアクリル絵の具で色を塗った。

 ・メイ・ウエストの唇ソファ。もちろん座れない。

 ・緑色の唇型オードトワレ。使わないからいつまで経っても減らない。

 ・《新人類の誕生を見つめる地政学の子供》・・・卵(地球)のアメリカから新人類が生まれる図。卵から人間がもそもそ出てこようとしているオブジェの塊は330g。




◆使い道のあるダリTシャツ
 諸橋近代美術館に前々回行った時に買ったと思う。ダリ的イメージがあれこれ描かれているヤバイTシャツ。




◆壁に飾っているポスター
 ・《雨後の隔世遺伝の遺跡》 ポスター。これも確か諸橋近代美術館で買った気がする。荒野に訳の判らない巨大物体が出現している雰囲気が反吐が出るほど好き。同じような作品《ミレーの建築学的な晩鐘》よりもこちらの作品の方が好き。なぜならバランスもいいし、あちら側ではなくこちら側に穴が開いているからだ。




◆壁に飾っているポスター
 ・《ポルト・リガトの聖母》 B3サイズのポスター (福岡市美術館蔵)。これはフィゲラスのダリ宝飾美術館に飾ってあるような宝石彫刻を展示していたミナミ美術館(秋葉原ミナミ電気 → 鎌倉駅前 → 消滅)で買ったのか、はたまたもらったのか覚えてない。




◆ノート
 ・《目を覚ます1秒前、ザクロの実の周囲を1匹の蜜蜂が飛び回ったために見た夢》が表紙になっている単なるノート。でももったいなくて使えないので役に立たない。




◆アンブレラ
 ・《記憶の固執の分解》の色鮮やかな傘。どこかのミュージアムショップで買った。でもこんなの恥ずかしくて使えないので役に立たない。



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おうちでダリナイト(諸橋近代美術館)

2020-06-13 16:32:49 | 美術[た]
6月12日(金) 【おうちでダリナイト】
18:00~19:30第1部  『裏磐梯よりダリをこめて』
20:30~22:00第2部  『THEダリ夜会』
 by アートテラー・とに~さん&当館ダリ好き学芸員




 というわけで、340点という東洋一のダリ作品収蔵を誇る諸橋近代美術館が主催の、Zoomでつながるオンライントークイベントに参加した。今の私はZoomでリモート会議などをする職場ではないので、巷で流行っているZoomを使うのはこれが初めてだった。募集定員の100名は1日で埋まってしまったようだ。参加人数は8割を超えていた。金曜日の18:00からという難関もあるので、急な残業てんてこ舞いで間に合わなかった人もいたかもしれないが。

 美術館の学芸員さん+かっちゃん(東京・ミュージアム&アート情報)+アートテラーとに~さんを進行役として、諸橋近代美術館で開幕した「ダリとハルスマン展」の会場をヴァーチャル風リアルに案内してもらうという、行った気分になれる無料のリモートイベント。

 私は諸橋近代美術館に3回行ったことがある。中世の馬小屋をイメージしたという馬小屋の割にはゴージャス感ハンパねぇ佇まいも大好き。美術館の設計時にはノイシュヴァンシュタイン城みたいな背の高いデザインも検討されたようだが、国立公園内という立地のため建築物の高さに制限があって実現できず、現在の形になったのだという。開館時間は冬期以外の昼間だけなので、夜景は見ることができない。でも今回は18時から19時半という、たそがれdeナイトのリアルタイムな外観も映してくれたので、室内だけ照明の点いた美しい姿も見ることができて感動! 






 第2部はアートテラーとに~さんがメインMCとなって、ダリにまつわるオフレコトーク?などを自宅で飲みながら語る夜会という雰囲気。しかし私はノンアルコール日本茶を飲んでいた。ダリが好きすぎて諸橋に就職したというツワモの学芸員さんの「ギャラリートークで意気込んでダリのヤバい話をしていたら聞いていた女子大生が貧血になった」とかいう謎のエピソードやら、サザビーズのオークションでダリ物件を落札しちゃった強豪ダリジェンヌな人や、買った版画の真贋を知りたいという人なども出て来たり、あれこれ楽しめる夜会だった。


 コロナの影響でテイクアウトだけだが、シュルレアリスムコーヒーという謎の物件が目を引く。アリとかチーズとか入ってないことを願う。




 諸橋近代美術館が最初に所蔵したダリ作品 『ビキニの3つのスフィンクス』




 笑みがこぼれるダリファッション! 第2部では、アートテラーとに~さんがこのファッションのバッタもんで登場した。




→ 諸橋近代美術館
→ ふくみんさんのDali World
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国宝 東寺ー空海と仏像曼荼羅

2019-04-07 22:48:05 | 美術[た]

 真言密教の寺である東寺(教王護国寺)から空海にまつわる名宝が紹介される展覧会。『秘密とは大日如来が説く真理で、それは菩薩にもわからない。密教とは見つけられない秘密を求めること』だそうで、しんどい話である。

 彫刻、絵画、法具、両界曼荼羅などが110点ほど展示されている。その中でもいちばんヤバい物件は講堂に安置されている仏像の立体曼荼羅。2011年の「空海と密教美術展」では8体展示された立体曼荼羅が、今回は国宝11体+重文4体の合計15体に増殖、全部で21体あるのでかなり集まりが良い。←飲み会か?

 東寺は2回行ったことがある。講堂の柱や仏像の火炎が赤いので、赤い部屋のイメージが強い。その赤い部屋に所狭しと言ってもいいくらい、ぎっしり、ぎっしり、ぎっしりと仏像たちが寄り集まっている様は荘厳だ。但し全員が守りを固めているので背中などほとんど見ることはできない。まぁ大抵のお寺もそれは同じだが。

 それがこの展覧会では大きな展示室に、ゆったり、ゆったり、ゆったりと仏像彫刻が展開されている。ぐるりと周囲を回って見ることができる貴重なチャンスだ。

 如来が4体あるが印を結ぶ手の形でしか見分けられないらしい。大威徳明王の牛くんも360度見て回れる。仏像の持っている剣って不思議な凸凹があったり妙な形状をしていたりと、国籍不明な雰囲気のものが多いが、ここの持国天と増長天が持っている剣は飾り気がなくなんとなく日本刀っぽい。それに体格が良い割に剣が短めで、子供用のおもちゃの刀に見えちゃった。いちばんハッとしたのは降三世明王の後ろ顔。「あらっ、居たのぉ? 居たのねぇ!」って言いたくなる。

 そして今回の目玉仏は整形イケメン仏でお馴染みの帝釈天騎象像。これだけは写真撮影OKという太っ腹企画になっている。真後ろまでは回れないが315度くらいは回り込める。こんなチャンスは平成最後だ!6月3日まで開催中なので令和初でもある。この帝釈天はけっこう好きなヤツなので嬉しい話だ。
   
 
 
 ミュージアムショップには東寺公式と書かれた海洋堂の帝釈天騎象像が売っていた。台座を含む像高は13cmあって、なんと7200円もする。こんな高価な仏像は買ったことがない。買おうかやめようかと悩んだ末、清水の舞台から縄梯子で降りる覚悟で買ってしまったorz いちばん大事なのはイケメン顔の再現だが、その辺の事は海洋堂造形メモにも書いてある。で、そのイケメン顔が寸分たがわず再現されているとは言い難いが、まぁまぁ割といい線いってるカモネという所かな。対象年齢は15歳以上となっているので、そこだけは私も辛うじてクリアしている。食べたり投げたり振り回したりはしないョ! 
  
 
東博本館と桜
 
東博表慶館と桜
 
上野公園 清水観音堂
 
上野公園 花園稲荷神社


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京都大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ

2018-10-15 19:49:38 | 美術[た]
「京都大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」@東京国立博物館

 展示物が少ないので、センター分けされている平成館の展自室の半分では大報恩寺展を、あとの半分では排尿設備でお馴染みのマルセル・デュシャンの展覧会が開催されている。

 少ないとはいえ行快による金ぴか釈迦如来を取り囲む、快慶によるクセがすごい十大弟子は見応え充分。あばれる君やら天龍源一郎やらなんとなくどこかで見たような十大弟子。一番きれいな丸い頭と整った顔立ちの人は《阿那律》だが、この人はほぼお地蔵さんじゃんか!という雰囲気でインパクトが薄くてすぐ忘れそう。私のお気に入りは《舎利弗》、タコ入道みたいに縦に伸びた輝く丸頭に彫りの深い眼とニヤリと笑う口元は、何か企んでいるようで、一番ヤバい技とか持ってそうな一筋縄ではいかない奴だ。ちなみに《木犍連》の紹介文には「いざという時は超能力が使えるのです」なんて反則技が書いてある。さすが何でもありな仏像界、知恵者の《舎利弗》がどんな策を弄そうが超能力にはかなわない。





 肥後定慶による大きな六観音が先の尖った光背を背負って同じ方向を向いて静かに佇む姿は荘厳ささえ感じる。このかっこいい光背を10月30日からはなぜか取り外してしまうらしい。背中も見やすいってのは確かだけれど、光背付きの完全体を見たい人は10月28日までに駆けつける必要がある。六体あるうちの聖観音のみ写真撮影OKというサービス付き。





 大報恩寺には行ったことがなく、その名前にもピンと来なかったのだが、通称が千本釈迦堂、あっ、それなら聞いたことがある。京都の地図でよく見た名前だ。でも行ったことはない。その近くの北野天満宮には行ったのに。
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天才ダリの版画展

2018-10-08 21:13:10 | 美術[た]
「天才ダリの版画展」@おかざき世界子ども美術博物館

 生涯で1600点以上もの版画を作成したというダリ。それらの版画200点と、いくつかのブロンズ像などの立体作品を展示する展覧会。私が2013年に高崎市美術館で見たものと内容は同じ展覧会。たぶんそうだろうと思ってはいたが、ミュージアムショップに売っていた図録が、その時高崎で買ったものだったのでようやく納得。

 ちょっとググったら他にも鶴岡アートフォーラム、京都文化博物館、河口湖美術館、北海道立函館美術館などでちょくちょく開催していたようだ。もしかしたら今後もどっかでやるかもしれない。

 今回はその他に初公開作品として、19歳で描いた《裸婦習作》、新発見のドローイング《アルティーヌ》、鉛筆デッサン《二人の少女》、細密油絵《ロートレアモンのカマキリの共食い》なども展示されている。




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筒井康隆 展

2018-10-07 00:00:02 | 美術[た]
「筒井康隆 展」@世田谷文学館

 文筆業者の展覧会が存命中に開催されるという珍しさ、筒井さん本人もそう思ったようだ。でも存命中にさっさと全集を出した人だからねぇ。生まれた1934年から2018年までの長い年表がニョロニョロと連なり、会場のパーティションの役目を担っている。写真やエピソードなども豊富で年表を見ているだけで1時間くらいニョロニョロと経ってしまう。そして区切られたエリアに書籍や直筆原稿、フィギュアなど雑多貴重な品々が陳列されている。

 『虚航船団』の直筆原稿を見ると、書籍の活字を見るよりもさらに異様な雰囲気が漂っている。編集の仕事などしてはいないので想像だけれど、こんな原稿を受け取ったら「うぇぇっ!」って言うね。

 『残像に口紅を』を執筆したワープロ「書院」もある。だんだん消えて行く文字を間違えて使わないように、キーに画びょうを張り付けたという都市伝説が生まれた逸品。両手の指先を血だらけにした筒井さんの姿がまぶたに浮かぶか浮かばないかはあなた次第です。

 筒井さんは知能テストの結果、IQが187と判り特別教室に入れられたそうだ。大作家になるべくしてなったのだ。私は自分のIQなど知らない。検査したのかどうかも覚えていない。検査したことも忘れるくらいの指数だったのかもしれない。みだりに検査しないほうが身のためだろう。
※IQ(Ippai Qttala)

※IQ(Iga Qlucy)





世田谷文学館がかっちょええ!


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富山県美術館

2017-09-26 21:29:39 | 美術[た]
富山県美術館

 今回が初訪問、というのも今年の8月26日にオープンしたばかり。3月から一部先行開館はしていたらしい。閉館した富山県立近代美術館から受け継いだ収蔵作品は豪華絢爛。ピカソ、ダリ、ミロ、マグリット、フジタなどいくらでもありそう。内藤廣設計の3階建ての美術館で富山駅から徒歩20分。空間使いが贅沢でゆったりしている。「オノマトペの屋上」は子供が遊べるいろいろな遊具が置かれた屋上庭園になっていてワイワイガヤガヤ楽しそう。この屋上だけは無料で入ることができるが、12月1日~3月15日は閉まっている。寒いからか? 4階の屋上と言っても高さ19mあり、周囲が開けているのでかなり遠くまで展望できる。富岩運河環水公園に向かい合うように建てられた美術館からは運河や水門、立山連峰の景色が一望できる。入らなかったけど「世界一美しいスタバ」はここにあったのか。

・富山県美術館


・富山県美術館:手前は坂井宏之のレストラン「キュイジーヌ フランセーズ ラ・シャンス」


・富山県美術館:オノマトペの屋上


・富山県美術館:オノマトペの屋上


・富山県美術館


・富山県美術館


・富山県美術館:三沢厚彦「アニマルズ」の熊が4匹くらいいる


・富山県美術館:合田佐和子「天使の缶詰」


・富岩運河環水公園:富山県美術館の前面に広がっている


・これが世界一美しいスタバなのだそうだ

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タイ ~仏の国の輝き~展

2017-07-09 22:56:55 | 美術[た]
「タイ~仏の国の輝き~展」@東京国立博物館

 日タイ修好130周年ということで始まったタイの仏教美術展。タイには1度行ったことがある。バンコックのどこだったか忘れたけど金ぴか仏像を見た記憶がある。体中にまとわりつく暑さがサウナっぽいタイだった。今回も金ぴか仏像がいくつか来ている。

 歴史に沿って仏教に関するいろいろなものが150点展示されているが、いちばん興味をそそるのは仏像。菩薩もいるけど仏陀が多い。初っ端に登場するのは《ナーガ上の仏陀坐像》。これは姿勢の良いイケメン仏陀。ナーガというのは龍王ムチリンダというエロそうな名前のヘビで、台座からとぐろを巻いて光背の代わりに仏陀の後ろにそびえている。あちらのイケメン仏は日本のイケメンと言われる仏と違ってホントにシュっとした顔だちをしている。

 《仏陀遊行像》は地上へ降りるために足を踏み出した瞬間を捉えたもの。ウォーキングデッドではなくウォーキングブッダである。その姿はスラっとしてヒョロっとして優美な雰囲気を醸し出しているが顔は割と無表情。歩き出しているのに目を瞑っているのはつまづきやすいのでアブナイ。買い物かごは提げてないけど、なんとなくお買い物に来て「あぁらお元気!」なんて挨拶している近所のおばさんに似ている。


 《ラーマ2世王作の大扉》 は大仏殿ワット・スタットの巨大な扉、高さ5.6mもある細かい彫刻が施された扉で、右側だけが来日中。左側は火災か何かの折りに焼けてしまったらしい。この扉だけ写真撮影が可能になっている。

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